『夜明けの街で』深田恭子インタビュー

怖い監督の下で「大人の女」に挑戦し、新境地を開拓!

#深田恭子

不倫されたら、もう、一瞬で終わりですね(笑)

人気作家・東野圭吾が真正面からラブストーリーに取り組んだ人気小説を映画化した『夜明けの街で』。仕事も順調で、愛する妻と子に囲まれた幸せそのものの40代のサラリーマンが、1人のミステリアスな美女に出会ったことから道ならぬ恋へとのめり込んでいく様子を、15年前に起きた殺人事件を絡めながら描いた物語だ。主人公を岸谷五朗が、彼を甘い地獄へと誘う女性を深田恭子が演じている。


現在28歳の深田が謎めいた魅力をもつ大人の女性を演じ、これまでにないセクシーさを醸し出しているのも話題のひとつ。本作で新境地を開拓した深田に、映画について話を聞いた。

──オファーが来たときの感想を教えてください。

深田:こんなにハードルの高い役を演じられるのかな、という不安がありました。それは、撮影中も感じていましたね。

 ただ、難しい役をいただくと、いつも(製作陣の)期待を感じます。「私にできると思うから、オファーしてくれているんだな」と実感します。

──妻子ある男性と恋に落ちる役を演じたわけですが、不倫についてはどう思いますか?

深田:2人の人を同時に愛することで、悲しい思いをする人が生まれると思うと……。もちろん、悲しいだけではなく、かけがえのない瞬間もあるとは思うのですが。なるべくみんなに幸せになってほしいので、応援するのはなかなか難しいと思います。

ベッドシーンはなるべくなら演じたくない
──深田さんが演じた愛人と、木村多江さんが演じた妻についての感想を教えてください。

深田:どちらも、私自身にはあまり近くないキャラクターですね。2人には「耐え抜く強さ」がありますが、私はあんなにガマンできないかもしれません(笑)。

──もし不倫されたりしたら?

深田:もう、一瞬で終わりですね(笑)。

──ベッドシーンもありましたが、最初に台本を読んだときのお気持ちは?

深田:なるべくなら演じたくないですし、なるべくなら自分では見たくないですね(笑)。キスシーンでもそうなのですが、もうラブストーリーというだけで照れくさいというか……。台本を読んだときも「このシーン、カットされたらいいなぁ」って思っちゃいますね(笑)。

──監督からはどんな演出がありましたか?

深田:とにかくセリフの一言一言を大切にしゃべってほしいと言われました。多くを語らず、軽く言葉を発しないところが魅力的な女性なので、それについては何度も何度も言われました。

若松節朗監督はすごく怖いです

──若松節朗監督は厳しいイメージがありますが。

深田:すごく怖いです(笑)。撮影現場ではすごく楽しそうだったし、みんなは「優しい」って言うんですけど、私は怖くて。怒られたり褒められたりの連続で、ずっと緊張している感じでした。監督は「新しい深田恭子」を出そうと必死だったのですが、私としては自分を守りたくて、葛藤がありました。以前の自分がなくなっちゃうような気がしたんです……。でも、監督が私を(ヒロインの)秋葉にしてくれたような気がします。

──40代の男性と恋に落ちる役ですが、それくらいの年齢の男性をどう思いますか?

深田:40代でお仕事もできてステキだと、余裕があるから、やっぱり不倫しちゃうんじゃないかって思うので、そんなにステキじゃないくらいのほうが安心できますね。ステキすぎると、何か(ウラが)あるんじゃないかって思っちゃいます(笑)。

──最後に、作品の見どころについて教えてください。

深田:東野圭吾さんのラブストーリーということ、横浜の魅力が満載なのでそこも楽しめると思います。それから、不倫は映画のなかで楽しんでいただければ(笑)。

深田恭子
深田恭子
ふかだ・きょうこ

1982年11月2日生まれ、東京都出身。96年にホリプロタレントスカウトキャラバン「PURE GIRL」オーディションでグランプリを受賞しデビュー。ドラマ『神様、もう少しだけ』(98年)で注目を集める。多くのドラマ、映画に出演し、近作としては、映画『ヤッターマン』(09年)、『セカンドバージン』(11年)などに出演。アニメ『豆富小僧』(11年)では主人公の声を担当。また、12年に放映されるNHK大河ドラマ『平清盛』では清盛の正妻・時子を演じる。

深田恭子
夜明けの街で
2011年10月8日より角川シネマ有楽町ほかにて全国公開
[監督]若松節朗[脚本] 川崎いづみ[原作]東野圭吾[出演]岸谷五朗、深田恭子、木村多江、石黒賢[DATA]2011年/日本/角川映画/129分
(C) 2011「夜明けの街で」製作委員会