1980年、東京生まれ。ドラマやCM、映画など、様々なジャンルで幅広い活躍を見せる。人気テレビ番組『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』『志村劇場』にレギュラー出演中。声優は『アイス・エイジ2』『ストリングス〜愛と絆の旅路〜』などでつとめ、実写作品の主な出演作には映画『輪廻』、ドラマ『本日は大安なり』などがある。TBS系ドラマ『パパドル!』ガ4月よりスタート。
『人狼 JIN-ROH』の沖浦啓之監督が約7年の歳月をかけて完成させた『ももへの手紙』。父を事故で失い、都会から瀬戸内の島へと引っ越してきた小学6年生の少女ももと、その母いく子だったが、あるときから、ももは奇妙な妖怪3人組が見えるようになり……。
人と人との繋がり、家族の絆を、“妖怪が少女の前に現れる”というファンタジー要素を入れながらも、リアリティを追求した演出で優しく綴っていく本作で、主人公のももと、娘のために弱さを見せずに頑張る母いく子の声をそれぞれあてた、美山加恋と優香を直撃。アフレコ時の思い出から、作品の感想はもちろん、はてはUFOの話まで飛び出した、2人の仲の良さが伺える楽しい取材となった。
優香:ホントに、おっしゃる通り。私がお母さん! そうか、お母さんかぁって(笑)。正直、大丈夫かなと思いましたね。あんまり大人っぽい声じゃないし、いろんなアニメを見てますけど、声で深い感じを出すなんて、無理だなってすごく不安でした。
アフレコをするときに、監督に大丈夫ですかね?って聞いたんです。そしたら、無理にお母さんぽくしないでくれって言われて。そのままの感じがいいですって。でも、「え、そのままって!?」って、逆によくわからなくなっちゃって。でも、絵を見たときに、いく子さんがすごく素敵だったんです。表情も素敵で。彼女を見ているだけで気持ちがいいというか。それで、絵を見ながら声をあてているうちに、なんだかいく子さんになれてるかもと思えるようになりました。
美山:私はオーディションだったので、役が決まったときは本当に嬉しかったです。ただ主人公だし、責任があるなって不安な部分もありました。ケンカしたまま亡くなってしまったお父さんとのこととかも、すごく悩んで。でも、ももは本当は明るくて面白い子。そういう部分とお父さんのことを悩んでいる部分と差があったりもするので、そこも頑張りながら、この作品に一所懸命関わっていけたらというか、ちゃんとももとして演じられればなと思って、気合が入ってました。
優香:いやぁ、テレビドラマで見ていたので、「え〜! 大きくなったね〜」ってビックリしました(笑)。加恋ちゃんはちょうど同じ時期に映画の撮影をしていて、その現場から来てたんですね。だから、「うわ、中学生、働くな〜。大変だなぁ」とも思いましたね。
あと、アフレコから取材まで、また時間が経ったので、どんどんお姉さんになっていくというか、いく子じゃないけれど、お母さんみたいな目線になっちゃってます。キレイになっていく姿を目の当たりにしているというか、変に親目線で見てますね(笑)。
美山:私は優香さんをいつもテレビで見てました。お母さん役と聞いたときは楽しみで。実際にアフレコを一緒にしてみて、すごく優しい方なので、安心してできました。お母さんっていう感じがしましたね。
優香:よかった。……複雑だけど(笑)。
優香:いく子さんは喘息で、発作が出てしまうシーンがあるんですけど、上手いって言われました。結構、そのシーンは長くて手がしびれてきちゃったりしたんですけど。
優香:現場に喘息の方がいらしてたんです。あまりやりすぎてウソになっちゃうとダメだし、ずっと見てもらいながらやっていました。そういう細かいこともちゃんとやっている作品でしたね。
美山:そうですね。ちょっとやって、クールダウンしての繰り返しでした。それぞれ叫び方が違うので、練習もしました。ちょうどそのとき映画の撮影で三宅島に行っていて、宿に泊まってたんですけど、そこで練習してたので周りに迷惑かけちゃったと思います。でもそのおかげでうまく出来ました。
西田さんたちとは一緒にアフレコをしていないので、作品を見たときには本当にびっくりしました。3人のシーン、こんなになるんだ!って。やっぱりアニメーションは画(え)に合わせてやるので、自分の感情の間ではできないので、そこを合せるのが難しかったんですけど、でもその間も、完成したものを見たら、すごくよくて。自分の声がこういう風にいろんなシーンと繋がって、話が繋がっていくんだって思ったら、感動っていうか、すごい!って。
美山:この前、UFOを見ました。
優香:優香:え〜!!
美山:駅のところで歩いてたんです、友だちと。
優香:えぇっ、駅にいるの? UFOって。
美山:結構近くの空に、普通の感じのUFOがピュワ〜って動いてて。友だちと「あ、UFOだ」って。
優香:よく見るの?
美山:2回目です。
優香:いいなぁ、見られるものなら見たいですよね。私はないです。すみません。妖怪もUFOもお化けもないです。見られたらいいなぁ(笑)。
優香:とにかく人と人との繋がりというか、家族愛を感じました。あんまりそういう風に言っちゃうと構えちゃう部分もあると思いますけど、この作品はすごく自然なんです。何回も言ってしまいますけど、とにかく気持ちのいい映画。妖怪たちは気持ち悪いし、突然現れて何だろうって思うけど、違和感がないのがすごく不思議。ファンタジーなんだけど、ファンタジーじゃない。
家族ってどうしても近すぎて思ったことを伝えられないっていうか、分かってるでしょって思ってしまうんですよね。思春期のときは特にそれが強い。ももの気持ちもとってもよく分かるし、でもいく子さんの気持ちも分かる。いろんな目線で見られる映画だなと思いました。
私は母と仲が良くてよく会うんですけど、それでも、仕事のことやプライベートのことを、なかなか話せませんでした。仕事で弱っているときとか、どうしても親の前では隠してしまう。喋ったら泣きそうだなって日は、一切顔を合わせないで部屋に入る、みたいな。どうしても我慢しちゃう部分があったんですけど、でもやっぱり伝えないと分からないなと感じましたね。
美山:私も優香さんがおっしゃったように、すごく自然な映画だと思いました。まるで実写の映画を見ているみたいに、絵の1つひとつがすごく自然で、すんなりと物語の世界に入っていける。お話も心が温まるストーリーなので、感動もできるし、コミカルなところもあっておもしろい。魅力がたくさんある映画だと思うので、いろんな人に見てもらいたいです。
(text&photo=望月ふみ)
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