『ハロー!?ゴースト』チャ・テヒョン&カン・イェウォン&キム・ヨンタク監督インタビュー

抑えた笑いが印象的なヒットコメディの監督・キャストを直撃!

#カン・イェウォン#キム・ヨンタク#チャ・テヒョン

『シックス・センス』を超えるような終盤のオチがすごく衝撃的でした(イェウォン)

生きる希望を失い何度も自殺を図るものの死にきれない青年。ある日、4人の風変わりなゴーストに取り憑かれてしまった彼が、ゴーストたちを成仏させるために西走東奔する一方、恋にも落ちてしまう様子をコミカルに描いた『ハロー!?ゴースト』。

『猟奇的な彼女』などで知られる韓国を代表するコメディ俳優チャ・テヒョンが主演し韓国で大ヒット。ハリウッドリメイクも決まったこの“笑って泣ける”話題作について、テヒョン、そしてヒロインを演じたカン・イェウォン、キム・ヨンタク監督が語った。

──この映画に出演した理由を教えてください。

テヒョン:コメディでありながら、とてもシナリオがよく練られていて内容が深かったから。俳優に依存するような内容の薄いコメディだと、ついオーバーな演技になりがちですが、今回はそういうことはありませんでした。

──初めて脚本を読んだ感想は?

イェウォン:『シックス・センス』を超えるような終盤のオチがすごく衝撃的でした(笑)。シナリオの完成度が高かったのですが、一気に読んで、すぐに出演したい! この監督と映画を撮りたいと思いました。

主人公が何度も自殺未遂して絶望している人物なので4、5キロ痩せました(テヒョン)
──役作りについて教えてください。

テヒョン:まず、主人公が何度も自殺未遂して絶望している人物なので4、5キロ痩せました。そして今回はゴーストたちに憑依されるシーンもあるので1人5役に挑戦したわけですが、1人で担うには、役割があまりに大きかったですね。シナリオを読んだときは『CGで処理するんだろうな』と思っていたのですが、とんでもない(笑)! 特殊効果は何もなく、すべてを1人で表現しないといけなかったんです。ゴースト役の俳優さんたちの前でその人を真似る演技をするのは、とても恥ずかしかったですね。幸い皆さん、それぞれとても特徴があったので助かりました。

──イェウォンさんはどのように役作りしましたか?
カン・イェウォン(右)

イェウォン:職場がホスピスという設定だったので、ホスピスに行って看護師さんたちに話を聞きました。ホスピスを経験した方の本も読みました。それから、父親に対する恨みという部分は、監督と一緒に具体化していきました。監督は簡単にOKを出すタイプの方ではなく、息づかいや視線、話し方、テンポなど細かい部分すべてに演出をつけてくれました。
ゴーストたちと一緒のシーンでは、彼らが目の前にいるのに見えないという設定の演技をしなければならなかったのですが、思ったより難しくはありませんでした。ただチャ・テヒョンさんだけを見て演技して、NGも出ませんでした。

実際に監督してみて、シナリオの作業が一番大変だと思いました(ヨンタク監督)
チャ・テヒョン(左)とキム・ヨンタク監督(右)

──監督は、シナリオ作家として長く活躍され、今回ようやく念願の監督デビューとなりましたね。

監督:皆、口ではシナリオが大事だと言いますが、現場では監督の演出で進行していくので、(シナリオ作家は)剥奪感が大きいんです。今回、実際に監督してみて、シナリオの作業が一番大変だと思いました。

──撮影中のエピソードを教えてください。

監督:海のシーンで、5月に撮影したので水温が低く、何度も撮り直しているうちに、チャ・テヒョンさんが悪寒がして倒れそうになったことがあります。でも、まだ撮影シーンが残っていたので、「撮れなかったら後悔しそうだ」と言ったら、テヒョンさんが「わかった」と震えながら言ってくれて。映画を見ると、彼が震えているのがわかります。

チャ・テヒョン(左から2番目)とキム・ヨンタク監督(右)

──初監督の感想は?

監督:全俳優が「やりにくい監督だ」と話していました。既存のコメディとは違った演出をしたので。テヒョンさんも、はじめはとても大変そうでした。普通の監督はもっと笑わせようとするのですが、私は抑えたんです。私はずっと、テヒョンさんはとても深みのある表情ができるのにコメディ路線ばかりでとても軽く見え、惜しいなぁと思っていたんです。だから、彼にはこの映画を通じて、一番シリアスな表情を見せてあげると約束しました。

カン・イェウォン
カン・イェウォン
かん・いぇうぉん

1980年生まれ。01年にドラマ『ホニホニ』で女優デビュー。『1番街の奇跡』(07年)で注目を浴び、09年公開の『TSUNAMI−ツナミ−』でブレイク。『ハーモニー 心をつなぐ歌』(10年)で利川春史映画祭新人女優賞を受賞。

キム・ヨンタク
キム・ヨンタク
きむ・よんたく

数々の明るく心温まるストーリーを書き脚本家として活躍。脚本も担当した本作で念願の監督デビューを果たした。本作は、脚本のあまりの完成度の高さから、1週間で資金調達、キャスティングを実現したことからも大きな話題に。本作のヒットにより、今後の監督としての活躍にも期待が高まっている。

チャ・テヒョン
チャ・テヒョン
ちゃ・てひょん

1976年生まれ。ソウル芸大放送芸能科、京畿大多重媒体映像学科卒業。テレビドラマに出演した後、初主演映画『猟奇的な彼女』(01年)でブレイク、数々の映画賞を受賞。主演作『加速スキャンダル』(09年)は韓国コメディとしては記録的なヒットに。主な出演作は『僕の彼女を紹介します』(04年)、『僕の、世界の中心は、君だ』(05年)など。

チャ・テヒョン
ハロー!?ゴースト
2012年6月9日より新宿武蔵野感にて公開
[監督・脚本]キム・ヨンタク
[撮影]チェ・サンムク
[出演]チャ・テヒョン、コ・チャンソク、チャン・ヨンナム、イ・ムンス、チョン・ボグン、カン・イェウォン
[DATA]2012年/韓国/ツイン/111分
(C) 2010 Water n Tree Pictures & Next Entertainment World Inc. All Rights Reserved.