1982年12月26日生まれ、東京都出身。ドラマ『GTO』(98年)、『Summer Snow』(00年)などに出演し、00年に『しあわせ家族計画』で映画初出演。ドラマ『ごくせん』(02年)で注目を浴びブレイク。舞台でも活躍。主な出演作は『クローズZERO』シリーズ(07年、09年)、『花より男子ファイナル』(08年)、『キツツキと雨』(11年)など。『シュアリー・サムデイ』(10年)で監督デビューも果たしている。
東北が生んだ国民的作家・宮沢賢治の原作を、アニメ界の巨匠・杉井ギサブロー監督が5年の月日をかけて映画化した『グスコーブドリの伝記』。美しいイーハトーヴの森で両親や妹と幸せに暮らしていた主人公が、厳しい自然によってすべてを奪われ、困難の後に、大切な人々を守るためのある決断をするまでを描いた感動作だ。
この映画で主人公ブドリの声をつとめたのは小栗旬。演技力と人気とを兼ね備えた若手実力派の彼に、映画について話を聞いた。
小栗:今年の1月末にオファーをもらったのですが、お話をいただいたときには正直驚きました。幼少期、杉井監督の『銀河鉄道の夜』(85年)を見ていて、スゴイ作品だなと感じていたんです。それから、監督の『タッチ』(85年〜87年放映)が好きでした。劇場版第1作の『タッチ 背番号のないエース』(86年)の展開も完璧だと思っていたし、とにかく『タッチ』に関しては劇場版3部作もテレビアニメーションもすべてが好きだったんです。その杉井監督の新作ですから嬉しかったですね。
小栗:監督は本当に僕がブドリ役でいいと思っているのか、会うまでは不安でした。写真で見て怖いイメージを持っていたのですが、お会いするとものすごく物腰が柔らかく、驚きました。監督からは『あなたの持つさわやかさを素直に出してください』と言われて、何かホッとしました。
そのときいろいろな話をしたのですが、杉井監督は、もがいて生きてきた方だと感じました。あるとき監督は「絵を描くって何だろう」と疑問にとらわれて放浪の旅に出たらしいんです。その旅先でたまたま『タッチ』の原作を読み、そんなときに偶然にも『タッチ』の作画の依頼があったそうです。「あのとき『タッチ』を描いていなかったら、僕は二度とアニメを作っていなかった」と仰っていました。やはり、限界を感じたり、今やっていることに違和感を覚えた瞬間に飛び出せる人というのは強い人だと思うんです。そういう人生のもがき方をした結果、監督が宮沢賢治の世界に惹かれたのは、とても納得がいきます。今回の作品も、作り手に、ちゃんと人間としての太い幹のようなものがないと受け止められない内容だと思うし、テーマに対する覚悟みたいなものも必要なんだろうな、と。
小栗:杉井監督は、今や宮沢賢治は自己犠牲の代表みたいになっているけれど、この作品ではそういう部分を押していきたいわけではないと仰っていました。彼自身はユーモアがあるひょうきんな人だったんじゃないかと言うんです。そういう部分も出しつつ、最後にブドリが自己犠牲をしようとしたのではなく、単純に、冒頭に描かれている、家族みんなでトマトスープを食べる楽しいひとときを取り戻したいという気持ちだけで行動に臨んでいったことにしていきましょうと仰っていました。ですから僕も、あの楽しかった食卓を取り戻したいから災害がなくなればいいのにというブドリの心境になることを一番に考えてアフレコに望みました。
小栗:最近、スキューバダイビングのライセンスを取ったので、海に潜ったり、暇があると山に登ったりしています。その度に、自然はただただすごいと感じます。そして、この景色がずっと残ればいいなと思いますね。山の表情は季節によって、そして1日、1日変わっていくんです。僕らも生きているけれど、この自然の方がずっと前から地球にあるんだと思うと、尊敬しないといけないなって。
宮沢賢治は、あんな昔に自然と人間との関係について危惧したり心配したりして、それを童話に書いている。本当に先を見る目があったんだと思います。
小栗:杉井監督は、すごく大きなテーマを持ってこの作品に臨んでいると思います。昨年、東日本大震災があったので、この映画はどうしても大震災とリンクして語られてしまうと思うんですけど、企画自体はそれ以前からのものです。この映画は、どんな苦難があっても未来を見ていこうということを描いた作品で、最後に流れる小田和正さんの主題歌『生まれ来る子供たちのために』が、すごく映画のメッセージとマッチしていると思います。
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