1975年8月7日、南アフリカ生まれ。15歳の時、アルコール依存症の父による家庭内暴力が原因で、母が父を射殺するという辛い体験をする。バレエ・ダンサーを目指して母と共にニューヨークに移住するが、膝の怪我で断念。その後、女優になるためロサンゼルスへ。1996年『2days トゥー・デイズ』で映画デビューし、『サイダーハイス・ルール』(99年)などに出演。2003年には実在の連続殺人犯を演じるために体重を大幅に増やして撮影に挑んだ『モンスター』にて、アカデミー賞主演女優賞に輝く。『スタンドアップ』(05年)でも同賞にノミネート。近年は、製作でも活躍。他の出演作に、『スノーホワイト』シリーズ(12年、16年)、『タリーと私の秘密の時間』(18年)など。
『エイリアン』(79年)や『ブレードランナー』(82年)、『グラディエーター』(00年)などを手がけてきたヒットメーカー、リドリー・スコット監督。彼が新たに放ったSF巨編が『プロメテウス』だ。
宇宙船プロメテウスに乗り込んだ調査チームが「人類はどこからきたのか」という謎に迫ろうとする様子を描いた作品で、注目女優ノオミ・ラパスが戦うヒロインを演じている。
このなかで、この調査の真の目的を実行するための責任者でもある監視官ヴィッカーズを演じたのはシャーリーズ・セロン。実在の殺人犯を演じた『モンスター』(03年)でアカデミー賞主演女優賞を受賞、『スタンドアップ』や『イーオン・フラックス』(共に05年)などで強い女性を度々演じてきた彼女に、映画について、そして敬愛するスコット監督との仕事について話を聞いた。
セロン:彼女は、私がこれまで演じてきた人物の誰にも似ていないわ。彼女は宇宙船の派遣に巨費を投じる企業の責任者で、科学者ではなく、彼女にとって経済性がすべて。非常に堅固で規律ある組織を治めていて、何も信じていないし、とても冷たくてよそよそしいの。観客は、そのうち彼女が“トラブルの元”になることが分かるわ。
私がこのキャラクターを演じる上で1番エキサイティングだと思ったのは、彼女からすべてがはぎ取られ、彼女が実際に何をしていたかが明らかになる第3幕ね。それがどんなものなのかは、お楽しみがなくなるから黙っておくけど(笑)。
──リドリー・スコット監督の『エイリアン』でシガーニー・ウィーヴァーが演じたリプリーや、『イーオン・フラックス』であなたが演じた主人公など、SF作品にはパワフルな女性キャラクターが多いように感じますが、本作もそうですか?
セロン:強い女性キャラクターは、リドリー・スコット監督が原点よね。違う? 彼は、SF映画の探索者として強い女性をフル活用しようとした最初の監督だと思うの。彼が偉大なのは、女性の感覚や考え方を肌身で知っているということ。リドリーは、女性のパワフルさを生まれながらに知っているんだと思う。そして、そういう女性がタイプなのよね。
セロン:誰にも「一緒に働くのが夢」という監督が1人はいると思うけど、私にとってはそれがリドリーだったの。初監督の人々と仕事をしてイヤな経験をする度に、私はいつも「リドリー・スコット監督との仕事だったらよかったのに。自分が何をしているか理解し、現場のコントロールができる監督と一緒に仕事がしたい」とよく言っていたわ。
セロン:力をもったキャラクターを演じたいと思ったことは一度もないわ。でも、あのキャラクターと一緒に何を追い求めたいのかが分かったときに思ったの。「誰かに命令をくだしたい!」ってね。
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