1946年7月6日生まれ、ニューヨークの危険地区ヘルズキッチンで生まれる。チャンスに恵まれず売れない俳優として極貧のなかで書き上げた自らの脚本をもとに主演した『ロッキー』(76年)が大ヒット。アカデミー賞作品賞、監督賞、編集賞に輝き一躍トップスターに。続編『ロッキー2』(79年)では監督も兼務し、アクションスタートしての地位を確立する。その後も『ランボー』シリーズ(82年〜08年)、『エクスペンダブルズ』シリーズ(10年、12年)をヒットさせる。
2億7400万ドル(約220億円)の世界興収を記録したアクション映画の続編『エクスペンダブルズ2』が10月20日に全国546スクリーンで公開された。前作に続きシルヴェスター・スタローンをはじめアーノルド・シュワルツェネッガー、ブルース・ウィリスらアクションスターが勢揃いし、週末2日間で1億6400万円の興収を記録。スタローンの主演作としては、1994年の『デモリションマン』以来、18年ぶりに興行成績1位を獲得する大ヒットスタートとなった。
自らを“消耗品”と名乗る最強無敵の傭兵軍団・エクスペンダブルズの活躍を描いた本作。今回は、前作を上回るスケールで観客を圧倒。シュワちゃんの決めぜりふ「I’ll be back.」も登場するなど、ファンサービスにも目配りした娯楽作となっている。
この映画の立役者でもあるスタローンに、映画の見どころなどを語ってもらった。
スタローン:この映画は、僕が携わってきたアクション映画のなかでも、文句なしに最高傑作になるね。とにかく彼は素晴らしい監督だよ。彼の起用は、この作品にとっても大きな意味を持っている。世界観が広がり、ストーリー展開やアクションなど、様々な点で前作よりも格段に良くなっている。オープニングのシーンだけでも、観客の度肝を抜くと思うよ。
スタローン:一線級のスターばかりが顔をそろえる、これまでにない試みだよ。それぞれに熱狂的なファンがいて、バックグラウンドもキャリアも違う。本作は、その個性を束ね、ひとつのチームを作り上げることに成功したと思うよ。ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)やジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)など、セットに立つと、彼らの代表的なキャラクターが見えてくる。それが同時にひとつのシーンのなかに存在し、見事に調和しているんだ。これまでも彼らとの共演のチャンスはあったかもしれないけれど、今日まで待った価値があるよ。
みんな主役級の役者ばかりで、決して音を上げることのない連中だ。撮影が12時間続いた後でも、カメラを向ければ最高の演技を見せてくれる。素晴らしかったよ。
スタローン:物語のなかではライバル関係だけど、目的が同じなら共闘もできる。前回、彼はカメオ出演だったけど、今回は味方として戦ってくれる。長い役者人生のなかで、アーノルドと共演したのは初めてだよ。それだけでもこの映画を見る価値はあると思うよ。僕と彼は役へのアプローチは違うけれど「見る人を楽しませたい」という思いだけは一緒だから。
スタローン:チャックはすでに俳優を引退していたけれど、この作品への参加に同意してくれた。彼の役はどこからともなく現れ、僕たちのピンチを救い、仕事が終われば姿を消す、そんな一匹狼のような男だ。チャックとの交渉は長い時間を要したよ。彼は脚本を重視し、見る人にショックを与えるだけの暴力的なアクションでは納得してくれない。そこでこの映画が血まみれなだけのアクションではないことを説明し、出演を承諾してもらったんだ。
──世界中の観客に受け入れられる“古き良き傭兵集団”を描くために、ハードなアクションと人間味あふれるキャラクターが登場する『特攻大作』(67年)、『ワイルドバンチ』(69年)、『戦争の犬たち』(80年)などを参考にしたと聞きましたが。
スタローン:ヒーローがまだ生身の人間だった頃を思い出させてくれる映画だよ。特殊な能力などなく、ただ生き残るため、勝利するために戦う、そこに共感したんだ。エクスペンダブルズたちも同じで、人間として戦い、助け合い、命を懸ける。常識を越えたスーパーヒーローではなく、彼らも生身の人間なんだ。
スタローン:筋肉でも超越した運動能力でもなく、観客が感情移入できる要素が必要だ。手を伸ばせば触れることができて、欠点さえ見せる生身の人間。そして、観客の思いや願いと一体となり、そこから物語が膨らんでいく。見る人が育て上げていくことのできるヒーローこそが、本物のアクションヒーローだと思う。
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