1964年6月22日生まれ。神奈川県出身。モデルとして活躍し、87年に『はいからさんが通る』でスクリーンデビュー。93年につかこうへい作・演出の舞台「熱海殺人事件〜モンテカルロイリュージョン〜」に出演し話題に。ドラマ『TRICK』シリーズ(00年〜05年)、『結婚できない男』(06年)、『新参者』(10年)などに出演し、コメディセンスを発揮。映画では『チーム・バチスタの栄光』『歩いても 歩いても』(共に08)、『テルマエ・ロマエ』(12年)などに出演。
ひょんなことからひとつ屋根の下に暮らすこととなった5人の男女。サギ師にスリにニートカップルなど一癖も二癖もある彼らが、一世一代の大勝負に挑む姿を描いた『カラスの親指』が11月23日より公開される。
物語の中心となるのはサギ師のタケ。借金に苦しんだ挙げ句、心のより所だった娘を亡くしサギ師となるも、人間としての優しさを捨てきれない男を演じるのは阿部寛。そのコンビで新米サギ師のテツを、映画初挑戦の芸人・村上ショージが好演。また、2人に絡んでくるしっかり者のスリ少女を能年玲奈、その姉のぶっとびニート女を石原さとみ、その恋人でとぼけた味わいのノッポな青年を小柳友がそれぞれ演じ、物語の味わいを深めている。
人生の辛さや重さを描きながらもユーモラスな人間くささに笑い、意外なラストに驚きジーンと胸が温かくなる、ぎっしりとつまった濃い160分。その魅力を阿部が語った。
阿部:村上ショージさんとの共演です。お笑いの方の持っている独特の世界観とどう組み、面白くできるのかを模索するのが挑戦でした。
村上さんについては、伊藤(匡史)監督が「この役は、絶対ショージさん」と自信を持っていて、喋りの世界で苦労してきた人間性、背景などが役柄にすごく合っていたと思います。
阿部:どうなんでしょう(笑)。“演じる”という意味で言うと、目的は違うけれど、同じかもしれないと思って演じていました。劇中、サギ師として“演じる”シーンが何度かありますが、(役者と)そう違いはないかもしれません(笑)。
阿部:意外とショージさんかもしれません。悪い意味じゃなく、人生経験が多いし、すごい世界で生きてきて修羅場もくぐり、いろんな人を見ているだろうから。それに、今回、共演して、最後まで、彼の本心が分かりませんでしたから(笑)。
阿部:ものすごくこだわる人。撮り直しのシーンなどでも、この芝居に賭けているんだということを感じましたね。
阿部:さとみちゃんは(NHKドラマ)『坂の上の雲』以来で、あのときの清楚なイメージから、今回まったく違うキャラクターを作ってきていて、最初の本読みのときに引き気味になってしまったくらいです(笑)。(恋人役の)小柳君とはほぼ初対面だったのですが、彼もそれをバシっと受けて。能年さんは、監督と事前に役作りしていたそうなんですが、本読みのときにはしっかり雰囲気を作っていて、(村上ショージさんと)おっさん2人で「すごいなぁ」と驚きました。みんな、若いのにレベルが高くて、恐ろしく頼もしいです。
阿部:1番好きな部分は、これだけの悲劇に遭いながらも、道は踏み外すけれど生き抜こうとするところ。そこに人間くささがあると思いました。人はみな、何かしら泥臭いことをしながらも生きていくわけじゃないですか。それを彼は持っている。悪いことはしているけれど、人間的にギリギリとどまったんだと思います。
阿部:映像化不可能と言われた原作ですけど、伊藤監督がうまいことさばいたんでしょうね。撮影中、5人で暮らしている家のセットに来た原作者の道尾(秀介)さんが「家のセットは自分の思っていた通りだった」と喜んでいました。映画自体も「自分が思っていたものと、ほぼ同じだった」と言っていました。原作者がそう言うんだから、本当なんでしょう。
阿部:実は、まだないんじゃないかと思います。逆に、間違った親指を作ってしまうことが怖い。いろいろな役に挑戦し、自分にできないと思う役も演じて、自分を鍛え、ヘンな自信を持ってしまうことを抑えていきたい。苦手なことにどんどん挑み、失敗し、自分をいじめていくのがいいのかな、と思ってやってきています。
(text&photo=編集部)
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