1973年4月3日生まれ、北海道出身。北海道テレビの『水曜どうでしょう』でブレイクし、北海道を代表するタレントに。『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズ(07年、08年)、『アフタースクール』(08年)、『探偵はBARにいる』(11年)などの映画に出演。
風変わりな家族をもつ生真面目な女子中学生の視線で家族の絆を描いた『グッモーエビアン!』が、12月15日から公開される。
元パンクバンドのギタリストで17歳で母親になったアキと、しっかり者の中学生ハツキ。そして、父親ではないけれど、ハツキが生まれる前からアキと一緒に暮らしていた自由人のヤグ。破天荒すぎる母とヤグに反発を覚え始めたハツキが、環境の変化のなかで成長し、2人の新たな一面を知っていく様子が優しく、ユーモラスに描かれ感動を誘う。
そんな本作で初共演を果たした麻生久美子と大泉洋に話しを聞いた。
麻生:つわりの最中だったので、ライブシーンの撮影で具合が悪くなっちゃって、練習だともっと上手くできたのにと後悔したこともありました。
大泉:こんな大事な日に風邪引きやがってと思ったもんです(笑)。鈍感な男なもので全然気づかなかったのですが、本当に具合が悪そうで、かわいそうでした。
麻生:妊娠中に撮影したのはこの作品しかないので、特別な作品になりました。
麻生:共演が決まってから撮影まではずいぶん時間が経っているんです。もともと大泉さんのイメージはとても良くて、すごく明るくて面白くて一緒に仕事をしたら現場を盛り上げてくれそうで、お会いできるのを楽しみにしてました。それに北海道では大スターじゃないですか。北海道だけでの活動はあまりよく知らないのですが、向こうじゃすごい人だと……。
大泉:向こうじゃないですよ。外国みたいな言い方はやめてください(笑)。
麻生:(笑)でも、こっちでは役者さんもされていますので、どんな方なのかとても興味があり、一度共演したいという思いは前からありました。
大泉:本当に、この映画のお話いただいたのはもう何年か前なんですよね。スケジュールがズレにズレて。果たして2人のスケジュールは合うのだろうかということでヤキモキしてました。麻生側がNG出してるんじゃないだろうかと思ってました。麻生がイヤだって言ってるのか!? と多少揉めたりしました(笑)。
麻生:揉めてないですよ(笑)。
麻生:イメージはあまり変わらなかったのですが、やはり、いつも笑っているわけじゃないんだと思いました。あ、そう言うとイメージ悪くなっちゃうか(笑)。
大泉:やめてください。そういう言い方が余計に、普段ムスッとしてるみたいな感じになるじゃないですか。
麻生さんについては、いろいろな方からお話を聞いていて、「本当に素敵な方で、普通の感じですよ」と。実際にお会いして、本当に優しくて普通の方でした。麻生さんくらいになったらもうちょっと高飛車でもいいじゃないですか。現場でも強気で、「私から撮れないの?」とか、誰もいないなかで1人で芝居やって「あとはこれで編集して」とか(笑)。
麻生:今回大泉さんよりひとつ年上の役なんですよ。はじめそれにすごい疑問を持って。
大泉:確かに、落ち着いているイメージがあるから、初めて年齢を聞いたときに5コも麻生さんが下だと知って驚きました。僕が大学生のときに……あ、僕は2浪してるんで計算ややこしいか。僕が高校生のときに小学生でしょ? なんで麻生さんって呼んでたんだろう、みたいな。「おい、久美子」でいい訳ですよ。
麻生:初めは大泉さんの方が年下に見えるのか不安だったんですけど、お芝居が始まったら、本当にかわいくて仕方ないんですよ。そしたらやっぱり年下に見えます。
大泉:今回はかわいいがテーマですので、(ハツキ役の)三吉彩花にかわいさで負けたくないですね。大泉洋の方がかわいかったと言われたいです。
麻生:ギターは本当に大変でした。最初、曲を弾いてほしいと言われて、そのときは振りだけでいいのかな、と甘く考えてたら、実際に弾けるようになってほしいと言われて……。しかも2曲! とても早い曲なので、とても難しくて。その後、コーラスも歌わなきゃいけないということで、弾くのと同時に歌うのはすごく難しくて、スタジオでひとりイライラしてました(笑)。
大泉:僕はもっと簡単なギターを弾かなきゃいけなかったんだけど、最初から監督に「そんなに寄って撮りませんから弾けなくてもいいです」と言われて。監督は僕には期待してないんじゃないかと思って。3日前ですから、ギターを渡されたの(笑)。家には生まれたばかりの赤ちゃんがいたので、なるべく赤ちゃんから遠い部屋で、朝5時、6時に「この木何の木」を練習して、なかなか大変でした。
でも麻生さんは分量も多くて本当に大変ですよ。ソロまでありますからね。
麻生:見てくれた人たちが笑顔になってくれたらいいな、というのはあります。家族の話だけど、血の繋がりだけではなく、思いの強さとか愛情とかがかわいらしく表現できている映画だと思います。気楽に見て、「いい作品だったな」という気持ちになってもらえれば嬉しいです。
大泉:いつも初稿の段階で脚本を読むことが多く、今までは面白いと思ったことがなかったんですけど、今回は初めて、脚本を読んですぐに「これはやりたい!」と思いました。
若いハツキの目線で描かれるんですけど、ものすごくストレートでかわいくて、ものすごくキュンとくる話です。脚本を読んで泣きました。その涙がものすごく気持ちがいい涙で、すばらしい脚本だな、と。
そんな楽しさや切なさが皆さんに伝わればいいなと思います。あまり考えないで見て「いいもの見た」と思える映画ですよ。いろんな世代が楽しめる映画だと思います。
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