1990年6月13日生まれ、イギリスのバッキンガムシャー出身。子役を経て、ジョン・レノンの青年期を描いた『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(09年)に主演し注目を浴びる。スマッシュヒット作『キック・アス』(10年)でオタク少年の主人公を演じブレイク。その他の主な出演作は『幻影師アイゼンハイム』(07年)、『アルバート氏の人生』(11年)、『野蛮なやつら/SAVAGES』(12年)など。妻は『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』の監督で23歳年上のサム・テイラー=ウッド。結婚を機に妻の旧姓を合わせ、アーロン・ジョンソンからアーロン・テイラー=ジョンソンに改名。
文豪トルストイの名作を映画化した『アンナ・カレーニナ』。政府高官の妻が騎兵将校と出会い、禁断の恋に墜ちていく様子を描いた作品だ。19世紀末のロシアを舞台に、舞台をイメージした独創的な演出が際立つ華麗な物語に仕上がっている。
悲劇のヒロイン、アンナを演じたのはキーラ・ナイトレイ。若く、恋も知らずに結婚した女性が、初めての恋愛に溺れていく姿が女性たちの共感を呼ぶ。一方、道ならぬ恋に躊躇するアンナを籠絡していく恐ろしいほどに美しい将校を演じたのは、若き演技派として知られるアーロン・テイラー=ジョンソン。『キック・アス』(10年)で冴えない主人公を演じた注目株だが、同一人物とは思えないほどの変身ぶり。
絶世の“美男”からオタク少年までを巧みに演じ分けるテイラー=ジョンソンに話しを聞いた。
テイラー=ジョンソン:ヴロンスキー伯爵は、特権階級出身の若い将校なんだ。将校としての昇進も約束されているけれど、列車の中で偶然、アンナに出会い、その美しさに魅了されてしまう。そして彼女を追いかける。愛ゆえに追い求めるんだ。
テイラー=ジョンソン:できる限り準備をして、リハーサルで、それをテーブルの上に広げるんだ。文献を調べて、自分のキャラクターを好きになるようなディテールを引き出し、(演技に)取り入れたいものと取り入れたくないものを選り分ける。一方、監督にもどんなふうにしたいかという監督自身の考えがある。だから俳優はそれもやってみる。あとは、周りにいる人たちを信じるだけだ。僕は(アンナの夫を演じた)ジュード(・ロウ)やキーラたち、素晴らしい俳優に囲まれていた。だからあとは自然な直感で演じただけだよ。
テイラー=ジョンソン:彼はキャラクターに大きな温かさをもたらしていると思う。あんな演技は見たことがないよ。(妻を奪われてしまう)彼のキャラクターに同情したよ。時々胸が張り裂けるような気持ちになった。素晴らしい演技だと思う。彼をすごいと思ってしまう。そう思ってはいけない役なのにね。でもジュードはそういう人だ。魅力を感じずにいられないんだ。彼には特別なものがある。
テイラー=ジョンソン:彼女との共演は最高だよ。とても賢い人で、見事な演技をしていると思う。彼女は本当に真剣に仕事をする人で、本や脚本を分析して、ノートにたくさんの付箋を貼って、全部にハイライトをつけるんだ。そしてそのすべてを細かく調べて分析する。この映画の彼女は強烈だ。演じるのがとても難しいキャラクターだけど、彼女は役柄に大きな温かさ、魂、深み、高潔さをもたらしている。彼女との共演は素晴らしかった。愛らしく、親しみがあって、地に足がついた誠実な人だよ。
テイラー=ジョンソン:監督はとても温かい人で、気楽な雰囲気を作り出してくれる。まるで劇団のようなんだ。スタッフや友人が集まったグループのようだ。一緒に仕事やワークショップをする、とても仲のいい人々の集まり。そこでは、みんなを信頼できて、自分のアイデアをオープンに話せるんだ。
テイラー=ジョンソン:見どころを語るのはオススメできないな(笑)。真っ白な心で見に行ってもらいたいからね。でも、ライト監督が作り上げた世界は魔法のように美しく、魅惑的な世界観だと思う。きっとみんな、我を忘れて没頭するはずだ。それにとても面白くて、楽しい。観客の心をわしづかみにして、観客と戯れる。感情が溢れていて、とても深い。そこに入り込むのは素晴らしいことだよ。
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