1986年、イングランド・ロンドン出身。『ニーベルングの指環』(04年)でプロの俳優としてのキャリアをスタート。19歳のとき、『ハリー・ポッター』シリーズ第4作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05年)においてセドリック・ディゴリーを演じ注目を浴びる。その後『トワイライト』シリーズ(08~12年)のヴァンパイア、エドワード・カレン役で一気にブレイク。2017年、ジョシュ&ベニー・サフディ監督作『グッド・タイム』に出演。同作はカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、6分間のスタンディング・オベーションと批評家の喝采を浴びた。19年には自身初となるNetflix作品でデヴィッド・ミショッド監督の『キング』に出演。ティモシー・シャラメ、ジョエル・エドガートンと共演しドーファン役を演じた。トム・ホランドと共演したNetflix配信の『悪魔はいつもそこに』(20年)ではプレストン・ティーガーディン牧師を演じた。ロバート・エガース監督の『ライトハウス』(19年)では20年度インディペンデント・スピリット賞最優秀主演男優賞にノミネート。20年には、クリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』に出演。13年よりディオール・オムのフレグランスの広告塔を務めており、さらに同ブランドのレディ・トゥ・ウェアの広告塔にも起用されている。15年、世界中の孤児や弱い立場の子どもたちの生活を地域での取り組みを通して向上させる国際的な慈善団体GO Campaignの初代アンバサダーに就任し、積極的に活動に参加している。
ニューヨークの街を走る1台のリムジンに乗る若き大富豪。金融業界で大成功を収め28歳ですべてを手に入れたエリック・パッカーが破滅へと向かう1日を描いた作品が『コズモポリス』だ。大渋滞に巻き込まれた彼を次々と見舞うトラブル。投資の失敗による巨額損失、美しい妻との感情的なスレ違い、忍び寄る殺し屋の影……。
現代アメリカ文学界の巨匠ドン・デリーロの同名小説を、鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督が映画化した本作で、資本主義社会の終焉を象徴したかのような主人公を演じたのはロバート・パティンソン。『トワイライト』シリーズ(08年〜12年)で大ブレイクし、全米では彼の魅力に失神する少女たちが相次いだ若手スターだ。
この極上サスペンススリラーで新たな魅力を打ち出したパティンソンに話を聞いた。
パティンソン:彼の他の小説はいくつか読んだことがあったけれど、この原作については知らなかった。最初に読んだのはデヴィッド・クローネンバーグ監督が送ってくれた脚本で、その後で原作を読んだんだ。原作は脚本化が不可能だと思えるくらいだったけれど、脚本は信じられないくらい原作に忠実だった。脚本について最も感銘を受けたのは、速いペースのリズムと容赦ない緊張感だった。
パティンソン:もちろん監督だよ。僕はまだ数本の映画にしか出たことがないけれど、彼との仕事は予想したものとはかけ離れていた。失望したわけじゃないよ。彼がとてもクリエイティブな人であることはわかっていたし、まるで長い詩のような脚本にも魅了された。
普通、脚本を読むと、どんな物語でどこに向かっていき、どんなふうに終わるのかがすぐにわかる。たとえ筋立てに予測できなくて洗練された展開があったとしてもね。でも今回はまったく違っていたんだ。読めば読むほど、どこに導かれていくのかわからなくなった。だから余計に出演したくなったんだ。どんな映画のジャンルにも当てはまらない独自の作品だった。
パティンソン:難しい質問だな。映画を2度見たけれど、最初は映画の滑稽な側面に驚いたんだ。2度目は説得力の強さだった。2度とも観客と一緒に見たけれど、反応はさまざまだったよ。笑いから、この映画の持つダークサイドに対する緊張感までね。その複雑さにもかかわらず、幅広い感情に達していることに驚いたよ。
パティンソン:エリックは、自分は別の現実に属していると思っている人間だ。彼は別の星に生まれたかのように生き、自分が生きるべき現実を見つけ出そうとしている。彼はありのままの世界を理解していないんだ。
役作りについてだけど、監督はリハーサルが好きじゃないんだ。僕たちは撮影前、映画のことはあまり話さなかったんだ。他の俳優とも撮影中にセットで会っただけだった。そして、撮影の初めから僕は映画のなかに、そしてリムジンのなかに住んでいる感じだった。いつもそこにいたし、それが僕の家だった。僕は自分の空間に他の俳優たちを迎え入れた。キャプテンの椅子にどっかり腰を下ろした僕を、みんなが訪ねてくる。そういう環境が特に心地良かった。誰もが僕の世界に順応しなくてはならなかったんだ。
パティンソン:明らかな展開もなく、予測可能な道を進まないキャラクターを演じるのが不安だった。実際にはエリックは前に進んでいる。それが最悪の展開であっても、通常僕たちに見えるようなキャラクターの変化ではないにしてもね。でも、監督は、この特徴を完全にコントロールしていた。自分の映画をあれほどコントロールできる監督と仕事をしたのは初めてだ。自分が求めるものをいつでもキッチリと把握し、ありとあらゆる状況を完全に掌握している。最初はそれが不安だった。でも、徐々に僕は自信を感じるようになり、リラックスできるようになったんだ。
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