1972年12月3日生まれ、神奈川県出身。1988年にデビューし、女優として映画、TV、舞台で長きにわたり活躍。主な映画出演作に『バタアシ金魚』(90年)、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(94年)、『モンスター』(13年)、『雪の華』(19年)、『ファーストラヴ』(21年)。ドラマは今年、『桜の塔』、連続テレビ小説『おかえりモネ』に出演。近年は歌手活動も再開し、5月に初エッセイ集「魔性ですか?」を発表した。
女性なら誰もが抱く「美しくなりたい」という願い。『モンスター』は、そんな女の本質、そして男の愚かさや傲慢さを描いた愛の物語だ。
原作は人気作家・百田尚樹の小説で30万部突破のベストセラーとなった。主人公は、“バケモノ”とさえ呼ばれ畸形(きけい)的なまでに醜い風貌の女性。美容整形を繰り返した末に完璧な美貌を手に入れた彼女の、ある男への情念が綴られていく。
主演は高岡早紀。特殊メイクで“バケモノ”と呼ばれた高校時代から、絶世の美女となった後までを見事に演じきっている。そんな彼女に話を聞いた。
高岡:原作を先に読んだのですが、主人公に共感できる部分はあまりありませんでした。数奇な運命を辿った人だなぁとは思いましたが。でも、主人公に対して全く共感できる点がなかったことが、むしろ面白いなと思いました。自分が決して体験し得ない人生がそこにあるということが魅力的でした。
高岡:最初は高校時代から撮り始めたのですが、特殊メイクの完成図を見せてもらったときから「この役を演じるって、言わなければ良かった」と思うくらい嫌でした。特殊メイクの江川(悦子)さんとは19歳からのお付き合いですが、思わず「これ、ひどすぎない!?」と言ってしまうぐらい。でも江川さんは、「かわいいわよ!」って(笑)。結局、あまりにも嘘っぽく見えてしまうことに抵抗があり、ホウレイ線の下がり具合を少し修正してもらいました。
そして実際にメイクをして役に臨んだわけですが、あそこまでのメイクを施すと、気持ちまでもが暗くならざるを得なかったですね。主人公の人生はとても辛く、屈折しているのですが、メイクをするだけでその気持ちになってしまいました。なので、演じているときは精神的にとてもきつかったです。特殊メイクも昔と違って技術が進み、ずいぶんと着け心地感も良かったのですが、のりで貼るので、表情に制限が出てしまいます。なので、長時間メイクで演技し続けるのは大変で、思った以上に辛い仕事ではありました。
高岡:終わってみれば、結果的にはチャレンジだったのかもしれませんが、取り組んでいる過程では、それほど意識していたわけではないんです。私は、何においても構えてみたり、気負ってみたりという感覚がないんです。
高岡:美容外科医を演じた大杉漣さんとの共演が懐かしかったですね。20数年ぶりでしたから、昔にタイムスリップしたような感覚でした。とても不思議に感じたのは、大杉さんとお互いの子どものことを話したことです。それだけの年数を経てきたのだなと改めて思いました。
高岡:そうなんです。洋輔さんとは家族ぐるみのお付き合いですが、若いころから「いつかジャズを歌いなさい」と言われていました。また、いつか洋輔さんとご一緒することが夢だったのですが、今回その夢を叶えることができました。とても緊張しましたが、温かい雰囲気に包まれたレコーディングでしたので、安心して身を任せることができたかなと思います。
高岡:やはりラストシーンです。真実の愛って何だろう……と。私にもよくわからないのですが、愛というのはとても深いテーマだと感じました。美醜に関わらず、自分の内面を見て欲しいという気持ちは誰しも持っているものですけれど、実際にはなかなか難しいのかもしれません。「愛」というのは、答えのない永遠のテーマですね。
高岡:この作品を通して、改めて自分の人生を考えさせられる、または見つめなおすいい機会になればと思います。
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