1976年2月25日生まれ、カリフォルニア州出身。ミュージシャンのクシンシー・ジョーンズと女優のペギー・リプトンの間に生まれる。ハーバード大学を卒業後、テレビのミニシリーズ『The Last Don』(97年)で女優デビュー。女優のほかミュージシャンやモデルとしても活躍し、LAトレンドの発信者として支持されている。米ピープル誌の「世界で最も美しい女性」に複数回選出され、Harper's Bazaar誌では「ベスト・ドレッサー」に選ばれている。主な出演作は『ソーシャル・ネットワーク』(10年)、『ザ・マペッツ』(11年)など。本作では脚本家としての才能も発揮している。
米ピープル誌の「世界で最も美しい女性」にも選出され、LAトレンドの発信者として人気を博すラシダ・ジョーンズ。女優、モデル、ミュージシャンとして多彩な活躍を見せる彼女が自身の体験をもとに描いたホロ苦ラブストーリーが『セレステ∞ジェシー』だ。
ビジネスで成功し、忙しく充実した日々を送る女性が人生につまづき、必死でもがく姿に多くの女性が共感、全米でスマッシュヒットを記録した。
本作で主演と脚本を兼務したジョーンズに、映画について、そして恋愛について語ってもらった。
──学生時代からの恋を実らせ結婚したセレステとジェシー。女性経営者として成功した妻セレステと、気ままな生活を楽しむ売れないアーティストの夫ジェシーは共に成長してきたけれど、あるとき離婚すべきだと気づきます。でも一方で、別れた後も友だちでいたいと望む設定が新鮮でした。共同で脚本制作にあたったウィル・マコーマックとの関係をもとにした作品だそうですが、最初から自分でセレステを演じると決めていたのですか?
ジョーンズ:そうです。最初は私とウィルが演じるつもりであて書きをしていたけれど、ウィルが精神的に大人になったのでジェシーの役はアンディ・サムバーグがいいだろうっていうことになったの。
ジョーンズ:私はロマンチックコメディが好きなんだけど、ロマコメでいつも気になるのは、キャリアは上手くいっているのに男がいないという女性を描いていることが多いということ。成功していることが恋の邪魔をしているのだと決めつけている描き方が多いの。現実はそうではなく、恋人がいないのは女性自身に欠点があるからなのに、そこを描いていないのよ。セレステは仕事面では上手くいっている反面、人間関係が上手くいっていない。見た人に「なんなのこの女!?」って思わせるような描き方をしたかったの。それに、映画で描かれる別れのシーンは美しいけど、実生活で誰かと別れたときってボロボロになるし、スナック菓子のドカ食いとかしちゃうでしょ? そのリアルさを描きたかったの。
ジョーンズ:私とウィルが……というよりも、周りのカップルを見ていると、大人になるにつれて向いている方向が変わり、お互いに一緒にいるのも違うんじゃないかとなって別れていくというケースが多かったので、そういうことを脚本にしてみようかなと思いました。それに、書くことでイマジネーションをどこまで広げられるかということに興味もあったの。
ジョーンズ:これはアメリカ的なのかもしれないけれど、映画を見た20代、30代の女性たちが「セレステと同じ体験をしました」「失恋してずっと泣いていました」「自分の人生を再考しないといけないと思いました」などと言っていました。映画には私の体験をベースに演じたところもあります。私は別れが苦手だから、失恋で他人の目を気にしなくなったりということも自分が経験したことなの。
ジョーンズ:もちろん! 親友になれる。現代において男女だと白黒つけることもないし、実際私とウィルもいい関係だしね! でも、長く付き合った人と友情を築くのはとても難しいことかもしれないわね……。
ジョーンズ:もちろん嫌よ。でもジェシーが、別れたけれどセレステのことが好きで、でも他にも好きな相手がいるというような経験って案外誰にでもあるし、そういうときの感情ってものすごく辛いもの。実際に、やっと他の相手にも目を向けられるようになったときに、何故か久しぶりに元彼から連絡が来るなんていうこともよくあると思うの。映画で描かれる別れって、すごくきっぱりしていたりするけれど、実際の別れってそんなもんじゃないじゃない? だから実生活ではジェシーのように優柔不断になってしまうのが普通だと思うの。
ジョーンズ:女性がどんどんどんどん変化して進化していくなかで、男性は改めて男性性を見直す機会がなかったと思うの。感受性の強い男性も多くなってきたし。男女のパワーバランス的にそうなっているということもあるのでは? 確かに男らしいと思う男性は減ってきているかもしれないね。子どもである時期が長くて精神的に成長しきれていない男性も多いと思うわ。
ジョーンズ:恋愛で役に立つのはすべて経験でしかないと思う。本や人のアドバイスを聞いたって、恋愛においてはそんなものはあてにはならない。結局自分が経験して得たものが全て。この脚本を描いたのは私もウィルもとても恋愛に対して興味があったから。いろいろと経験して分かったこともあるけれどやっぱり分からないことも多い。似たような経験をしたことがある人は共感できると思うし、あぁこう思うのは、自分だけじゃなかったんだって励みになるんじゃないかなぁ。
ジョーンズ:今は女性にとっても選択肢が多くなったから、現代的な問題でもあると感じます。昔は女性には結婚というチョイスしかなかったけれど、今は、仕事はもちろんのこと女性にもとやりたいことができるチャンスが増えているし、女性の立場は大きく変わったと思うの。今ならすぐに別れてしまうような理由も、昔なら別れることなく上手く続いたというケースがたくさんあると思うわ。でもだからこそいろいろな条件をクリアして互いに付き合い、相手がそばにいるということはとてもミラクルなことだと言えるんじゃない?
ジョーンズ:エンターテインメントの業界で成功した親をもつとその道を進むのに苦労すると言われるけれど、私の両親はすごくステキで仲が良く、でもしつけには厳しかったの。門限も決められていたし、小さいころから価値観をきっちりもつことも教えられたから、お小遣いもそんなに貰っていなかったし、謙虚であるようにと教えられたわ。
ジョーンズ:この映画には誰も経験したようなことが描かれているから、きっと共感してもらえるのではないかと思います。どうぞ楽しんで下さい。
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