マンションの一室で殺人現場に遭遇した男・亮太が、自分を犯人だと疑う謎の美女・アカネを監禁し、事件の謎を解き明かそうとする密室ミステリー『監禁探偵』。
今回W主演を果たした三浦貴大と夏菜が初共演ながらも息ピッタリだった本作について語り、大いに盛り上がった。
──まずは脚本を読んだ第一印象について教えてください。
夏菜：とにかく面白かった！ 謎がいくつもあって何回も読まないとわからなくて。
三浦：わからないし、セリフが長い！
夏菜：そうそう！
三浦：これ、どうやって芝居しようかな？って、弱りました。
夏菜：どこまで裏を匂わせるかは監督がコントロールしてくれましたね。それに、この作品は1週間で撮り上げたので、毎日2、3時間しか寝れなくて、密室でやってるし、日に日に判断力が低下していって（笑）。
三浦：事前にリハーサルはしていたんだけど、現場で「ちょっと今のは表情がいきすぎたね」とかあって。その加減が自分ではさっぱりわからなくなっていって（笑）。
夏菜：私もたまにキリッと真剣な表情見せたりもしたけど、そのタイミングが……。
三浦：難しかったよね。
夏菜：ねー！ 難しかったよね、この作品！
──緩急ありましたよね、緊迫したシーンもあれば、2人のコミカルなやりとりもあって。
夏菜：コミカルなシーンはかなり楽しんでました。彼をいたぶるのを（笑）。いたぶりがいがあるんですよ！
三浦：なんだよ、それ！
夏菜：いじりたくなるキャラなんだもん。あのやりとりは本当の私と三浦くんの関係に似てる。力関係っていうか。
三浦：もはや尻に敷かれてるっていうレベルじゃないですね。
夏菜：そんなことないよー！
三浦：いや、足げにされてる。
夏菜：もう！ でも、私が気に入ってるシーンも、亮太に歌わせるところ。私が監禁されて手錠付けられたままトイレに入る時、音が聞こえたら恥ずかしいから歌ってっていうと、亮太が“仰げば尊し”を歌うんですけど、あのシーンには裏話があって。“仰げば尊し”って“蛍の光”とメロディや雰囲気が似てるんですよ。だから私が撮影前にふざけてわざと“蛍の光”ばっかり歌って、“仰げば尊し”をわからなくさせるっていう作戦をして（笑）。私が“蛍の光”を歌うと三浦くんが混乱して「あー！やめろよー！」って！
三浦：それ、裏が面白かったシーンなんじゃん！
夏菜：そうなんだけど、アカネと亮太の力関係も面白くて。「なんでもいいから歌って！」って。
三浦：あー、力関係問題ね。あと、一応歌ってあげる亮太っていう。
夏菜：そう、亮太って本当はいい子っていうのも見えるんだよね。
三浦：アカネのシャワーシーンですね。ナイス背中！
夏菜：ありがとう（笑）。
三浦：えっと、真面目に答えないと……、亮太がアカネを部屋に残して謎の男に会いに行くシーン。はじめの頃と変わってアカネを守ろうとしていて、亮太っていいやつだなと思いましたね。
夏菜：亮太の優しさね。
三浦：オレなら行かないな。
夏菜：うわー、サイアク！ 言わないの、そういうことは心の中で思っても！
──夏菜さんは男性につっこんだり、指図したりするのが堂に入ってますね（笑）。
夏菜：しょうがない、実際に弟が2人もいるんでそうなっちゃう、そう育っちゃった。（三浦に）ごめんねー。三浦くんは地元の友だちのような、普通な空気を持ってて。芸能人同士って思えない。
三浦：芸能人っぽさがない。普段は芸能人オーラがあるのかもしれないけど、一緒に仕事しててそういうの全然感じない。
夏菜：それがラクで、お互いに。
三浦：年下だっけ？みたいな。3日前に初めて会ったんだっけ!?って感じ。
夏菜：最初はさすがに緊張感あったけど、趣味の話をしてから一気に距離が縮まって。ゲームなんですけどね、出会う前に、まさかの同じ時期に同じオンラインゲームをしてて！ すごくないですか!?「あれ？ オンライン上で会ったよね? あ、いたいた！」って！
──ハンドルネームで分かったってことですか？
夏菜：そうです。衝撃ですよね！
三浦：なんだ、知り合いだったんじゃん！って（笑）
夏菜：すごいやりやすかったです！ もう私は適当にボンボンボン！って（演技をぶつけっぱなしで）。
三浦：それを楽しんでました。いろんなことするんだなーって。
夏菜：その反応がかわいいんですよ。たぶんリアルな三浦くんの反応だと思うんだけど……キョドる！ 挙動不審になってオロオロってするんですよ。
三浦：よく見てるねー！
──それは役作り？ 素ですか？
三浦：初めは作らなきゃいけないなって思ってたんですけど、だんだん亮太が三浦になってきて。撮影が進むにつれて、ほぼ作ってないですね（笑）
三浦：兄貴（シンガーソングライターで俳優の三浦祐太郎）のほうが挙動不審なんで……。
夏菜：え!? もっと？（笑）
三浦：でも、兄貴のほうが根はしっかりしてるからなぁ。
夏菜：（三浦は）根がしっかりしてないの？
三浦：根はしっかりして……ないです（笑）。両親もしっかりしてるし、兄貴もしっかりしてるから、みんなに頼り切って自分はしっかりしてないタイプ。
三浦：いや、知らないです。
三浦：知ってるのかなー？ あまり仕事のこととか話さないですね。
三浦：本当によくできたミステリーで、一度だけでなく、結末を知ってから見るとまた楽しめる作品です。部屋のセットもこだわって作っているし、人物の背景も楽しみながら見て欲しいですね。
夏菜：『監禁探偵』ってタイトルにあるように、私が監禁されるところから物語は始まるんですけど、状態だけじゃなく精神的にも監禁されている私たち2人が最終的に解放されるのか、されないのか、真実にたどり着くことができるのか、楽しんで見てもらえると嬉しいです。スピード感もあるので、ぜひ劇場でご覧下さい！
（text＝入江奈々 photo＝持木大助）
1985年11月10日生まれ、東京都出身。『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』（10年）で俳優デビュー、同作で第35回報知映画賞新人賞、第34回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後も数多くの映画、ドラマに出演、若手実力派の地位を確立。近年の主な映画出演作に『サムライフ』（15年）、『進撃の巨人』シリーズ（15年）、『ローリング』（15年）、『マンガ肉と僕』（16年）、『怒り』（16年）、『追憶』（17年）、『四月の永い夢』（18年）、『のみとり侍』（18年）、『栞』（18年）、『ダンスウィズミー』（19年）など。今後の待機作に『初恋』（20年2月28日公開）、『大綱引きの恋』（21年公開予定）などがある。
1989年5月23日生まれ。埼玉県出身。06年、テレビドラマ「ガチバカ！」でデビュー。映画『君に届け』（10年）に出演後、『GANTZ』（11年）で見事なプロポーションの裸体を披露し、注目される。また、人気バラエティ「ピカルの定理」でレギュラーをつとめ、NHK朝の連続テレビ小説「純と愛」（12〜13年）ではヒロイン役を演じるなど幅広く活躍している。
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