1946年7月6日生まれ、ニューヨークの危険地区ヘルズキッチンで生まれる。チャンスに恵まれず売れない俳優として極貧のなかで書き上げた自らの脚本をもとに主演した『ロッキー』(76年)が大ヒット。アカデミー賞作品賞、監督賞、編集賞に輝き一躍トップスターに。続編『ロッキー2』(79年)では監督も兼務し、アクションスタートしての地位を確立する。その後も『ランボー』シリーズ(82年〜08年)、『エクスペンダブルズ』シリーズ(10年、12年)をヒットさせる。
66歳の今もアクションスターとして活躍し続けるシルヴェスター・スタローン。最近では『エクスペンダブルズ』シリーズ(10年、12年)をヒットさせますます勢いを増す彼の最新作が、クライムアクション『バレット』だ。
社会のダークサイドを歩き続けてきた殺し屋と、かたくなに正義を信じる若き刑事。それぞれの目的のために心ならずも手を組むこととなった2人が、警察と裏社会に闘いを挑む姿が描かれていく。
この『バレット』で、これまでで最大級の“悪”を演じたスタローンに、本作について、そして映画作りへの情熱について語ってもらった。
スタローン:アンチバディムービーと言った方がいいだろうな。お互いに相手のことを嫌っているからね。でも、それがストーリーを面白くさせているんだ。俺は相手を殺してやりたいと思ってるし、俺も危うくヤツに殺されそうになる。でも、お互いのことを必要としている。そこがこの映画の肝なんだよ。この映画はバディムービーよりも、もっと皮肉が効いてて、そこがとても気に入ってるんだ。
──本作の監督は、伝説的アクション『ストリート・オブ・ファイヤー』(84年)をはじめ、エディ・マーフィーの映画デビュー作『48時間』シリーズ(83年、90年)などを手がけてきたベテランのウォルター・ヒルですね。彼は10年近く映画監督の仕事から離れていましたが、彼を起用した理由は?
スタローン:ウォルターと俺は似た境遇だったんだ。実は10年間、誰一人として俺と仕事をしたがらなかったんだよ(笑)。だから俺は『ロッキー・ザ・ファイナル』(06年)を自分で製作した。あれは奇跡だったね。みんなからは歳を取りすぎているだの哀れで惨めだのと言われたけれど、フタを開けたら大成功さ。そして、『ランボー/最後の戦場』(08年)、『エクスペンダブルズ』シリーズと製作を続けていった。
今回の『バレット』でも、周りからは若くてシャープな監督を使うようにアドバイスされたよ。でも、俺はこう言い返してやった。「どうして経験豊富で優れた監督がいるのに、仕事をさせないんだ?」と。すると今度は「ウォルターは偉大な監督だけど歳を取りすぎている」と言われたから、「俺だって同じさ」って言ってやったよ。最後は「もしウォルターが監督をやらないなら、俺はこの役を降りるよ」と宣言して、それで押し切ったんだ。今ではみんな、彼を監督として選んで良かったと言ってるよ(笑)。
ウォルターは71歳だけど、心は全然歳を取っていないんだ。心っていうのは、1番最後に歳を取るものだってことを、業界の連中はわかっちゃいないんだよ。体は100歳でも、心は25歳の若々しさを維持していることだってあるのさ。
スタローン:そうだね。作品のなかで父と娘は、つながり合ってはいるけれども離れてもいる。とてもこじれた関係なんだ。彼女は父親のようになりたいと思いながら、父親のことを拒否してもいる。俺も同じような経験をしてきたよ。そして、映画のなかでやっと良い父親になれたと思うんだ(笑)。
それから、歳を取ると目を閉じて過去を振り返ってこう思うんだ。「人生とはなんて寂しいものなんだ。もう俺に残されたのは娘だけだ」ってね。娘の成長と共にいつも考えるよ。「俺はできる限りのことをしてあげただろうか?」って。その答えは「ノー」なんだけどさ(笑)。
スタローン:いつも応援してくれて本当に感謝してる。みんなに知ってほしいのは、俺が役を演じるときは、いつも誰かの代弁者となったつもりでその役を演じているということなんだ。今回は、厳しい社会のなかで大変な思いをして生きてきた男はどういうものなのかという点にフォーカスした。ハードな殺し屋でも人間的な感情を持てるのさ。俺がファンに言いたいことはひとつだけ。「頭で考えるよりも、まず心で感じろ」ってこと。心は、決して君を裏切ったりしないからね。
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