1974年4月28日生まれ、スペインのマドリード出身。『ハモンハモン』(92年)で映画デビュー。ペドロ・アルモドバル監督の『オール・アバウト・マイ・マザー』(98年)で国際的に脚光を浴び、『ボルベール〈帰郷〉』(07年)でカンヌ国際映画祭女優賞などを受賞。アメリカ映画にも数多く出演し『それでも恋するバルセロナ』(08年)でアカデミー賞助演女優賞を受賞。その他の主な出演作は『赤いアモーレ』(04年)、『抱擁のかけら』(09年)、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』(11年)、『悪の法則』(13年)など。
77歳にして小気味よい秀作を連発しているウディ・アレン監督。そんなラブコメの名手が手がけた『ローマでアモーレ』が公開中だ。長らくニューヨークを拠点にしていたアレン監督だが、近年はロンドン、バルセロナ、パリとヨーロッパに軸足を移し、街の特色を見事にすくい取った作品を送り出している。
今回の舞台はタイトルにあるとおりローマ。恋人の友人にのぼせあがった建築家の卵、なぜか突如スターに祭り上げられた平凡な中年男、ローマっ子と結婚することになった娘を訪ねてくる熟年夫婦などなど個性豊かな登場人物が、4つの楽しいエピソードを盛り上げる。
アレン監督の作品に出演することを熱望するハリウッドスターは多く、彼の作品にはいつもスターがズラリ。今回もアレック・ボールドウィン、ジェシー・アイゼンバーグ、エレン・ペイジなどなど豪華キャストが名を連ね、ペネロペ・クルスも登場人物のひとり。新婚夫婦の部屋に突然現れ「好きにして」とセクシーに体をくねらせるコールガール・アンナを楽しげに演じた彼女に、映画の見どころなどを聞いた。
クルス:私は子どもの頃から彼の映画のファンだったの。だからとてもラッキーだと思うわ。初めて彼と会ったとき、一緒に時間を過ごせることになって、とても幸せだったわ。ウディは一日中笑わせてくれたし、私のことを信頼してくれて素晴らしいキャラクターを与えてくれたの。ただひとつ残念なのは、時間が短すぎること。どちらの作品も彼と3週間しか仕事ができなかった。だからいつだってもっとやりたいのよ。
クルス:そうね、私は自分のストーリーのパートだけ読んでいたの。他の3つのエピソードがどんな話かは想像もつかなかったわ。
クルス:とても気に入ったわ。すでに2回見たし、大好きよ。すごく笑えるし、ウディのベスト・パフォーマンスのひとつだと思う。この映画の彼は最高に笑わせてくれるわ。ウディ自身も元オペラ舞台の演出家役で出演しているんだけど、シャワー中の一般人の歌を聞いて、その歌声の素晴らしさに気づくときの顔は無敵よ。あの表情が頭から離れないの。最高よ。
クルス:カンヌでいくつかパーティーに出かけて、周りを観察したわ。インスピレーションを得ようとしたの。普段とは違う場所、誰か特定の女性をイメージしたわけではなかったわ。シナリオに書いてあったとおりで、そこから私のアンナを創り出したの。彼女は思ったことは全て口に出して話す人よ。そこが気に入ったわ。だって私自身とは正反対だから。彼女みたいになりたいけれど、私はもっとずっと抑制された人間なの。だからあんなにも自由で、毎日の生活で感じることは何でも口に出して言えるキャラクターを演じるのは楽しいわ。彼女のような人を演じるのと気分がリフレッシュされるわ。
クルス:有名人になって唯一良かったのは、それを経験したが故に「有名であることで真の幸福は得られない」と気付けることよ。有名であっても、そのことで人生に真の幸せはないわ。そのデメリットは、有名であることでとても苦労するし、対処が大変なこと。そう考えると、そのことのせいで時々この仕事を続けたいのかどうかわからなくなるの。
私が写真を撮られるのは気にしないけれど、家族の写真を撮られたり家族について書かれたり、特に子どもたちのことだと、私は耐えられないわ。住む国にもよるので、子どもたちを守ることができる国もあるけれど、アメリカでは全然守られない。子どもたちの顔を公にさらされてしまうの。それには100%反対よ。どの雑誌でも何ページかを割いて子どもたちの写真を載せてるけれど、子どもはハンドバッグじゃないのよ。そうでしょ? だから私は自分が撮られるのは全然気にしないけれど、異なる領域にまで踏み込むのは許されるべきではないわ。
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