1986年6月11日生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。『穴/HOLES』(03年)で映画デビュー。ヒット作『トランスフォーマー』(07年)の主演に抜擢されブレイク。『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(08年)ではハリソン・フォード演じる主人公の息子役を演じた。主な出演作は『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』(03年)、『アイ,ロボット』(04年)、『ウォール・ストリート』(10年)、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(11年)など。
アメリカが最も危険だった禁酒法時代に、腐敗した権力に立ち向かった兄弟がいた。『欲望のバージニア』は、法が死んだと言われたバージニアで“不死身”と言われた兄弟の実話をもとにした復讐劇だ。
酒の密造が盛んなバージニア州フランクリンで、酒の密売で名を馳せたボンデュラント3兄弟は、取締官から高額の賄賂を要求される。周囲が次々と権力に屈するなか毅然と拒絶する兄弟だったが、権力者の脅しは彼らの愛する者たちに襲いかかるのだった……。
この作品で、野心家の三男ジャックを演じたのがシャイア・ラブーフ。出演料の割には興行成績がいい「コストパフォーマンスの高い俳優」No.1にも輝いたラブーフに話を聞いた。
ラブーフ:こんな役は初めてだよ。ジャックはすごくハートがあるけど、それがかえって邪魔になるんだ。最初の頃の彼はすごく感情移入してしまうタイプなんだ。牧場に住んでいるのに豚を殺すのを見ることもできない。彼の感情の豊かさは、違法な仕事の邪魔になったりするんだ。彼は犯罪一家に生まれて、違法な仕事以外の選択の余地がないのにね。
ラブーフ:当時、法から隠れられる場所には酒があり、バージニア州西部では隠れ場所が簡単に見つけられたんだ。だから特に禁酒法時代にこの一帯は新たなゴールドラッシュになった。ボンデュラント一家に限らず、大勢がバージニア州西部に移ってきた。ボンデュラント一家の歴史は戦いの歴史だけど、この時代、彼らは政府だけでなく、このゴールドラッシュを狙ってきた移民たちとも戦っていたんだ。
さらにあの頃は、20代、30代の若者の間ではロビン・フッドのように政府に反逆する者が出現し始めていた。反逆が成功し、地域のみんなを手助けできるのを目の当たりにしていた。彼らこそ、アメリカ人の新世代さ。当時の英雄は(ゲイリー・オールドマン演じる)フロイト・バナーやアル・カポネのように、何もない底辺層から現れたんだ。
ラブーフ:彼の撮る映画はみんな直感的で、正直、遠い未来の出来事を描いていてもSFっぽさがなくて、現実味を帯びているんだ。彼は真理を探究する。そしてすごく頭がいい。彼の映画は、リアリティがある。それにジョン・フォード監督のような伝統的なスタイルで、そういうタイプの監督はもうあまりいないよね。
ラブーフ:彼が演じたのは裏社会を牛耳るギャングだけど、彼は本当にこの役にピッタリだった。彼はおそらく、今、生きている俳優のなかで確実に10本の指に入る名優だ。僕にとってはマイケル・ジョーダンのような存在なんだ。現実の世界でも彼のことは崇拝しているし、尊敬している。
ラブーフ:激動の最中にいる家族の物語だ。今、まさに破たんしようとしている家族の物語で、禁酒法時代そのものと、禁酒法時代に政府とある男の間で起きた出来事や反逆について描いているけど、この映画の核心はバラバラになりかけている家族が、ほどけかけた糸を繋ぎ止めようとするところにあるんだ。
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