1946年9月15日生まれ、テキサス州出身。ハーバード大学で英文学を学び、後のアメリカ合衆国副大統領となるアル・ゴアとルームメートとなる。69年に「A Patriot for Me」でブロードウェイデビュー。翌70年に『ある愛の詩』で映画デビュー。『逃亡者』(93年)でアカデミー賞助演男優賞を受賞、『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』(05年)でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞。主な出演作は『歌え!ロレッタ愛のために』(80年)、『JFK』(91年)、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94年)、『メン・イン・ブラック』(97年)、『メン・イン・ブラック2』(02年)、『メン・イン・ブラック3』(12年)、『リンカーン』(12年)、『終戦のエンペラー』(13年)など。
『31年目の夫婦げんか』メリル・ストリープ&トミー・リー・ジョーンズ インタビュー
名優同士がすれ違いの倦怠夫婦をユーモラスに好演!
『31年目の夫婦げんか』は、『プラダを着た悪魔』(06年)のデヴィッド・フランケル監督の最新作だ。子どもも独立、結婚31年目を迎えた夫婦の、一見順調ながらも実は危機に瀕した状態をユーモラスに描き笑いを誘う。
主人公の夫婦を演じるのはトミー・リー・ジョーンズとメリル・ストリープ。いつの間にか夫婦別室となり触れあうこともなくなったことに危機感を抱く妻が、嫌がる夫を夫婦カウンセリングに引っ張り出すことから明かされていく夫婦の姿。
性的なテーマも含め赤裸々な会話も飛び出す本作について、主演のジョーンズとストリープに話を聞いた。
ストリープ:一般論だけど、女性の方が人間関係について考えるのが好きだと思うの。改善の糸口を考えたりしてね。私も高校時代は学校から帰って来ると女性誌のコラムを夢中で読んでいたわ。夫婦関係の修復に関する記事なんかを。言い分が面白いのよ。元来、女性はそういう話が好きなの。男性が興味を持たない世界ね。だからこの作品でも夫婦がすれ違う。ケイはカウンセリングを受けたい。でもアーノルドは渋る。でもカウンセリングに行くと、予想に反して、彼女は壁にぶつかることになる。逆に夫は展開に期待を寄せるようになるの。
カウンセリングを受けようと思った理由については、こう思うわ。2人の結婚生活にはしっかりした基盤があるけど、ケイはその暮らしのなかでむなしさを感じているの。彼女は結び付きを求めている。毎日一緒に過ごす夫ともっと関わって愛したかったし、彼にも向き合ってもらい。愛してほしかったのよ。
ジョーンズ:ケイは結婚生活に満足できず、改善できるものならわらにもすがる思いでいるんだ。そして彼女は書店である本を手にし望みを託すけれど、夫のアーノルドは気乗りがしない。
ジョーンズ:アーノルドも結婚生活については考えるけれど、根が無頓着な人間なんだ。そこで、メリル演じる妻のケイが2人の結婚生活は健全じゃないと感じ始めることから物語が始まる。最初、彼はカウセリングなどバカにしているんだ。けれど1人になると居たたまれなくなる。何せすべて妻に頼ってるんだからね。結局アーノルドは文句を言いながらも出向くが、実は深い関係を築くことが不安なんだ。
ストリープ:頭のなかでは思っていても行動で示すのが難しいのよね。でも親密な関係を築くには小さいことの積み重ねが大事なんだと思うわ。
ジョーンズ:全体的にはコメディーだから笑えるよ。夫はカウセリングを信用してないから、その効果に気付きもしない。
ストリープ:まさにハマり役で、見事だったわ。彼にはもともと品のよさが備わっているのよね。
ジョーンズ:それに、優しさがにじみ出るんだ。
ストリープ:そうね。それに……こちらが黙ると間を取ってうまく合わせてくれる。頼れる俳優だわ。感性も豊かですごく面白い人よ。この作品でもいろんな場面で笑いを誘ってくれているわ。
ストリープ:信頼し合ってるから、気兼ねなく演技できたわ。でも、みんながそう感じてたはずよ。作品もとても共感のもてるものになっていると思う。私たちが演じた夫婦を見ていて「よくいる夫婦だ」と思うんじゃないかしら。自分たちの結婚生活と重なる人もいるはずだし、兄弟夫婦と同じだと思う人もいるかもね。要するに身近によくある夫婦の姿が描けているのよ。
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