1986年8月28日生まれ、ロサンゼルス出身。『ヴェロニカ・マーズ』(06年)、『デスパレートな妻たち』(07年)、『ゴシップガール』(09年)などのテレビドラマ出演を経て、デヴィッド・フィンチャー監督の『ソーシャル・ネットワーク』(10年)でトロント映画批評家協会賞最優秀助演男優賞を受賞。『J・エドガー』(11年)ではフーバーの愛人役を演じた。その他、『白雪姫と鏡の女王』(12年)などに出演。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを大ヒットさせたジョニー・デップ、ゴア・ヴァービンスキー監督、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが贈る西部劇『ローン・レンジャー』は、20世紀のアメリカで人気を博したコンビを復活させた娯楽大作だ。
正義のために死の世界から甦ったヒーロー“ローン・レンジャー”と、復讐に燃える悪霊ハンター“トント”の噛み合わないヒーロー2人が聖なる力に導かれ、巨悪に立ち向かう様子を迫力満点の映像で描き出す。
白塗りの奇抜なメイクでトントを演じるデップと共に巨悪に立ち向かうローン・レンジャーをユーモラスに演じたのはアーミー・ハマー。『ソーシャル・ネットワーク』(10年)や『J・エドガー』(11年)などで注目を集めたハリウッド期待の新星に、本作について語ってもらった。
ハマー:『ローン・レンジャー』をユニークにしている要因は数えきれないほどあるよ。スケールの壮大さが驚異的なこと。大陸横断鉄道が登場すること。先住民と政府の対立というコンセプト。テキサス・レンジャーが登場すること。ここで描かれている多くが歴史に忠実であること。そして、史実に即していながらも、とても楽しくフレッシュな描き方がされている作品なんだ。
ハマー:ローン・レンジャーを演じるのが楽しいのは、驚異的なキャストとスタッフが集まり、関わっている全員が業界トップの素晴らしいプロジェクトだからさ。そういう作品に参加できるというのは、ものすごいことだよ。
ハマー:開拓者たちが西へ西へと進んでいく時代を描いた映画だよ。鉄道の産業化を中心に、それらが古い世界の価値あるものにどのような影響を及ぼしているか、その周辺や開拓地にどのような影響を及ぼしているかが描かれているんだ。
元々そこに住んでいた人々は、自分の持っている土地だけで十分に暮らしていたんだ。でも、大陸横断鉄道を敷いて世間の人々がチェサピーク湾でとれた牡蠣を1週間以内に手に入れることができるようにするために、彼らは自分の家から追い出されてしまう。ここで描かれている世界は、現代的な世界と古い西部の世界の拮抗(きっこう)なんだ。この二元性は興味深いと思うな。
ハマー:義足に銃を仕込んだ女性・レッド(ヘレナ・ボナム=カーター)のところから走り出て、群衆に追われるシーンがあるんだ。僕が口笛を吹くと愛馬のシルバーが走ってくる。僕は走って飛び、階段の手すりに着地し、そこを滑って一番下まで行ったところで、木の棒を使って棒高跳びのように宙に飛び、シルバーに飛び乗る。馬の上に着地できるようになるまで20回ほど繰り返したよ。馬が目標の場所から動いてしまうんだ。
メイル・フック(走る列車のなかから郵便物を受け取るために郵便袋を装着するためのポール)も激しいスタントだったよ。鎖で縛られた僕らは、メイル・フックを軸にグルグルと回って戻ってくる。あれは最悪だった。見た目はまるでカーニバルの乗り物みたいだし、カーニバルみたいに面白そうだけど、手首に金属の手かせをつけているから、強く振られると、ちょうど遠心分離機みたいに放り出されて手首に鎖が喰いこむんだ。
ハマー:楽しかったよ。最初の頃は全員でレンジャー系のことをやっていたから、どのシーンもジョニーと僕だけというわけではなかったんだ。でも、2〜3週間経つと、毎日一緒のシーンばかりになった。お互いのペースをつかめるようになったのは、ちょうどその頃だね。一度リズムをつかむと、キャラクターを演じることや2人の相互作用を心から楽しめるようになった。僕は、ジョニーが演じるトントというキャラクターを深く理解しはじめ、おそらくジョニーもローン・レンジャーというキャラクターをより深く理解するようになったと思う。お互いに相手のスイッチの入れ方を心得ていたほどだからね。とても良い関係だったよ。
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