『101回目のプロポーズ 〜SAY YES〜』リン・チーリン インタビュー

22年の歳月を経て蘇った名作へ込めた思いとは?

#リン・チーリン#101回目のプロポーズ

ヒロインとは仕事や価値観、ライフスタイルなど、似ている部分は多いと思います

1991年にフジテレビ系で放送され、最高視聴率36.7%を記録した大ヒットドラマを、日中合作映画としてリメイクした『101回目のプロポーズ 〜SAY YES〜』。今年2月に中国全土で公開されると、観客動員660万人、興行収入30億円を記録するなど大きな反響を得た。そして10月、満を持して日本で公開を迎える。

劇中で、ヒロインのチェロ奏者イエ・シュンを演じたのが、台湾を代表するモデルで女優のリン・チーリンだ。オリジナル版の大ファンで、本作に出演できたことを「光栄です」と日本語で語っていたリンに、作品に込めた思いや、自らの恋愛観などを語ってもらった。

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──オファーを受けた時、即決したとお聞きしました。リンさんが演じたイエ・シュンは、日本版で浅野温子さん演じた矢吹薫からインスパイアされた役ですが、どのように捉えて演じたのでしょうか?

リン:愛に対する価値観、勇気を持って物事に向かうこと、そして愛があればすべては克服できるという考え、そして信念をもって行動すること……そういった性格を持っている女性だと思いました。

──イエ・シュンとリンさんは似ていますか?

リン:仕事や価値観、ライフスタイルなど、似ている部分は多いと思いますし、彼女を演じることによって、私自身も多くのことを学びました。

──リンさん自身が日常の生活のなかで、心がけていることはありますか?

リン:自分の命に対する情熱を絶対諦めないことです。何かにぶつかることもありますが、そういったことも全部含めて、神様が私に授けてくださったステージだと思って、情熱を持って生きることですね。

学生時代は白馬の王子さまのような男性を夢見ていました
リン・チーリン

──劇中、イエ・シュンは片思いの相手から、様々なアプローチを受けます。先ほどイエ・シュンとリンさんは似ていると仰いましたが、リンさんはどんなアプローチに心が動かされますか?

リン:相手のライフスタイルのなかまで入り込み、自分にとって何が1番必要かを考えてくれる、きめ細やかな心配りをしていただけると感動します。優しさ、温かさというものが伝わると嬉しいですね。

──イエ・シュンは結婚相手の条件は重視しないという女性でしたが、リンさんは?

リン:私も同じで、条件などは重視しません。もちろん学生時代などは、白馬の王子さまのような男性を夢見ていましたが、今は違います。お金や外見など、すべてのものは時間と共に変化します。それは愛の条件にはならないと思います。ピュアな真心を持った人がいいです。純愛が欲しいですね(笑)。

──理想的なプロポーズはありますか?

リン:非常にロマンティックな考えかもしれませんが、どんな言葉であるかということよりも、2人が深く愛し合っているなかで、相手の方が、私に愛情を持って話してくれるということが重要だと思っています。

リン・チーリン

──本作には純愛というテーマのほかに、男の友情というものも描かれていると思いますが、リンさんにとって男の友情にはどんなイメージを持ちますか?

リン:オリジナル版では、兄弟姉妹の絆も強く描かれていましたね。彼らの可愛らしいやり取りは強く印象に残っています。この作品では(イエ・シェンに片思いする)ホアン・ダーとその仲間の友情が描かれています。私自身は、女性なので、男同士の友情の経験はないのですが、一度は経験してみたいと思っています。1日男性になって男の友情を味わってみたいですね!

武田鉄矢さんが演技に入られると現場はとてもエネルギッシュになりました
──劇中、イエ・シュンは「唇をかむのは不機嫌なときの癖」と指摘されています。リンさんの不機嫌なときのサインは?

リン:映画のなかで、イエ・シュンが唇を噛むのは、私が出したアイデアなんですよ! 女の子って不機嫌になると口の周りの癖が出たりするじゃないですか? それを提案してみたんです。私自身は、割と不機嫌になっても態度に出ないので、周囲には気づかれないと思います。元々がポジティブな性格なので、何か問題が起きたときでも、あまり気にせず、出来るだけ楽しくしようと思っています。笑顔のなかから笑顔は生まれるので、常に口元に笑顔を絶やさないようにしようって心がけています。

リン・チーリン

──チェロを上手に弾くシーンがありますが、練習も楽しく出来ましたか?

リン:1ヵ月半ぐらい、朝起きてから夜寝るまで練習していたこともありました。なかなか良い音が出ず、周りに迷惑をかけてしまったこともありましたが、今回チェロを練習して、楽器の音が会話をしているように聴こえてきたんです。音を聴くと、安らかで静かな気持ちになれました。

──本作ではオリジナル版で星野達郎を演じた武田鉄矢さんと共演していますが、現場でのエピソードをお聞かせください。

リン:撮影のときは、ワクワク興奮していました。武田さんが演技に入られると、現場はとてもエネルギッシュになりました。テイクごとに違う演技をされるなど、私たちの想像していないこともありましたが、言葉が通じないながらも、昔からの知り合いであったかのように息があった演技ができました。

──最後に本作の見どころを教えてください。

リン:この映画は日本で大ヒットした『101回目のプロポーズ』を映画化したものです。22年前の感動を、上海の綺麗な景色の中で描いたラブストーリーになっています。愛の力を信じればどんな困難でも克服できるというメッセージが伝われば嬉しいです。

(text&photo=磯部正和)

リン・チーリン
リン・チーリン
林志玲

1974年11月29日生まれ。台湾出身。10代からモデルとして活動し「台湾一有名なモデル」としてCMや雑誌等で活躍。その後、女優業へも進出し、ジョン・ウー監督の映画『レッド・クリフ Part1』(08年)でヒロイン小喬を演じスクリーンデビュー。翌09年には続編となる『レッド・クリフ Part2』、10年にはテレビドラマ『月の恋人〜Moon Lovers〜』に出演し、日本での知名度を上げた。

101回目のプロポーズ
101回目のプロポーズ 〜SAY YES〜
2013年10月19日より全国公開
[監督]レスト・チェン
[脚本]ジャン・ウェイ
[出演]リン・チーリン、ホアン・ボー、武田鉄矢
[原題]101次求婚
[DATA]2012年/日本、中国/ポニーキャニオン/104分

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