『デッドマン・ダウン』コリン・ファレル インタビュー

復讐を誓った男を熱演したアイルランド出身スター

1番の魅力は脚本、僕の好きなヒッチコック的な要素があった

妻子を殺され、復讐を誓った男。未来を奪った男に復讐したいと願う女。孤独な2人が出会い、予想もしなかった運命へと突き進む様子を描いたサスペンスアクション『デッドマン・ダウン』が、10月26日より公開される。

主演はアイルランド出身のハリウッドスター、コリン・ファレル。『ニュー・ワールド』(05年)などの叙情的な作品から『マイアミ・バイス』(06年)、『トータル・リコール』(12年)などのアクション大作まで幅広い作品で活躍するファレルに話を聞いた。

──スリルと衝撃に満ちた作品ですが、出演の理由を教えてください。

ファレル:1番の魅力は脚本だった。キャラクターたちや描かれる因習が気に入った。僕のキャラクターとヒロインが住む地理的な配置も面白い。2人が必然的に近づくような距離感と2人の関係が始まるときのある種ののぞき見主義的な要素でさえも興味をそそられた。そこには僕の好きなヒッチコック的な要素があったんだ。

──ストーリー自体の印象は?

ファレル:この映画はニューヨークの犯罪社会が舞台背景になっているが、そのなかにあるラブストーリーが強烈でとても深いものを感じた。アクションもかなり複雑で、興味を引き付けられ、楽しめるものに仕上がっている。でも僕にとっては、ヴィクター(コリン・ファレル)とベアトリス(ノオミ・ラパス)のラブストーリーがこの映画の基軸なんだ。基本的に語られるのはこの2人の物語だ。2人は修復できないほど傷ついていて、その結果、互いの人生に関わり、互いに癒されるチャンスを与えようとする。それが僕にとってこの物語のなかで最も興味をそそられる部分だった。

ノオミ・ラパスは非常に聡明で、洞察力があって、とても大胆
『デッドマン・ダウン』
(C) 2012 DMD PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

──『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(09年)のニールス・アルデン・オプレヴが監督をつとめていますね。

ファレル:『ミレニアム〜』は見ていたし、監督の別の映画『We Shall Overcome』(06年)も見た。これは美しい映画だけれど、映画のジャンルで言えば、『ミレニアム〜』とは正反対のジャンルだった。だからニールスならどんな題材でもうまくやれると思ったし、彼と一緒に仕事ができることが本当に楽しみだったよ。
 彼のスゴさはリハーサルのときに実感した。彼はいつも陽気だけど、厳しいし妥協しない。そして、監督としての信頼感があるんだ。完全に満足するまで決してそのシーンから動こうとしないニールスを、僕は信頼した。

──ヒロインのベアトリスを演じたノオミ・ラパスとの共演はいかがでしたか?『ミレニアム』シリーズで世界的ブレイクを果たしたスウェーデン人女優ですよね。

ファレル:いくら褒めても褒め過ぎることはないくらいだよ。彼女は非常に聡明で、洞察力があって、とても大胆だ。そして、明確な感情表現をする。ノオミと一緒にセットにいたときはいつもこの上ない喜びを感じていたよ。彼女は素晴らしい。本当に素晴らしいよ。

『デッドマン・ダウン』
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──スケジュールがタイトだったと聞いていますが。

ファレル:撮影期間は43日間で、その間にやることがたくさん詰まっていた。セットも3つあって、本当に豪華な作品だ。おまけにロケーションの移動も多い。そういう全てのことをやり遂げなくてはというプレッシャーにも関わらず、僕はこの映画のクリエイティブな要素に妥協があるとは感じなかった。それは監督の独断的とも言えるアプローチが大きく物を言ったのだと思うよ。

デッドマン・ダウン
2013年10月26日より新宿ミラノほかにて全国公開
[監督]ニールス・アルデン・オプレヴ
[脚本]J・H・ワイマン
[出演]コリン・ファレル ノオミ・パラス テレンス・ハワード ドミニク・クーパー イザベル・ユペール
[原題]DEAD MAN DOWN
[DATA]2013年/アメリカ/プレシディオ/118分

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