1969年7月17日生まれ。大阪府出身。『日本黒社会 LEY LINES』(99年)など三池崇史監督作品などをきっかけにブレイク。日本人離れしたルックスと演技力を武器に、多数の作品に出演。演じてきた役柄は、ゲイバーのママ、クールなキャリア刑事、ローマ皇帝、猫と旅する剣豪、ナルシストの銀幕スターなど多彩。最近の出演作は、『羊の木』(18年)、『今夜、ロマンス劇場で』『去年の冬、きみと別れ』『億男』(共に18年)など。今後は9月30日よりスタートのNHK連続テレビ小説『スカーレット』への出演も控えている。
BSフジなどで話題を呼んだドラマを映画化した『猫侍』。幕末の江戸を舞台に、コワモテの剣豪がひょんなことから飼うことになったキュートな白猫・玉之丞に振り回される様子を描いた異色時代劇だ。
かつては百人斬りと恐れられるも、現在は長屋暮らしの貧乏侍の主人公・斑目久太郎を演じるのは北村一輝。眼光鋭い濃い顔俳優として『テルマエ・ロマエ』(12年)にも出演。悪役をはじめ強烈なキャラクターを数多く演じてきた彼が、玉之丞の愛くるしさにデレデレになる様子をコミカルに演じ笑いを誘う。
そんな新境地に挑戦した北村に話を聞いた。
北村:猫と侍というコラボが面白いですし、顔が怖い、喋らないという設定も斬新で、こういう企画、チャンスをいただけたことに、とても感謝しています。
北村:僕はもう100%猫派ですね。子どもの頃は犬を飼っていたけど、猫を飼ってからは猫派です。犬は飼い主に対して愛情豊かで、猫は冷たいという認識があったのに、飼ってみたらそんなことはなくて、しかもカワイイ! でも猫によるかも。その“子”との相性があって、相性が合えば犬よりもベタっとする。僕はね。
北村:ビックリするくらい変わってたでしょ? 最初、プロデューサーから「(完成した作品を見て)どう思います?」と聞かれ、「物足りないかな」と言ったら、「僕もそう思います」って。で、「これ、やり直さなくちゃまずいですね」という話になって、ナレーションを新たに入れて、編集でも意見を出し合った。そうしたら、なぜか歌まで作ってきて歌わされた(笑)。でも、例えばハリウッドや他の国では、試写の後、その反応でエンディングを変えたり、撮り直したりするんだよ。少しでも良くなるのであれば、どんどん変えていく。(本作のスタッフは)それに対応できるスタッフだし、楽しませようという想いも強いはずだと期待している。だからこそ、この作品への想いもひとしおですよ。
北村:ですよね! 僕は敢えて「グダグダ」という形容詞を使うけど、ドラマのとき、コマーシャルの前後に入れる一言を「猫ざ〜むらい!」と遊び感覚で言ったりしていて、そういうこともレコーディング中にその場でどんどんアイデアを出し合って生まれている。だから、面白い。斑目のナレーションや歌もそう。映画でも最後はそれができて良かった。なにせ現場はすごくタイトで、みんなボロボロになりながらやっていたから。ドラマを撮った後、そのまま映画の撮影に入らなくちゃならなかったし、ドラマを深夜まで撮って、次の日も早朝から撮影、終わってから1時間くらい映画の打ち合わせをしていましたよ。今までの仕事のなかで、こんなハードなのは初めて。もうずーっと日光江戸村にいました。江戸村の皆さんには協力していただいて、本当に感謝しています。スタッフも大変ななかで頑張っていて、救われた感がある。
テレビ版は僕がほとんど出ずっぱりだったけど、映画版はキャストの方も増えて華やかな現場で、皆さんそれぞれに見せ場がちゃんとある。この映画は、いろんなことが分かりやすく描かれているけど、家族という部分に関してだけはさりげなく感じてもらえるような作り方をしている。そこが映画っぽくて好きですね。
北村:よく1人の時間を作りますね。みんなでご飯を食べに行っても、帰りに歩くとか。そういうときが必要です。その時間か、あとは息子と買い物に行くとき。親は誰でもそうでしょうが、子どもには癒されます。子どもに勝るものはないですね。
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