1958年3月21日生まれ、イギリスのロンドン出身。79年から舞台俳優としてキャリアをスタート。シド・ヴィシャスを演じた『シド・アンド・ナンシー』(86年)で注目を集め、『JFK』(91年)、『ドラキュラ』(92年)、『レオン』(94年)、『不滅の恋/ベートーヴェン』(94年)、『ダークナイト』(08年)、『裏切りのサーカス』(11年)などに出演。『ハリー・ポッター』シリーズ(04年〜11年)ではシリウス・ブラックを演じている。悪役に定評があり、ロバート・デ・ニーロと同様に徹底した役作りで知られる。
死後、“ロボコップ”としてよみがえった警官の活躍と苦悩を描いた『ロボコップ』(87年)。大ヒットし続編も作られたこの映画が、3月14日より新たな『ロボコップ』としてよみがえる。
劇中で、ロボコップ計画に関わるデネット・ノートン博士を演じているのは、日本でもファンの多い演技派ゲイリー・オールドマンだ。彼に、新生『ロボコップ』について聞いた。
オールドマン:一番の理由は、監督のジョゼ・パジーリャだった。物理学者からドキュメンタリー映画の監督になった彼が、彼流のポップ・カルチャー作品を作るということにとても惹かれた。彼のアイデアや、この題材に対する考え方がとてもいいと思ったんだ。
オールドマン:ジョゼには周りの人たちを元気にする素晴らしい力がある。そして非常に頭が良くて、好感の持てる男だ。才能があると同時に、とてもいい人なんだ。どんな仕事でもそうだが、映画を作る際に自分のボスを嫌いたくはない。数ヵ月間、ときには1日15時間も一緒に過ごす人とは、ウマが合った方がいい。ボスに会うのを楽しみにしながら現場に行きたいものだ。ジョゼ・パジーリャはそんな監督のひとりだ。
オールドマン:好きだよ! 87年の公開時にも見ているし、ジョゼもあの作品が好きで敬意を抱いていたよ。
オールドマン:一種のニューロエンジニアリングに携わる科学者だ。事故の被害者や退役軍人や四肢の切断手術を受けた患者たちが、普通の暮らしを送れるよう手助けしてきた彼は、バイオニック・エンジニアリングの分野を開拓しているんだ。
彼は誠実で、素晴らしい道徳観を持った善意の人だ。そしてたまたま才能があった。そこで人々を助けるためにロボコップ計画に関わることになった。だが、ロボット・テクノロジーを支配する巨大企業オムニコープと彼自身の後援者である(マイケル・キートン演じる)レイモンド・セラーズの影響で腐敗してしまうんだ。
オールドマン:ロボコップ計画に参加することで、オムニコープから研究費が無限に提供されるようになるんだが、それが原因で腐敗してしまうんだ。映画の終盤には、彼も責任を認めるけどね。
それからロボコップに対する思い入れも強く、フランケンシュタインと怪物、あるいは父と息子のような関係だ。
オールドマン:ストーリーが進むにつれノートン博士は、セラーズが自分が思っていたような人物ではないこと、そして自分がある意味、彼に騙されたことに気づく。そしてロボコップの家族に対する補償を求め、自分がやってしまったことを埋め合わせようとするんだ。
オールドマン:世界中の科学者たちがどのようなことをしているか、ネットで少しリサーチをした。ここで少し、あちらで少しと花粉を集める蜂のようにね。でもジョゼのような天才がすぐそばにいるということは、いつでも相談できるテクニカルアドバイザーと監督がいたようなものなんだ。
今回の場合は幸いなことに、すべてが脚本に書かれていた。脚本がうまく書かれていると役者の仕事は楽なんだ。題材をサポートするために懸命に努力しなければいけない場合は、何かが間違っている。今回は疑問があったらジョゼに聞くだけですんだ。彼はすごく頭が切れるし、何でも知っているからね。
オールドマン:本作は「誰が決定を下しているのか」ということを自問させる映画だ。危険なのは、自分にとって何が最善かということを、自分以外の人間が決めることだと思う。また、どんどんオートメーション化が進むなか、テクノロジーがどこまで行くのかという倫理的、道徳的な問題も提示している。
飛行機が自動操縦で飛び、着陸できることは承知しているけれど、コックピットに人間が座っていてくれた方が、僕自身は安心するね。
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