1970年2月14日生まれ。イギリスのグロスター出身。スタンダップ・コメディアンとして活動をはじめる。エドガー・ライト監督が演出し、ニック・フロストと共演したテレビシリーズ『SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜』では共同脚本を執筆。『ショーン・オブ・ザ・デッド』(04年)、『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(07年)でも主演と共同脚本を兼務。ニック・フロストと共演し共同脚本を執筆した『宇宙人ポール』(11年)ではイギリスのナショナルムービー・アワード最優秀コメディ賞を受賞。俳優としては『M:i:III』(06年)、『スター・トレック』(09年)、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(11年)、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(13年)などに出演。
映画ツウの間で熱い支持を得る『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(07年)や『宇宙人ポール』(11年)などを手がけたサイモン・ペッグ、エドガー・ライト、ニック・フロストの3人が、新たに放ったおバカ映画が『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』だ。
学生時代に成し遂げられなかった「1晩で12軒のはしご酒」にトライするためにイギリス郊外のニュートン・ヘイヴンの街に戻ったアラフォー男・5人組が、12軒目のパブ「ワールズ・エンド(世界の終わり)」を目指す“壮大な冒険”を描き出す。
とびきりバカバカしく、大人こそが大笑いできる本作について、主演・脚本を兼務したサイモン・ペッグにインタビューした。
ペッグ:ゲイリー系ではなかったね。つるんでいた仲間のリーダー格の奴が、すごく格好良かったんだ。かなりゴスっぽい奴でね。そいつのおかげでゴスの道に入って、僕は信者って感じだった。少し年上の奴だったからお手本にしていたんだ。
ペッグ:そうだね。それは僕らにとって非常に大切なことなんだ。エドガー(・ライト)、僕、そしてニック(・フロスト)は、笑いが宙ぶらりんにならないよう、常にシリアスさでコメディを支えようと気をつけているんだ。ジョーク以外に何もなければ、それがスベったときに映画が崩壊してしまうからね。それに、最高のコメディは、必ず優れたストーリー、魅力的な登場人物、熱い思い、そして作品の意味を持って展開する。だからクレイジーで、はちゃめちゃな気まぐれ屋のゲイリー・キングもものすごく悲惨なんだ。鬱とアルコール依存症に苦しんでいて、実は精神病院を抜け出してきた今にも自殺しそうな奴なんだよ。
ペッグ:ゲイリーはお気に入りの役なんだ。できるだけウザくなるようベストを尽くしたよ。それから、この映画の悪役は宇宙人じゃなくてゲイリーにしたかった。宇宙人は、ある種、無害なんだよ。地球を良い場所にしたいという善意でやっているんだ。みんなの自由を奪ったり支配したりするけれど、それもこれもスターバックスだらけの巨大な街のなかでみんな一緒に住むことができるように、地球をより良い場所にするためなんだ。それが宇宙人の求めていることさ。ゲイリーはそんなことは求めていないから、映画を見た人は、ゲイリーは本当に奴らにそうさせなければならなかったのか考えることになる。応戦しないで、この宇宙軍に組み込まれてしまったほうが人類にとって良かったんじゃないか。僕はゲイリーのせいで世界の終わりが来るっていうアイデアが気に入っているんだ。それって良いことかも知れないだろう?
僕らは映画の結末を複数の解釈ができるようにするのが好きなんだ。『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』では、ファシスト国家ができるというのがオチ。ニコラス・エンジェルはファシストだと罵られるんだが、ラストでは本当にそんな感じになってしまうんだ。黒の手袋をはめた彼が警察国家で暴れまわる。そういったところが不穏な感じを残すんだよ。
ペッグ:エドガーと僕の2人で選曲したよ。それも脚本の仕事の一部さ。どの曲を使うかにはこだわりがあって、1987年から92年の5年間から採用しようと決めた。ドアーズの「アラバマ・ソング」とオリジナルの曲以外は全部その時代のものなんだ。僕らの大好きなスープ・ドラゴンズ、ハッピー・マンデーズ、ザ・ストーン・ローゼズ、それにカイリー・ミノーグも使ったよ。ディスコ時代に戻って、セイント・エティエンヌ、ザ・ビューティフル・サウス、ザ・サンデイズも使った。僕の大好きな曲、シルヴァー・バレットの「20 Seconds to Comply(原題)」は、ビーハイヴでの常軌を逸した大格闘でニックがカウンターチェアを掴む場面で使っているんだ。そういうことが僕らにとって、すごく大事なことだったのさ。基本的に、ゲイリーが映画用に音楽を編集したらこうなるだろうな、と想像して作ったカセットテープなんだ。彼が90年からずっと車に入れっぱなしにしてるテープさ!
ペッグ:若い頃は、故郷があまりにも小さい町なもんで忘れてしまおうと思った時期もあったけれど、今は故郷に帰るのが好きだね。幼い頃のことを思い出せるから帰るのが楽しいよ。グロスターに住む母や家族に会いに帰るんだ。特別思い入れのある場所さ。でも、滅多に帰ることはないな。大げさじゃなく、2時間運転して訪ねる時間がないんだ。いつも母が会いに来てくれるから、そうやってグロスターと繋がっている感じだな。
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