『シャドウハンター』リリー・コリンズ インタビュー

ロックスターを父に持つ期待の若手女優を直撃!

#リリー・コリンズ

有名なキャラクターの役を演じることに対しての免疫がついた

ある日突然、妖魔を退治する使命を負った“シャドウハンター”であることを告げられた少女。失われた聖杯を探し出し、さらわれてしまった母を救うために立ち向かうこととなった主人公クラリー・フレイの冒険を描いた『シャドウハンター』は、全世界で2200万部を突破したベストセラー小説「シャドウハンター 骨の街」を実写映画化したアクションファンタジーだ。

ニューヨークで平凡な日々を送っていた15歳の主人公を演じるのは、ロックスター、フィル・コリンズの娘でもあるリリー・コリンズ、25歳。主人公の母親探しを手伝う美青年ジェイスを『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』でデビューしたジェイミー・キャンベル・バウアー、その他、ロバート・シーハン、ジェマイマ・ウェスト、ケヴィン・ゼガーズなど若手スターが脇を固める。

妖魔との壮絶なアクションバトルに手に汗握る本作について、主演のコリンズが語った。

──『白雪姫と鏡の女王』(12年)で初主演し、本作が2つめとなる主演作ですね。いかがでしたか?

コリンズ:実は、シャドウハンターは『白雪姫と鏡の女王』の前に撮る予定だったの。撮影時期がずれ込んで、後になったのよ。お陰で、既に有名なキャラクターの役を演じることに対しての免疫がついたわ。白雪姫なんて分かりやすい例で、世界中の誰もが知っている役を演じると、役に対しての観客と演者のイメージの相違で演技の出来を判断されるの。なんとかこの不安は乗り越えたけど、観客の感想を聞いて傷ついたこともあったわ。クラリーを演じる前にこの経験をできて良かったと思う。演じられる役柄に対してはみんなが意見を持っているものなんだって学んだわ。

──気になったファンの感想はありますか?

コリンズ:あるとき、女の子が数人寄ってきて、「あなたはクラリー役にぴったりよ!」って言ってくれたの。これって嬉しいことで、今のところ肯定的な意見ばかりよ。

──原作のファンだと聞きました。撮影に入る前にシリーズ全作読んでいたんですか?
『シャドウハンター』
(C) 2013 Constantin Film International GmbH and Unique Features (TMI) Inc.

コリンズ:第1作(「骨の街」)を読んで、映画化の話を知ったの。すぐに連絡をとったわ。「どうしたら参加できる? オーディションはいつ?」ってね。それから続編も読み進めてはいたけど、出演が決まって一旦やめたわ。撮影中の内容と混乱したくなかったから。自分の未来なんて知りたくないでしょ? クラリーについても同じだったのよ。もう2作目の『灰の街』の制作に取り掛かっているんだけど、特に3作目のことは意識しすぎず、あくまでも単体の作品として作られる予定よ。個人的にも必要以上の演技をしなくて済むから助かるわ。結構大変なことなのよ。

直感で動くのは得意だけど、色んな側面から物事を捉えるようにしてる
海外プレミアでのリリー・コリンズ

──人気上昇中の期待の星、ジェイミー・キャンベル・バウアーが相手役のジェイスを演じていますが、共演はどうでしたか? 彼はあなたと同じくイギリス生まれですよね。

コリンズ:イギリス人は自分の短所をよく分かっていて、「これが僕なんだ! 全部愛してくれ!」なんてことにはならないの。でもちゃんと存在感がある人はいて、ジェイミーが現れたとき、彼はもうジェイスだったの。ジェイスが持ち得る性質を全て持っていたし、私も「この人だ!」って思ったわ。あいにく彼の良さに気づいてない観客もいるけど、この作品を見ればすぐに思い直すと思うわ!
 ジェイミーは本当に面白い人で、ちょっと意地悪。彼のこの生意気さが、ジェイスの性格を脚本に描かれている以上に膨らませたんだわ。彼は全て期待以上の仕事をし、結果、天才的な役割を果たした。他の人にはきっと成し得なかった。彼がジェイス役だったお陰で、私が演じたクラリーが生まれたと言っても過言じゃないわね。

──主人公のクラリーは無理だと言われると意地でもやってのけようとしますが、あなた自信にもそんなところがありますか?

コリンズ:直感で動くのは得意だけど、同時にしっかり判断もするわ。だから「ダメだ!」と言われて「いや、絶対にやる!」なんてことはないわね。時間をかけて色んな側面から物事を捉えるようにしてるの。それがもたらす影響のことを考える性格なの。子どもの頃からそうなの。両親の影響ではなくて、とにかく感情で動いたことはないわ。頭と心で考えるようにしているの。

──『白雪姫と鏡の女王』では上手な歌を披露していましたが、今回は残念ながら歌はありませんでしたね。
『シャドウハンター』
(C) 2013 Constantin Film International GmbH and Unique Features (TMI) Inc.

コリンズ:歌うのは好きよ。でもクラリーは歌というよりは美術の方が好きみたいね。映画にはダンスナンバーも入ってるわね。ジェイミーは素晴らしい歌手でありミュージシャンで、詩を書いたりギターやピアノも弾けたり、何でもできるのよ。いつか2人で何かやりたいわ。

──アクションシーンの準備はどれくらいしたんですか?

コリンズ:実は2作目の方がアクションは多くなるみたいで、今回はほんの触りだけだったんだけど、みんな本当にたくさん訓練したわ。ほとんどのスタントをみんな自らこなしていて、私が壁に叩きつけられるシーンがあったんだけど、(自分で演じる)許可が下りなかったの。同じシーンで、ジェイミーはテーブルを超えて壁に激突するんだけど、それも許されなかった。でも彼は宙返りをやったけどね。みんなお互いのトレーニングを見てきてるし、全員が助け合ってたわ。でも同時にみんなすごく緊張してた。「次はどうなるの?」って。でもこうやって一緒に汗をかいて一緒に練習して、その結果絆が生まれたの。撮影が連日朝方3時4時までかかるんだけど、それも「一緒なら何でもできる!」って、まさにシャドウハンターと同じように乗り切ることができたのよ。

──続編『灰の街』について何か教えてください。

コリンズ:今度、衣装合わせがあるんだけど、シャドウハンターの新衣装を聞かれたら、もっと短めで、布製のブーツを要求するわ。だって冬に撮影になるからね! あと、キツいドレスはもうこりごり!

リリー・コリンズ
リリー・コリンズ
Lily Collins

1989年3月18日生まれ、イギリスのサリー州出身。イギリス人ミュージシャンのフィル・コリンズを父に持ち、幼い頃から子役として活躍。5歳でアメリカへ移住し、記者、司会、コメンテイター、モデルなど幅広い活動を経て、2009年に『しあわせの隠れ場所』で映画デビュー。主な出演映画に『プリ―スト』(11年)、『ミッシングID』(11年)、『白雪姫と鏡の女王』(12年)『シャドウハンター』(13年)などがある。ファッション・アイコンとして若い女性たちから高い支持を得ている。

リリー・コリンズ
シャドウハンター
2014年4月19日より新宿ピカデリーほかにて全国公開
[監督]ハラルド・ズワルト
[原作]カサンドラ・クレア
[出演]リリー・コリンズ、ジェイミー・キャンベル・バウアー、ジョナサン・リス・マイヤーズ、レナ・ヘディ
[原題]The Mortal Instruments : City of Bones
[DATA]2013年/アメリカ、ドイツ、カナダ/プレシディオ/130分

(C) 2013 Constantin Film International GmbH and Unique Features (TMI) Inc.