1969年5月14日生まれ、オーストラリア・メルボルン出身。レイフ・ファインズと共演した異色のラブ・ストーリー『オスカーとルシンダ』(97年)が好評を博し、『エリザベス』(98年)でゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞などを受賞。レオナルド・ディカプリオ主演によるハワード・ヒューズの伝記映画『アビエイター』(04年)ではアカデミー賞助演女優賞を初受賞。その後も、『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(07年)でアカデミー賞主演女優賞、『あるスキャンダルの覚え書き』(06年)、『アイム・ノット・ゼア』(07年)で助演女優賞にノミネートされるなど、演技力には定評がある。その他の主な出演作は、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(01〜03年)や『リプリー』(99年)、『バンディッツ』(01年)、『バベル』(06年)、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(08年)、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(08年)など。
『ブルージャスミン』ケイト・ブランシェット インタビュー
次第に常軌を逸していく…崖っぷちアラフォー女のあがきを怪演してアカデミー賞を受賞! ハリウッドきっての演技派女優を直撃
御年78歳にして、ノリに乗っているウディ・アレン監督。ラブコメの名手として、最近ではヨーロッパを舞台に『それでも恋するバルセロナ』(08年)、『ミッドナイト・イン・パリ』(11年)と毎年コンスタントに話題作を作り続けていた彼が、久々にアメリカに戻って撮ったのが『ブルージャスミン』だ。
ジャンルも久々のシリアス。だが、主人公の崖っぷちアラフォー女のあがきが痛々しすぎて思わず笑ってしまう場面もしばしば。アハハと笑った後に背筋が寒くなるような恐ろしさもはらんだ作品だ。
かつてニューヨーク社交界の花と謳われたものの、夫と資産とリッチな生活のすべてを失った主人公ジャスミンが、再びセレブライフに返り咲こうとあがく姿を描き出す本作。精神を病みながらも過去の栄光にしがみつく女を鬼気迫る演技で演じたのはケイト・ブランシェット。本作でアカデミー賞主演女優賞も受賞した彼女に、映画について、アレン監督について聞いた。
ブランシェット:ウディ・アレンは才能ある脚本家だし、オファーは受けると決めてたわ。ストーリー構成も、実に素晴らしかったの。
次第に明らかになる過去と、急に突きつけられる現実を、ジャスミンは直視せざるを得ない。構成が見事だから、心も自然と動かされるの。彼は私のブランチ・デュボワ役(『欲望という名の電車』)の演技を見たのかもね。『欲望という名の電車』と設定がとても似てるのよ。結末は違うけどね。彼から連絡をもらったとき、脚本を読む前に出演を決めてたの。あとは彼が創作したすばらしい人物像を忠実に描写するだけだったわ。
ブランシェット:彼女は絶えず自分の人生を“書き直している”ので、どのような話し方かを決めるにあたって一番大切なのは、彼女と(妹の)ジンジャーがすごく異なっているということだったわ。自分のアイデンティティを具現化させるのにはどのタイミングを選ぶかによるけれど、彼女の場合は大学に行ったときだと思うの。そこである特定の階級へ移行したいと気付いた。そこから彼女のアイデンティティ、声、ペルソナ(人格)、体型が形作られたんだと思うわ。
ブランシェット:ウディ・アレンは偉大な劇作家であり、同時に偉大なコメディアンだわ。私にはウディ・アレンのプロジェクトに参加している、そのことが何よりも肝心なことなの。実を言うと、彼についてのドキュメンタリーを繰り返し見たの。彼が過去にどんな可能性を持っていたかとか、アーティストとしてどういう人物なのか、他の人たちの彼とのコラボレーションはどういうものだったのか、その感触を得たくてね。
ただ、ジャスミンの体験と現代を生きる人々とにかなりの共通点があって、特にこの5年間にそう感じているわ。すべてを失くしてしまったと思われる人、実際には本人が思っているほど、多くを持っていない人とか。
ブランシェット:社会的、モラル的な意味で、ここ数年の間に私たちは様々な問題に直面しているわ。だからこの映画が多くの人にとって、とても現実的に感じられるんだと思うの。
ウディが作家として素晴らしいことは、万国共通で本当に今日的と思えるものに踏み込むことができるということだわ。彼がこの映画で強く関心を持っているのは、人は人生において現実と妄想のどちらかを選ぶ状況に直面するという現実だと思うの。
ブランシェット:姉妹は2人とも養女という設定なの。さほど強調されてないけどね。妹の恋人の名はチリよ。タイカレーみたい。姉妹の設定だけでもコメディー要素は十分あるわ。同じ環境で育ったのに、なぜここまで違うのかって。2人とも夢想家という点では共通してるけどね。
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