1976年5月31日生まれ、アイルランドのダブリン出身。サッカー選手を経て俳優に。『タイガーランド』(00年)で注目を集め、『マイノリティ・リポート』(02年)、『デアデビル』(03年)などの大作に出演。『アレキサンダー』(04年)、『ニュー・ワールド』(05年)、『マイアミ・バイス』(06年)、『Dr.パルナサスの鏡』(09年)、『セブン・サイコパス』(12年)などに主演。
100年の時を経て愛し合う男と女──『ニューヨーク 冬物語』は、あきれるほどにロマンティックな究極のラブストーリーだ。物語は19世紀のニューヨークで犯罪を生業として生きてきた男が、余命わずかな美しい令嬢と恋に落ちるところから始まる。
1983年に出版され、かのシェイクスピアと並ぶとも賞されたベストセラー小説「ウィンターズ・テイル」を映画化した作品で、映画では、100年に渡る時を“生かされた”男の使命がエモーショナルに描かれていく。
愛のために生きる主人公を演じたのはコリン・ファレル。ハリウッドゴシップを賑わわせてきた暴れん坊として、そして確かな演技力をもつ実力派スターとして知られる彼に、本作について語ってもらった。
ファレル:これまでのどの作品も、脚本に惚れ込んだことがきっかけで出演を決めている。この脚本を読んだとき、魔法のような魅力に満ちていて、その規模の大きさや、冬のニューヨークという設定、こそ泥が盗みに入った家で女性と恋に落ちる展開とか、こういう要素が複雑に絡まっていて、壮大な作品だと感じたんだ。ものすごく大きなスケールと、親密な物語が共存していて、そこがなによりも魅力だった。
ファレル:泥棒だ。孤児として育った彼は、手先が器用であることに気がつく。どんなカギや金庫もあけてしまうし、スリとしても一流だ。彼は強盗団の仲間入りをすることになるんだが、ラッセル・クロウ演じるキャラクターと対立することになる。ピーターにとって盗みと暴力は別のものだが、ラッセル演じるキャラクターはそうは考えない。そこで、ピーターは窮地に陥ることになる。その後、彼は女性と出会い、真実の愛に目覚める、という展開なんだ。
ファレル:うわっ、厳しい質問だな(笑)。僕はあらゆる愛の形を信じているし、一夫一婦制も信じている。僕自身はずいぶん長いあいだ独身で、ガールフレンドがいない状況が続いているけれど、恋愛や結婚を信じている。結婚したところで、うまくいくとは限らないけれどね。ぼくには、ピーターのような経験はない。でも、ピーターを演じることで、深い愛の可能性をより強く信じるようになったことは確かだ。
ファレル:誰かを愛する気持ちは、たとえその人が死んだとしても、相手にきちんと受け継がれるものだと思う。そういう意味では、愛は時間を超えることができると思う。
ファレル:最高だった。ラッセルのことは昔からの大ファンで、共演を楽しんだよ。真面目で、仕事に真剣に取り組む素晴らしい俳優だ。できれば、もっと共演していたかったほどだ。ジェニファーは自分が演じる役柄について明確なイメージを抱いていた。とくに、彼女と娘とのシーンが素晴らしい。準備万端で、女優の鑑だ。
ファレル:グレイトだ。とてもスマートで、おまけに素晴らしいクルーを集めている。撮影監督のケレブ・デシャネルや衣装のマイケル・カプランとか。それに、最高のキャストを集めた。なにより感心したのは、明確なヴィジョンを持ちあわせていたことだ。この映画は、頭脳的というよりは、感覚的な作品だ。だからこそ、フィーリングがものすごく重要になる。彼はそれぞれの場面で、どのような感情を伝えるべきか、完璧にわかっていたよ。
ファレル:ぼくの予感だけれど、女性はラブストーリーの要素に夢中になってくれると思う。体裁を気にする男と違って、女性のほうが、感情的にオープンだからね。
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