1954年4月7日生まれ。香港出身。7歳から10年間に渡り中国戯劇学院で京劇や歌、アクロバット、武術の訓練を受ける。学校閉鎖を機にスタントマンとして映画界入り。第2のブルース・リーとして注目を浴び『レッド・ドラゴン/新・怒りの鉄拳』(76年)に主演。また『カンニング・モンキー 天中拳』、『スネーキーモンキー 蛇拳』(共に78年)などのカンフーコメディで人気を博す。その後、『プロジェクトA』(83年)、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(85年)などで危険なスタントを自身でこなすことが話題となり、アジアのトップスターの地位を確立した。95年の『レッド・ブロンクス』が全米No.1ヒットとなりハリウッドにも進出。ハリウットで『ラッシュアワー』(98年)、『シャンハイ・ヌーン』(00年)などに出演、またシリーズ化もされた。
『ポリス・ストーリー/レジェンド』ジャッキー・チェン インタビュー
60歳を迎えたジャッキー・チェンが、映画作りの魅力、アクションの醍醐味について語った!
アジアが誇るアクションスター、ジャッキー・チェンの人気シリーズ『ポリス・ストーリー』。1985年にスタートしたこのシリーズの最新作にして集大成と言うべき作品が、この『ポリス・ストーリー/レジェンド』だ。
巨大なナイトクラブで前代未聞の大量人質事件が発生し、たまたま娘とその場に居合わせたベテラン刑事ジョン(ジャッキー・チェン)が、事件の裏に隠された恐るべき復讐計画に挑む。本作でジャッキーは、父親に長年の不満を抱く娘との関係や、自らの過去と向き合うドラマチックな役どころを熱演。俳優としての成熟を感じさせる。もちろん迫力に満ちたアクションシーンも見どころのひとつだ。
ムビコレでは、60歳を超えてもなお衰えを知らないトップスターに、シリーズへの思いについて、今後の抱負などについて語ってもらった。
チェン:今回の物語はサスペンスあり、アクションあり。しかもアクションは十二支に従っていて、これまでやってきたものとはやり方が違うんだ。だから僕にとってはチャレンジだったよ。MMA(総合格闘技)でしか見られないようなアルティメット・ファイティングは、密度の高い戦いだった。とてもリアルで、見た目の華麗さだけじゃない、本当に動きの一つひとつが普段の擒拿術(きんなじゅつ)とは一味違った。どの作品もそうだけど、一番の見どころを語るのは難しいね。映画は一部が魅力ということはなく、全体で語るものだから。この作品は、僕の映画を好きでいてくれている人はきっと気に入ってくれると思うよ!
チェン:この映画のシリーズを通して皆さんに伝えたいのは、警察というのはどういう風に平和を保っているか、ということだよ。警察は、世界中の治安は守れなくてもローカルの治安をしっかりと守っているんだ。
僕は、エンターテイメントを通して色々なメッセージを皆さんに伝えたいと思っているんだ。口で言っても聞いてくれなかったり分かってもらえないことは多いけれど、映画を見てもらえれば、警察はこういう風に人々を守っているんだ、どうすれば人々や街を守っていけるんだと、気付いてくれるかもしれないと思っているよ。
チェン:(アクションシーンの撮影のために)今回招いたのは全員国際派で、アルティメット・ファイティングを用いて敵に囲まれて戦うんだ。みんなカンフーをやっているから撮影は楽だったよ。ド素人だと、一から教えるのが大変なんだ(笑)。でも全員が強いから、みんなあざだらけになる。ケガをしないアクション俳優なんていないよ! 思いっきりやらないと迫真のアクションはできないし、僕も相手も格好よく映らない。観客に見破られてしまうからね。だからいつも僕は思いっきりやってくれと言うんだ。それどころかこのくらいの力でやりなさい!と殴ってみせることもあるよ。「こんなふうに僕に殴り掛かれ!」とね。そのくらいなら僕は大丈夫だし、今思いっきりやってくれないと映画が完成して悔しい思いをするぞ!と。そう言ったら、本気でアタックしてきて僕はぶっ倒れたよ! バンってその場で倒れてしまった(笑)。でも出来は非常に良かった。
僕はやっぱり映画作りが好きだ。長年やっても止められないね。まぁ、もちろん撮影は辛いよ。特に最後の数日間の地下鉄ロケは辛くて……本当に大変だった。演技もして、アクションもやる、常に時間が無いんだよ。でも終わってみれば全部楽しい思い出になるんだ。
チェン:挑戦したいのはやっぱり演技。それも、今までやったことのない役柄かな。今回の父親役もそうだったけど……次はおじいさん役かな(笑)。映画っていうのはいろんなチャレンジ性がある。いつかは自分が監督で、カンフー映画ではないものも撮りたいと思っているよ。ドラマ性のあるものとかね。色々考えているよ!
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