『女子ーズ』桐谷美玲インタビュー

ヒットメーカー・福田雄一監督の下で恥を捨て、自分をさらけ出した!

#桐谷美玲

女子で戦隊ヒーローになれるってあまりないので、喜びはすごくあった

深夜ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズ、『コドモ警察』などで知られるヒットメーカー・福田雄一監督。脱力感あふれる設定・演出で人気の彼の最新作は、5人の女子が活躍する女子の戦隊ヒーローもの『女子ーズ』だ。桐谷美玲をはじめ、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』で一躍人気を得た高畑充希、同じくNHKドラマ『あまちゃん』の有村架純をはじめ藤井美菜、山本美月とホットな若手女優が勢ぞろいしたことでも話題を集めている。

生真面目なリーダー・レッド、戦いは二の次のギャルなブルー、極貧なイエロー、日頃の言動も芝居がかった劇団員のグリーン、超お金持ちのお嬢様ネイビーから成る“女子ーズ”が悪に立ち向かう……はずが、恋に仕事にヤボ用に忙しく、なかなか揃って戦えないという、福田監督ならではのユル〜い展開で笑いを誘う。

本作で、まとまらない仲間を率いて戦いに挑もうとする責任感あふれるレッドこと赤木直子を演じた桐谷に映画の見どころなどを語ってもらった。

──かなりユニークな脱力系コメディですが、最初に脚本を読んだときの感想は?

桐谷:そうですね〜。なんだ、これは!っていう感じでした、最初は。でも、(脚本を)読んでいて面白いし、福田さんとは前にご一緒したことがあったんですけど、そのときもすごく面白かったし、作品ももちろん見ているので、また一緒にできるんだなっていうのは嬉しかったです。女子で戦隊ヒーローになれるって、あんまりないですよね? なので、ちょっとした憧れがあったので、(戦隊ヒーローに)なれるっていう喜びというのはすごくありました。ただ、どうやってこれを映像化するんだろう?とは思いましたね。

──基本的にアクションシーンはない戦隊ものですが、撮影にあたって不安はありましたか?

桐谷:ヒーロー口調で喋るというのをやったことがないので、どのくらいヒーロー口調なんだろう?とは思いました。で、顔合わせのときにちょっと読み合わせもしたんですよ、リハーサルも兼ねて。そのときにすごいウザいくらい熱くと言われ、何パターンかやって、そういう感じ!と言っていただき、そこから方向性が見えてきたかなって感じです。

──具体的には、どんな感じで“熱く”演じたんですか?

桐谷:そうですね。声を張り上げて強く喋ったほうがレッドには合っている、とか。

──不条理かつ理解を超えた存在=女子を描いた作品です。男性から女性をとらえ「あるある!」と思う部分が詰まっていると思うのですが、桐谷さん自身が共感できる部分はどこでしたか?
『女子ーズ』場面写真
(C) 2014「女子ーズ」製作委員会

桐谷:私も大学のときの友だち5人で仲がいいんですけど、やっぱりなかなか揃わないんですよ。本当バラバラで、ちょっとした予定というか、最近はみんな仕事をしているというのもあって、電話したら「あ。寝てた〜」とか。わかりますね、女性の空気感みたいなもの。

──そのなかで一番「女子!」と思う部分は?

桐谷:なんか、少しずつみんな「みんながやってくれるからいいや」とか「誰かやるからいいでしょ〜」って思っているところかな。そういう“甘え”って、みなさん、ありますよね?

佐藤二朗さんの演技がおかしくて、撮影中に笑ってNGを出しちゃったことも
──現場の様子はいかがでしたか? 楽しかったそうですが、印象深いのは何ですか?
『女子ーズ』場面写真
(C) 2014「女子ーズ」製作委員会

桐谷:(戦隊ヒーローの)スーツが寒かったですね。3月中旬に撮っていたので、まだそんなに暖かくはなかったんですよ。あのスーツ、意外にペラペラで。すごくカッコよくは作っていただいてるんですけど……。あと、ヘルメットも重かったですね。走ると揺れるんです。
 それから、佐藤二朗さんの演技がおかしくて、撮影中に笑ってNGを出しちゃったこともありました。みんなも耐えられないらしくて、ヘンに下向いているところは実際に笑っていて、そのまま(映画に)使われてました。監督には「耐えられなくなったら下向いて」って言われました。

──同世代の女子同士で盛り上がったりはしましたか?

桐谷:何か特別に盛り上がったというよりも、みんなで常にお喋りしていました。

『女子ーズ』場面写真
(C) 2014「女子ーズ」製作委員会

──レッド役の感想は?

桐谷:声を張り上げるとか、こういう感じの役はあまりやったことがなかったですし、福田さんならではの微妙なニュアンスの演出っていうのに、慣れるまではどう対応していけばいいのかっていうのはありました。でも、福田さんは隣でやって見せてくれるんです「こういう感じ!」って。それで、なるほどなって。

──この映画で学んだことなどは?

桐谷:コメディの経験ができたのは、すごくよかったかなと思います。恥を捨て、自分をさらけ出すことです。

──5人の女子のうち、ご自身に一番近いのは?

桐谷:う〜ん、レッドなのかなぁ。多分、私に合わせて台本を書いてくださったところもあると思うので、レッドなんじゃないかなと思います。

『女子ーズ』場面写真
(C) 2014「女子ーズ」製作委員会

──もし女子ーズに選ばれたら、仕事とどっちを優先しますか?

桐谷:私が仕事に行かないといろんな人に迷惑をかけちゃうので、う〜ん……。

──では、女性にはこの映画のどんなところを楽しんでもらいたいですか?

桐谷:本当に女子だからわかるといったところがたくさんあると思うし、本当はこうしたいのに!っていう……(例えば)美容室行きたいとか、セール中とか、先にデートしたいとか、無理に戦いたくないとかに共感してもらいたいですね。

桐谷美玲
桐谷美玲
きりたに・みれい

1989年12月16日生まれ。千葉県出身。雑誌「Seventeen」や「non-no」のモデルとして人気を博す。映画デビューは『春の居場所』(05年)で、『音楽人』(10年)で映画初主演。テレビドラマ『荒川アンダー ザ ブリッジ』(11年)、『あぽやん〜走る国際空港』(13年)、『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』(13年)、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』(14年)や、映画『君に届け』(10年)、『ツナグ』(12年)、『100回泣くこと』(13年)などに出演。

桐谷美玲
女子ーズ
2014年6月7日より全国公開
[監督・脚本]福田雄一
[出演]桐谷美玲、藤井美菜、高畑充希、有村架純、山本美月、佐藤二朗
[DATA]2014年/日本/キングレコード

(C) 2014「女子ーズ」製作委員会