1979年6月21日生まれ、アメリカ、ミネソタ州ヴァージニア出身。カナダの女優レイ・ドーン・チョンが監督した『Cursed Part 3』(00年)でデビュー。09年から15年にかけて出演したテレビドラマ『パークス・アンド・レクリエーション』で人気を博し、14年公開のアニメーション映画『LEGO ムービー』では主人公エメットの声に抜擢。同年、ジェームズ・ガン監督のSF映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ではマーベルコミックスのヒーロー、スター・ロードを演じてブレイクした。主演をつとめた『ジュラシック・ワールド』(15年)が世界興収16億ドルを突破してシリーズ最大のヒット作となり、世界的な注目を集める俳優の1人となった。
全米で今夏最大のヒット作となった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。宇宙一運の悪い男や見た目はキュートなのに中味は凶暴なアライグマら問題ありまくりの負け犬たちの無謀すぎる冒険を描いたアクション・アドベンチャーで、公開前から続編の製作が発表されていたことからも注目の高さがうかがわれる。
そんな本作の主人公は、とことん運の悪いトレジャーハンター、ピーター・クイル。演じるクリス・プラットはコメディアン出身ながら、今やハリウッド一のナイスガイとも言われている注目俳優だ。『ジュラシック・パーク』シリーズ第4作目となる『ジュラシック・ワールド』(15年公開)にも出演するプラットに、映画の見どころなどを語ってもらった。
プラット:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーというグループは、それぞれ個々に別々のやりたいことを持った状態から始まり、徐々にお金を得ることや復讐を遂げることや逃避することではなく、罪のない人々を守るためにチームとして力を合わせることを学んでいくんだ。自分たち自身よりもずっと大切で戦う価値のあるものが存在するということを彼らは知り、全員がそのことを学ぶことになる。
ピーター・クイルは自由を欲している。宇宙に飛び出て、好きな音楽を聴き、人生のことなんか忘れて、本当の自分というものを心の奥に埋めて、とにかくそういう世界のなかに逃げ込みたいと思っているんだ。ガモーラ(美しき暗殺者)は強くありたいと思っているけれど、彼女の考える強さというのはちょっと違うんだ。ドラックス(破壊王)は失った家族の復讐を欲している。ロケット(無法者のアライグマ)とグルート(姿は樹木のヒューマノイド)はとにかくお金が欲しいだけ。この2人は宇宙は世知辛く薄情で、誰だっていつかは死んでしまうんだから、「もうどうでもいい、金をもらって、他人をぶちのめそう」と考えているんだ。でも最終的に僕らは、他者のために自分たちを犠牲にしようと思えるようになるんだ。そこが見どころだね。
プラット:そうだね。この映画で僕らは本当に数多くの世界を探訪しているけれど、そのどれもが個々にまるで異なった世界なんだ。ザンダー星はユートピア社会のようなところ。誰もがとても洗練されていて思いやりがあって、進歩していて、清潔な暮らしをしている。ドバイの影響をある程度受けてデザインされた惑星で、人工的な都市の雰囲気を感じることができるよ。ザンダーには人々がたむろする巨大なショッピング・エリアがある。そして様々なタイプの異星人たちがいる。ピンクや黄色やブルーの肌をした人たちがね。
刑務所のキルンもまた驚異的なセットだよ。160人のエキストラが入ると、まるで南アメリカの刑務所にいるような気分になるんだ。暗くて湿っぽくて、嫌な臭いすら臭ってきそうに思えるほどさ。とても恐ろしく、とてもラフな場所だよ。それから悪役が使っている巨大なスペースシップのダーク・アスターもある。まるでスクラップ場のようなところで、そこにあるものはどれもオイルまみれに見えるね。他にも、“ノーウェア”(採掘惑星)とか、“ジェマイアの長靴”(ノーウェアにある酒場)とか、数多くの環境が登場しているよ。
プラット:僕が初めてマーベルの世界に触れたのは、子どものときに読んだコミックブックだったね。コミックブックは何冊も買っていたけど、かなり値段の張るものだから、大々的に幅広くコレクションしていたわけではないよ。それでも「インフィニティ・ガントレット」とか「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、「パニッシャー」や「スパイダーマン」なんかは結構集めていたんだ。
僕は絵を描くことが大好きなアーティストだったから、自分の部屋の壁にコミックブックのヒーローたちの絵を描いて壁絵にしていた。今でもコミックブックは持っているし、子どもの頃によく描いたコミックブックの絵とかでいっぱいなノートもとってあるよ。だから、僕は間違いなくファンだったと言えるけど、ストーリーよりはむしろアートワークが好きだったんだ。スーパーヒーローの見た目が本当に大好きで、当時はとても夢中になっていたよ。
プラット:うん、知っていた。これは単なる偶然だけど、僕がコミックブックを集めていた短期間の間に、トラヴィスという友だちが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に夢中で、彼の兄(弟)は「ウルヴァリン」シリーズに夢中だった。それは90年代のことだけど、どちらも同時期に発売されたんだ。僕は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を数冊買ったけど、僕が集め始めた時点では、すでに第20巻とか30巻とかになっていたよ。
プラット:撮影前にトレーニングを始めたけど、必要とされる状態を作るまでには約5ヵ月半かかったよ。(製作会社の)マーベルと協力して、身体作りに関して自分でやりたいと思っていた幾つかの方法をやり、その上でトレーナーと栄養士に会ったんだ。僕がとても重視していたことは、適切な栄養を摂って適切な食事療法をすることだった。このチームの協力で、僕は厳密に適切なものを食べ、適切なサプリメントやビタミンを摂り、すべて適切な方法でやっているよ。しっかりとチェックを受けながらね。彼らからは「私たちが食べろといったときに食べ、トレーニングしろと言ったときにトレーニングしなさい」と言われていたし、僕は完全に彼らに身をゆだねて、彼らに言われた通りのことを厳密にこなしていったんだ。
僕の持っている仕事観はおそらく僕がレスリング選手として育ったレスリング練習場で培われたものだと思うんだ。僕らはいつでも減量しながら激しいトレーニングをこなしていたからね。僕はその仕事観をそのまま利用して、5ヵ月間文字通り死ぬほどトレーニングしたよ。毎日のトレーニングは1日4時間だった。
プラット:マーベル・シネマティック・ユニバースの一員になるってどういうことなのか、僕は未だに完全には理解し切れていないと思うな。少なくとも、この映画が公開されて、人々がどう受け取ってくれるかを見極めるまではね。撮影現場で映画の撮影をするというのは、僕にとっては当たり前のことだけど、この作品のような映画のプロモーションをすることで、映画の反響や観客の反応を知ること、この映画が公開された後で街を歩いている僕が人々からどういう風に扱われるのかを知ることは、すべて僕にとっては初体験のことばかりなんだ。もしかしたら何一つ変わらないかもしれないし、もしかしたら想像できないほど違うものかもしれないね。
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