インド人初のメジャーリーガーを発掘したスポーツエージェント。1968年2月5日生まれ。マサチューセッツ大学アマースト校を卒業。広告会社などの勤務を経て独立。バリー・ボンズ、バリー・サンダース、エミット・スミスなど一流スポーツ選手のマーケティングを担当するエージェントとして活躍している。インドで野球選手発掘をした体験を綴った「ミリオンダラー・アーム」はNYタイムズ紙でベストセラーリストに入り、映画化された。現在は家族と共にラスベガスに在住。
『ミリオンダラー・アーム』原作者 JB・バーンスタイン インタビュー
崖っぷちからのサクセスストーリーが映画化。インド人初のメジャーリーグ球団契約選手を発掘したスポーツエージェントを直撃!
すべての契約を失い崖っぷちに立たされたスポーツエージェントの胸にひらめいたアイデア。それは、野球未開の地インドで「100万ドルの豪腕」の原石を発掘し、プロ野球選手として開花させるというものだった!
バットもグローブも見たことのない彼の地で想像以上の苦労を経て探し出した逸材を、見事、インド人初のメジャーリーグ球団と契約に漕ぎ着けたJB・バーンスタインの実話をもとにした感動のサクセスストーリー『ミリオンダラー・アーム』。この作品について、主人公のモデルとなったバーンスタインに話を聞いた。
バーンスタイン:私にとっても、(インドで発掘してきた選手)リンクとディネシュにとっても、わたしのビジネスパートナーたちにとっても、すごくパーソナルな物語なので、胸が震えました。自分たちの感情的な思い入れが詰まった物語ですから、完成品を見たときに、良い意味で胸が詰まりました。
私自身のエピソードでは、妻といかに出会ったかというラブストーリーを物語に組み込んでいただいたので、妻と娘の姿を映画の最後で登場させてもらった場面では、大泣きしてしまいました。人生における決して忘れることのない、すばらしい瞬間でした。
バーンスタイン:自信はありましたが、もちろん、うまくいかない可能性も大いにあったと思います。リンクとディネシュはとても素晴らしい天分の才能を持っていて、勤勉な努力家だとも思っていましたが、彼らが途中で大きなケガをすることだって考えられます。自分たちの力だけではどうにもできない要素はたくさんありますから、それらの多くが私たちにとって良い方向に転んでくれたのは幸いでした。成功したのは、運もそれなりに味方したと思っています。しかし、インドで「ミリオンダラ・アーム」コンテストを行い、原石を発掘するというコンセプトそのものに対する自信は大いにありました。
このコンテストをやれば必ずうまく行く。十分な数の若者を見ることができれば、トップまでたどり着ける子が、なかに必ずいるはず、だとね。ですから、このコンセプトに対する自信はどんなときも揺らぎませんでしたが、それぞれの選手が成功するか否かについては、自分たちではいかんともしがたい要素もありますからね。
バーンスタイン:だんだんそうなってきていると思います。最初のシーズンには3万8000人の候補者たちを見ましたが、第2シーズンでは10万人、そして今シーズンは50万人の若者たちを見ます。ミリオンダラー・コンテストに対する関心は、急速に広がっています。何と言ってもインドは広大で、億単位の子どもたちがいますからね。
コンテストのことを、誰もが知っているとは言いませんが、2007年に私が初めて行った頃に比べたら認知が広がり、いまなお広がりつつあります。これは(本作を製作した)ディズニーさんのおかげであるところも大きいですね。私たちでは決して伝えることのできない形で、この物語を人々に伝えていただけていますから。本も出版され、リンクとディネシュの成功がもっとパブリシティを集めるようにもなりました。
バーンスタイン:第2シーズンの優勝者のなかにとても有望な選手がいたのですが、彼は裕福ではない家庭の出身で、たまたまコンテストの直後に警察官として公務員になるチャンスに恵まれました。それで、野球のトレーニングに入るよりも、そちらの道を彼は選択したのです。18歳の青年にとって確実に野球で成功する保証はなく、インドでは公務員はとても人気のある職業なんです。確実な名誉と安定を彼の家族に与えてくれるものですからね。彼がその決断をする前に映画が封切られていたならば、あるいは違う決断をしてくれたかもしれない、とは思います。
3回目のコンテストにおいては、リンクとディネシュが彼らの家族のためにどれだけのことができているかを参加する若者たちは知っていて、これがどんなチャンスであるかをもっと理解してくれているだろうと思います。子どもたちの決断を左右する背景が、前とはずっと違ったものになっていると思います。
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