1984年10月21日生まれ。福井県出身。トップモデルとして「VOCE」「CLASSY」「anan」「sweet」など数多くの女性ファッション誌の表紙を飾る一方、バッグやウェディングドレスのデザインを手掛ける。本作で女優デビューを飾ると、2014年秋には初めてのヨガDVD「Jessica Yoga in Hawaii」も発売。多方面でマルチな才能を発揮している。
モデルとして一線級で活躍する道端ジェシカと、映画『愛の渦』(14年)や『闇金ウシジマくん Part2』(14年)などで強烈な存在感と高い演技力を見せた若手実力派女優・門脇麦。
永田琴監督が「誰も見たことがないフレッシュな組み合わせ」にこだわった末、キャスティングされた2人がダブル主演をつとめた映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』が公開される。ヨガを通じて成長していく2人の女性を演じた道端と門脇に、お互いの印象や恋愛観などを聞いた。
道端:もともと演技に興味はあったので、いつかはやりたいと思っていたのですが、いざ出演すると決まると不安でした。芝居のレッスンを受けたことがなかったにも関わらず、ダブル主演という大役でしたからね。でも、撮影に入ると、現場はとても刺激的で、3週間という撮影期間もアッという間でした。完成した作品を見たのですが、本当にやってよかったって思っています。
門脇:私自身も映画見て「あー笑ってる!」って思いました(笑)。この話をいただいたとき、今まで挑戦したことがない明るいテイストの作品で、元気な女の子の役だったので「私でいいのかな? もっと可愛い子がいるんじゃないのかな」って不安だったんです。でも永田監督をはじめ、現場の雰囲気がとてもポジティブで楽しかったので、頑張ろうって思えました。
門脇:確かにそうですね(笑)。私自身、決して普段笑わない人間ではないし、家では海空(みく)みたいな感じなんです。でも、試写で、画面を通して笑っている自分を見たときに自分でも「私笑ってる!」って新鮮な気持ちになりました。
道端:私は相手が麦ちゃんって聞いたとき、正直、私で大丈夫なのかなって思ったんです。若手注目度ナンバーワンの女優さんだって聞いていましたし、そんなすごい方と、演技のレッスンもしていない私がお芝居をするなんて迷惑なんじゃないかって。(共演の)村上(淳)さんにしても、とても有名で経験も豊富な俳優さんじゃないですか。でもお2人とも優しくて気さくな方だったので、リラックスして撮影には臨めました。本当に相手役が麦ちゃんで良かったなってしみじみ思いました。
門脇:私も一緒の作品をやるなんて考えも及ばないような場所にいる方だと感じていたのですが、実際共演して、とても人間味のある方だなって思いました。カメラが回っていないところでも、一緒にいる時間が長くて、私も相手役がジェシカさんで良かったって思いました。
道端:10年ぐらいヨガはやっているのですが、ボディラインが変わったり、柔軟性が出たりするのはもちろんなのですが、それ以上にヨガをやると、心の落ち着きみたいなものを取り戻せるんです。私はせっかちで、話すのも早く、常に頭のなかにいろいろな考えがめぐっているのですが、ヨガをすると気持ちが落ち着いて、心に余裕が生まれるんです。
門脇:それほどヨガを深く知っているわけではないのですが、ずっとクラシックバレエをやっていたので、柔軟性という意味でも、ヨガのポーズはしっくりくるんです。あとは呼吸の大切さも実感します。普段呼吸を見つめ直すことってないのですが、舞台の前のアップのときにヨガをやって呼吸を一本、体に通すと気持ちも落ち着きますし、前向きな気持ちになるんです。今も舞台の前にやったり、寝る前にやってます。
道端:KUMIには好きな人がいて、その人のことが好きなんだけど、気持ちを表現できない不器用な女性なんですね。役柄が私と等身大なので「KUMIには共感できるんじゃないですか?」と聞かれるのですが、恋愛面では違うんですよね(笑)。もっと私は素直だと思うし、若干好きになる人のタイプも違うかな(笑)。台本読みながら「何でこういうこと言っちゃうのかな」って思うことがありました。
門脇:私も(劇中の恋愛観とは)違います。とりあえずこの作品に出て、ひとり暮らしの女の子が、出会ったばかりの男性と喫茶店に行って、そのまま家に招き入れてお酒を飲んじゃうなんてことはいけないことなんだって学びました(笑)。
門脇:私自身が、一生懸命だったりストイックになりすぎて、自分の欲や素直な感情を排除して、気づいたら凝り固まってしまっているということがあるんですね。特に学生時代に多くてパンクしてしまったり。だからKUMIの頑なさには共感しました。女優の仕事は、その頑なさが必要なこともあるとは思うのですが、(頑なさと柔軟さが)スムーズに行き来できなくて、最初は苦しかったんです。でも最近、いろいろな人との出会いで、少しずつ楽になってきましたね。
道端:(女優を)続けられる機会があれば、ぜひやりたいと思っていますが、まだ役を選べる立場じゃないので、オファーがあれば何でもやりたいです。なかでも、ホラーとかコメディ、あとは体を動かすことが好きなので、アクションとかにもチャレンジしたいです。
門脇:やりたい作品や役柄はいろいろありますが、それを目指していると、予想外の役をいただいたときに、どうしても抵抗感を持ってしまうと思うんです。いまの私はまだその時期ではないと思っているので、幅広くいろいろな役柄に挑戦したいです。
道端:ヨガの経験者も、やったことがない方も必ず楽しめる映画だと思います。「ヨガがテーマなんて億劫だな」と思わずに、たくさんの人に見てほしいです。
門脇:2人の女の子の成長と友情の物語になっています。人肌恋しくなってきた時期にピッタリの、すごく大切な人に会いたくなるような映画ですので、ぜひご覧ください。
(text&photo 磯部正和)
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