1993年7月13日生まれ。兵庫県出身。10年に映画『告白』の生徒役としてスクリーンデビュー。映画『カラスの親指』(12年)で報知映画賞・新人賞を受賞。13年にはNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で主人公・天野アキを演じ大ブレイク。本年は映画『ホットロード』に出演し、第6回TAMA映画賞・最優秀新進女優賞、日刊スポーツ映画大賞・新人賞を受賞するなど、いま最も注目度の高い女優だ。
若手注目女優・能年玲奈の最新作『海月姫』(くらげひめ)が公開を迎える。原作は東村アキコの同名人気コミック。能年演じる月海(つきみ)は、お洒落には縁遠いクラゲオタクの変わった女の子だ。
劇中、男子禁制のオタク女子集団「尼〜ず」の一員として、ボサボサ頭、ジャージ姿でオタク女子を演じた能年。「コメディは大好きなので、ワクワクしました」という彼女に撮影を振り返ってもらった。
能年:最初、月海はショートヘアでいこうという案だったのですが、だんごみたいな三つ編みが可愛いと思ったので、そこはこだわりました。
能年:原作ファンの方に受け入れてもらえるかというのは現時点ではわかりませんが、私的には「ちょっといい線いってるんじゃないかな」って思ってるんです(笑)。三つ編みの太さとかにもこだわっているので。月海のビジュアルが公開されたとき、周囲から「月海だね」って言っていただけたので、ホッとしている部分はあります。
──月海はクラゲオタクで、非常に個性的なキャラクターですが、能年さんの中で共通する部分や、ここは違うなっていう部分はありますか?
能年:好きなことには集中力を発揮するのに、他の部分は全然ダメダメなところは共感が持てますね。私も似ている所はあるので……。でも私は、お洒落とかは好きなので、その意味では月海とは違いますね。
能年:池脇さんが“ばんばさん”をやるんだと聞いたとき、ほとんど顔が映らないのにいいのかな? って思ったんです。でもカメラの前では別人になっていて、池脇さんならではの演技でした! 太田さんもすごく綺麗な方なのに、ずっと両手を前に出してまややになりきっていたり……。女の人がみんな“どうかしている人”なんですよね。そんな作品ってあまり巡り会えないので、とても楽しかったです。コメディは楽しくて好きです!
能年:本読みから撮影まで10キロ以上痩せられたみたいなんです。現場でもメイクを落としたあと、パックをしたり、お肌のケアを抜かりなくしててすごいなって。私は(美容に無頓着な)月海役なので、逆に放っておけばよくて、眉毛とか1か月間ずっと手入れしなかったです。でも普段の私と似ているのかも……。化粧とかもあまりしないし、家から出るのも精神的に一苦労なんです(笑)。
能年:はい。とても楽しかったです。私は中学生の頃、バンドをやっていたのですが、そのときの、仲間でひとつのことをやり遂げる感覚がずっと残っていて……。また誰かとやりたいなって思っていたんです。そういうことを作品を通してやれたのは嬉しかったです。
能年:篠原さんが“尼〜ず手芸部”を発足してくださって、そこでクラゲ人形を作りました。なかでも“キャベツクラゲ”はなかなかの出来で、美術の方が月海部屋に飾ってくれたんです。映画をご覧になる人は、ゲーム感覚で、私の部屋のキャベツクラゲを探してほしいです(笑)。
能年:最初は人についていくのですが、ハマって集中すると、ひとりで突っ走っちゃう感じですね。それでみんなを引きずり込んじゃうみたいな(笑)。
能年:演技オタクって言えたらいいなって思います。作品を見ていて面白いなって思う演技があると、1日中真似してたりします(笑)。最近だとドラマ『最強のオンナ』の藤山直美さんだったり、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のベニチオ・デル・トロさんとかがお気に入りです。
能年:自分の好きなことでしかパワーを出せないという部分は共感できます! 他はダメだけれど、好きなことでは頑張れるということは、言いかえればコンプレックスがあってもいいんだってことなんだと思うんです。そういう勢いは素敵ですよね。
能年:アクションをやってみたいです。実は運動は苦手なのですが、映像作品としてチャレンジするなら、すごく興味が沸いて努力が出来ると思うんです。そうしたら同時に運動不足も解消できますしね(笑)。
能年:今まで経験したことのないような誇張した動きやしゃべりのシーンがあり、どの程度までやったらいいのかという調整が難しく悩みました。でもそれを外側から作るという経験は、とても勉強になったし今後にいきてくるのかなって思います。
能年:(鯉淵慶一郎役の)平泉成さんから「演技って色々な役をすることがあるけれど、別人になることはできない」って仰っていたんです。私もどんな役をするときでも、自分らしい解釈をして、自分だと認識してもらえるように演じないと意味がないと思っていたので、平泉さんの言葉は心にストンって入ってきました。「そのままでいてね」って言っていただいたんです。
能年:最近までモモンガにはまっていました。画像見て癒されていました。あとはちょっと太り気味のデブッとした猫が好きです! 可愛いですよね。
能年:“どうかしている”キャラクターばかりが出てくる映画。みんながコスプレして劇場に来るみたいなお祭り気分で見られる作品になっています。
(text:磯部正和 photo:中村好伸))
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