1978年7月21日生まれ。アメリカのミネソタ州出身。16歳で舞台デビュー。CMやテレビ出演を経て『ハロウィンH20』(98年)で映画デビュー。若手演技派として活躍。『ヴァージン・スーサイズ』(99年)、『パール・ハーバー』『ブラックホーク・ダウン』(共に01年)などの大作に出演。その他の主な出演作は『シン・シティ』(05年)、『ブラック・ダリア』(06年)など。
『インフェクション/感染』ジョシュ・ハートネット インタビュー
若いながらもキャリアの長い実力派が、パンデミックスリラーで自らの失敗と格闘する男を好演
紛争地域での生物兵器の使用による感染症が蔓延。刻一刻と世界の崩壊が近づいている近未来を舞台に、それぞれの運命にあらがうかのように生きる人々の姿を描いた『インフェクション/感染』。
世界の終末を招く悲惨な戦争がもたらす恐怖をテーマにした本作で、小説家を目指し苦悩する主人公を演じたのは、『シン・シティ』のジョシュ・ハートネット。本作について、ハートネットに語ってもらった。
ハートネット:レンを通して、自らの失敗と格闘する男を演じることができると思いました。人が誰しも経験することですが、映画のなかで描かれることは多くありません。おそらく希望を感じさせないからでしょう。ストーリーは、レンが小説を書くという夢を実現したものの、その小説に誰も興味を示さなかった後に始まります。レンの妻の仕事は順調で、それはかつてレンが彼女のために自分を犠牲にしたからなのですが、レン自身の人生と目標は壁にぶち当たっていて、当然のことながら、妻はもはや彼の面倒を見たいと思っていません。そもそも、失敗に打ちひしがれているパートナーを見るのは、ロマンチックな生活とは言えません。ただ、ストーリーが展開するに従って、レンは奇妙なことに、世界の終わりという混乱のなかで、自らの存在に新たな意味を見いだします。そのパラドックスに、私は刺激を受けました。
ハートネット:今までブライアンの脚本に、直接的、間接的に感銘を受けていたので、このプロジェクトに関わりたいと思いました。ブライアンが書いた別の脚本を2、3年前に読んで、この人はユニークな才能の持ち主だと目をつけていたんです。ですから、このプロジェクトでブライアンに会える機会が訪れたとき、そのチャンスに飛びつきました。どう転んだとしても、面白い話ができるはずだと思ったので。実際、彼とはとても相性が良く、曇りがちなデトロイトで、2日ほど登場人物について話し合いましたよ。
ハートネット:ブライアンと仕事をするのは最高でした。脚本も書く監督のなかには、脚本を書いている最中に浮かんだアイデアを大切に思い過ぎて、さまざまな意見が出てくる撮影段階で、その流動的な経験をみんなと共有できない人たちがいます。けれど、自分に自信がある監督は、人に任せることを知っています。どこは変えずに残すべきで、どこは成長させるべきかを分かっています。映画制作というのは、たとえどんなに抜かりなく準備を整えたとしても、結局のところ、部屋で1人座って書くというよりも、人との共同作業なのです。ブライアンにはその自信がありましたし、撮影現場でも物腰柔らかく、みんなをリラックスさせてくれました。現場に熱意も吹き込んでくれましたし、一緒に仕事をするのにこれ以上の人はいませんよ。
ハートネット:私は他人に共感しやすい人間だと思います。どのカップルの気持ちも理解できるように思いますね。すべての登場人物に自分を見出すことができます。
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