1934年4月24日生まれ、アメリカのバージニア州出身。俳優のウォーレン・ベイティは弟、サチ・パーカーは娘。映画デビューはアルフレッド・ヒッチコック監督『ハリーの災難』(55年)。その後、『アパートの鍵貸します』(60年)、『あなただけ今晩は』(63年)、『愛と喝采の日々』(77年)など作品に出演し、『愛と追憶の日々』(83年)でアカデミー賞主演女優賞を受賞。近年の出演作に、キャメロン・ディアスと共演した『イン・ハー・シューズ』(05年)、ココ・シャネルの後半生を演じた『ココ・シャネル』(08年)、『バレンタインデー』(10年)、『バーニー/みんなが愛した殺人者』(11年)、『LIFE!』(13年)などがある。女優業の他に監督や作家としての顔も持ち、1983年に自身の神秘体験を基に出版した「アウト・オン・ア・リム」は世界的なベストセラーとなった。
シャーリー・マクレーン『トレヴィの泉で二度目の恋を』インタビュー
女優デビューから60周年を迎えた名女優が、黄昏時の恋について吐露
シャーリー・マクレーンとクリストファー・プラマー、2大アカデミー賞俳優が共演した『トレヴィの泉で二度目の恋を』は、人生の黄昏時にさしかかった男女が出会い、恋に落ちる素晴らしい瞬間を描き出した大人のためのラブストーリーだ。
長年連れ添った妻を亡くし生きる気力を失ったフレッド(クリストファー・プラマー)と、そのお隣さんとなったちょっと風変わりなエルサ(シャーリー・マクレーン)。2人のチャーミングな恋模様、やがて訪れる切ない展開……。フェリーニ監督の名画『甘い生活』にオマージュを捧げた本作について、名女優マクレーンに話を聞いた。
シャーリー・マクレーン(以下、マクレーン):私にとっては、別に意味はないわね(笑)。振り返って、ああ私はなんてワンダフルでエキサイティングな60年を生きたんでしょう!なんて思ったりはしないわよ。だって、私は、いつも、今の瞬間を生きているから。私は、1日1日を生きていくだけ。過去や未来に心をとらわれることなくね。ただ、今を生きるの。
マクレーン:私は撮影現場が好き。撮影現場独特の、親密な雰囲気が好きなの。現場でいろいろ工夫を凝らすのも、ほかの俳優たちとコラボレーションするのも。早起きは嫌いだけどね(笑)。ほかに、やることを思いつかないの……と言うか、ほかに、ここまでの興味をもてることがないのよ。旅は好きだけど、今の世の中は、テロリズムやセキュリティのせいで、旅するのが楽ではなくなっちゃったし。人間の本性を探索することほど、楽しいことはないのよ。演技を通して、私はそれをやるの。
マクレーン:やればやるほど、外見を気にしなくなったわね。もう鏡なんか全然見ないし、自分がスクリーンでどう見えるかなんて、気にしない。今の私は、自分の人生に、もっと心地良さを感じているの。それは、ものすごくハッピーだというわけじゃない。でも、決して落ち込むことはない。いつも、心地良いところにいるの。
マクレーン:そうよ。いつだったかよく覚えていないんだけど、17年くらい行き来したかしら。夫が仕事で日本に行っていたの。日本人は面子を保つことをすごく重視するわね。あと、みんなすごく親切だった。それに、日本人は食べ物に舌が肥えているわね。スピリチュアリティに関して心がオープンだとも思ったわ。仏教に限らず、あらゆるフィロソフィーに関心を持っている。
マクレーン:11歳くらいの頃からかしら。私たちはなぜ生きるのか。神とはどんな存在なのか。死後の人生はあるのか。この前の人生はあったのか。輪廻転生はあるのか。宇宙には我々以外の命も存在するのか。そういったことに興味を持って、私は、一生かけてそれらを探索してきたの。
マクレーン:もちろんよ。キャリアだけじゃなくて人生すべてにおいて手助けになった。カルマを軽く考えてはいけないのよ。原因があるからこそ、結果がある。だから正直に、率直に生きなければいけないの。ありのままの自分にウソをつかないことが大切。
マクレーン:それはないわ。私はすぐ外に逃げるから。飛行機に乗って、すぐどこかに行くの。いつもそうしてきた。ひとりでどこかに行って、危険でもなんでも、自分で体験して学ぶの。私は、自分自身の人格を守り続けることにおいてはエキスパートよ。
マクレーン:そう、彼女が死を目の前にしているとわかるまではね。そこでようやく観客は、彼女を理解できる。彼女はウソをつくことで、楽しんでいるの。彼女は、人生を娯楽と考えている。だからああいうさまざまなことをやるのよ。そういう女性を演じるのは、難しかったわ。彼女が病気であるという事実を、映画のどの段階で監督が出してくるのか、わからなかったから。
マクレーン:すごく素敵なことだと思うわ。私自身はロマンチックなタイプではないけれど、このふたりは、ロマンチックな意味でお互いと結びつく方法を見つけたのよ。彼女は、彼の固い殻を割ってみせる。彼は彼女のことを信頼していないのに、それでも自分が彼女に惹かれていくことを許すの。彼女のそばにいるのは楽しいから。
マクレーン:私たちの関係は最高よ。撮影が終わった後、毎晩私たちは一緒にディナーを楽しんだわ。ニューオーリンズの美味しいお料理を楽しみながら、ペットのこととか、いろいろなことについておしゃべりをしたの。彼の妻が来たときは、3人で食事をしたわ。前に、私たちはアッテンボローが監督した映画をロンドンで撮影しているので、お互いのことはよく知っていた。それに、彼の一人芝居も見た。あなたは見た? あんなにすごいものはほかにないわよ。
マクレーン:リアリティ番組のような空っぽのものをやることに興味はないわ。何かを感じさせるものをやりたい。必ずしも完全に現実に根付いている必要はないけれども、どこかにリアリティのあるもの。脚本が良く書けていることは大前提よ。そこに書かれていないものを表現することはできないわ。
マクレーン:もう一度、ものすごくドラマチックな役をやりたいわ。それに、年寄りについての映画を作り続ける年寄り女優であり続けたい。私は計画を立てない人だけど、もしひとつ計画があるとしたら、それね。
NEWS
PICKUP
MOVIE
PRESENT
-
ダイアン・キートン主演『アーサーズ・ウイスキー』一般試写会に10組20名様をご招待!
応募締め切り: 2025.01.04 -
齊藤工のサイン入りチェキを1名様にプレゼント!/『大きな家』
応募締め切り: 2024.12.27