1976年1月5日生まれ。岩手県出身。大学卒業後、脚本・演出・コピーライターなど幅広い活動を行う。06年にテレビアニメ『ZEGAPAIN-ゼーガペイン-』をきっかけに、本格的に声優としての活動を始める。以後、人気作でさまざまな役柄を演じている。
石ノ森章太郎原作の「サイボーグ009」と永井豪原作の「デビルマン」がコラボレーションする──。このニュースが流れたとき「どんな作品になるのだろう」と胸踊らされた人は多いだろう。
一見すると「水と油」のようなキャラクター同士の共演。そして思いもよらない展開……。その全貌がいよいよベールを脱ぐ。本作で不動明/デビルマンの声優を務めた浅沼晋太郎と、1972年に放送されたテレビアニメ版で不動明/デビルマンを演じた田中亮一の“新旧デビルマン”に見どころを聞いた。
浅沼:僕もびっくりしました。デビルマンを演じさせていただくだけでも驚きなのに、さらに「サイボーグ009」とのコラボっていうじゃないですか。マネージャーさんに聞き直したぐらいです。
浅沼:実は、最初ははっきりとした情報をいただけていなかったんです。『マジンカイザーSKL』という作品でお世話になった川越淳監督が、新しい作品を作るからと伺って、てっきりそのシリーズだと思っていたんです。そうしたらデビルマンらしいということになり、しかも「サイボーグ009」バーサスだというように、後から後から情報が増えていったんです。そのたびに、いちいち驚いていました。ドッキリなんじゃないかと(笑)。
浅沼:それはもちろんありました。
田中:本当にあったのかよ?
浅沼:いやいやないはずありませんよ(笑)。とてつもなく緊張しましたし。普段、アニメのオーディションを受けるということになってから初めて原作を読む、知る、ということは多いのですが、もともともともと好きで読んでいて、以前から知っていた作品のキャラクターに声をあてることってあまりないんですよ。でもデビルマンは日本人なら誰もが知っているキャラクターじゃないですか。それを自分が演じさせていただくなんて、生半可なプレッシャーじゃなかったですね。
浅沼:僕にとって一番なじみが深いデビルマンが、田中さんが演じられていたテレビアニメのデビルマンだったのですが、学生時代に原作漫画を読んで、アニメとは違う内容やデザインだったことをそのとき初めて知ったんですね。その後も実写映画やOVAなど、デビルマンってとにかくたくさんのパターンがあるんだと気付いて。だから自分の色に染めようとかではまったくなく、先輩たちに敬意を払いながら、監督が描くデビルマンに自分を合わせていこうと、それだけを意識しました。あとは……昭和感を大切にしようと。
浅沼:美樹ちゃんに絡むキャラクターが、ビジュアルといいセリフといい、かなり昭和を感じさせるんです(笑)。他にも女性のダンスの仕方とか(笑)。009サイドはスタイリッシュでクールなイメージなので、デビルマンサイドはワイリドでノスタルジックな雰囲気を大切にしたいなって思っていました。僕だけ勝手に(笑)。
田中:この作品を見た後、古いデビルマンを見返してみたんだけれど、やっぱり全然違うんだよね。昔のやつは漫画だなって感じだけれど、今回の方がリアル。前の作品が参考になるというよりは、全く別物として、新しいデビルマンをやるという気持ちでいいんじゃないかな。
田中:僕も最初はそう思ったんだよ(笑)。まあ、年齢的には無理なんだけどね。でも作品見たら「こりゃダメだ」って思ったよ。全く違う作品だからね。僕じゃないって納得できたよ(笑)。
浅沼:僕は普段脚本や演出をやっているのですが、自分のものですら、以前の作品を再演するとき、どこかを書き直したり、そのとき面白いと思っているものを取り入れてみたりするんです。だから、時代に合わせて変化すること自体には肯定的です。ただ、今回に関して言えば、田中さんが演じられていたデビルマンへのリスペクトが感じられるものでないといけないと思いながら演じました。これだけ多くのファンが田中さんのデビルマンで育ってきたんですから、全く新しいものであっても、全く違ったものになってはいけないという感覚でしたね。
田中:僕たちは声優だから、あくまで作品ありきなんだよね。作品にのらなければいけない。作品以下でも作品以上でもまずいわけ。作品として時代と共に変わるものもあれば、変わらないものもある。こういうアニメとかは、時代に合わせて作っていかないといけないとは思いますね。
田中:デビルマンと水戸黄門とかは?(笑)古いって共通点だけか。
浅沼:う〜ん、いくらでも出てきそうですが……。海外だと『アベンジャーズ』みたいな、別々の作品の主人公たちが何人も、一気に集結するものがありますよね。日本だとゲーム作品としてはあっても、映像作品ではなかなか生まれない。なので、枠組みを全部ぶっ壊したような、とにかく大騒ぎなコラボ作品があったらワクワクするなって思います。
浅沼:とにかくバトルバトルバトル。それに尽きます。最初は水と油なんじゃないかと不安を感じていたのですが、『変身』と言う意味では、(石ノ森章太郎と永井豪の)両先生が長らく描いてきたテーマですし、どちらも多くの方々に愛されてきたもの。とても美しく、なおかつ激しい形でコラボレーションされたと感じています。もちろん若い世代の人たちでも十分楽しめる魅力的な作品なので、この「祭り」がコアな人たちだけのものではなく、色々な方々に楽しんでもらえたらいいなって思います。
田中:古いデビルマンの良さは、不動明と牧村美樹ちゃんとの関係の在り方とかが、あの時代では斬新だった。今見たら古いかもしれないけれど、そういう心理の揺れ動きは楽しめると思います。話は単純で、デビル・ビームとかで死んじゃっておしまいなんだけれど、人間の触れ合いとか、そういう部分を楽しんでほしいですね。
(text&photo:磯部正和)
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