1983年、アメリカ・ニューヨーク州生まれ。99年にテレビシリーズ『ゲット・リアル』で俳優デビュー。『イカとクジラ』(05年)で注目され、放送映画批評家協会賞、インディペンデント・ スピリット賞にノミネート。『ソーシャル・ネットワーク』(10年)でアカデミー賞、 ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞にノミネートされ、演技派俳優として高い評価を得る。その他の主な出演作は、『ゾンビランド』(09年)、『グランド・イリュージョン』(13年)、『エージェント・ウルトラ』(15年)、『母の残像』 (15年)、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16年)、『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』 (16年)、『カフェ・ソサエティ』(16年)、『ジャスティス・リーグ』(17年)、『ハミングバード・プロジェクト 0.001 秒の男たち』(18年)、『ゾンビランド:ダブルタップ』(19年)など。劇作家、小説家としても活躍している。
CIAが実際に行っていたマインドコントロール・プログラムをテーマに、“覚醒したダメ男”の大活躍を描いた『エージェント・ウルトラ』 。『ソーシャル・ネットワーク』や『グランド・イリュージョン』などの若手実力派俳優ジェシー・アイゼンバーグが主演したラブ&アクションムービーだ。
謎の暗号をきっかけに、秘められた能力を炸裂させるコンビニ店員を演じたアイゼンバーグに、本作の見どころなどを聞いた。
アイゼンバーグ:初めて脚本を読んだ時、良い意味で「こんな脚本は今までに読んだことがない!」と思ったんだ。ストーリーがとても奇抜で登場人物も魅力的。僕が演じるマイクは、ハッパ好きの典型的なダメ男なんだけど、心優しい奴で、ガールフレンドと結婚したいと思ってる。でも、どうしたら結婚を申し込めるか悩んでいるんだ。
そんな中、彼は最悪の状況に巻き込まれて、自分の命を守るために戦うことになるんだけど、彼はもともと平和主義であり、とても怠慢な性格でもあるんだ。だから彼にとってこれは、まさに最低・最悪の状況なんだよね。
アイゼンバーグ:まずアクションは、撮影が始まる何ヵ月も前から訓練を受けたんだ。撮影現場で言われたことが直ぐにできるよう、何にでも順応して対応できるようにしたよ。一方で、僕自身はもともと怠慢な人間だから、そのシーンを演じるのはとても上手くできたよ(笑)。だらしない部分は、実生活をそのまま出したんだ。アクションシーンは、訓練でできるようになっていたから、両方を完璧に融合させることができたんだ。
アイゼンバーグ:僕が勉強したのはカンボジア、タイ、フィリピンといった東南アジアの格闘技スタイルだったんだ。トレーナーはフィリピン系のロバート・アロンゾ(*『ミッション:インポッシブル』や『オブリビオン』などを担当したスタントコーディネーター)。彼によると、マイクは(CIAで)このスタイルの格闘技を学んだはずだし、映画的にもこのスタイルが一番映えるらしいよ。格闘の技は他と違ってとてもユニークで、武器を使わずに相手を倒せるというものなんだ。だからこの映画にはぴったりだったよ。
でも、僕自身は人と戦うのが嫌いで、血を見るもの苦手なんだ。
アイゼンバーグ:彼女の出演を聞いて嬉しかったよ。だって、彼女は素晴らしい女優というだけではなく、このような映画にはぴったりだと思ったんだ。コメディとアクションの要素が上手くブレンドされたユニークな映画だし、ドラマとロマンスも含まれている。普通の映画はたいてい、(ジャンルが)一つだけ。でもこの映画は、全てがとても上手くブレンドされているんだ。そして彼女は、その全てのジャンルがこなせる人で、そんな人はあまりいないからね。
アイゼンバーグ:実は、僕あまり映画も見ないし、テレビも見ないんだ。唯一、見るとしたらNBAプロ・バスケだけ。だから僕は(キャスティングは)あまり適任じゃないと思う。
(自作の)芝居のキャスティングの時も、僕自身はあまりにも(役者を)知らなさ過ぎるから、キャスティング・ディレクターに全てを任せちゃうんだ。僕自身が起用するのは(過去に)共演した人とか、映画を通して出会った人だけだと思う。共演すると愛着が生まれるし、また一緒に仕事がしたくなるもんだよ。『アドベンチャーランドへようこそ』で共演したマイケル・ゼゲンという素晴らしい俳優も、この前、僕の芝居に出てもらったよ。
クリステンともまた共演するよ。一緒に仕事をすると気心が分かって、お互いに理解できることが増えるし、一緒にいると考え方が似たり、繊細な感受性を共有できるようになる。そういった点でも、僕たちは何度も共演するのかな。事実、クリステンとはこれで3回目の共演だよ。
アイゼンバーグ:うーん、泳げるにようになりたいね。水は好きなんだけど、泳げないんだ。練習したけど、ダメ。精神的な壁にブロックされているみたいだ。それは例えば、チョコレートが大好きなのに、アレルギーで食べられない、そんな状況だね。どうしても泳げない。だからその能力が欲しいよ。
アイゼンバーグ:そうだよ。他にもウディ・アレンの映画でクリステンと共演しているよ。でも、これに関しては何も話せないんだけど。
アイゼンバーグ:直感だね。僕は、その役を通して自分を表現できるものをやりたいんだ。多くの映画では、その役の設定がすべて決められていて、その映画にもともとないものを俳優が貢献するということはないんだ。だから『エージェント・ウルトラ』はとても希有な作品だと思うよ。主人公はとてもユニークな人物だよね。他の俳優が演じたら、全く別のものになると思うけど、今回は自分らしさを役に反映できたと思う。クリステンも自分の役に対して同じように思っていると思うよ。僕たちの役に、僕たちなりのユーモアのセンスとか自分なりのドラマやその感情を表現できた。だから『エージェント・ウルトラ』は僕にとって、すごくエキサイティングな映画なんだ。
アイゼンバーグ:さっきも話したけど、ほとんどの映画は(ジャンルやテーマが)一つだよね。でもこの映画は色々異なった要素が上手くブレンドされているんだ。すごく変わっていて、エキサイティングな映画だよ。伝統的なアクション映画の凄みもあるし、ユーモアもあって…。僕にとっては、2、3年前に出演した『ゾンビランド』みたいだね。面白いし、登場人物はリアルで、アクションもあるというところが似ているよ。ジャンルという枠を超えていて、演技がいいし、感情もリアルだし、コメディ要素も笑えるユーモアもあるし、すべていいんだ。
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