2月27日より全国公開
(C)2015 -FIDELITE FILMS - FRANCE 3 CINEMA - SIRENA FILM - SCOPE PICTURES - JOUROR CINEMA - CN5 PRODUCTIONS - GABRIEL INC
とんでもない音痴、けれど類い希なる天真爛漫な魅力で人々を魅了したソプラノ歌手が、かつて実在したという。『偉大なるマルグリット』は、その伝説的な歌姫をモデルにした作品だ。
主演したのはフランスの名女優カトリーヌ・フロ。1920年代のフランスを舞台に、笑いと涙に包まれたこの人間ドラマについて話を聞いた。
フロ:(主演した)『大統領の料理人』(12年)のプレミア上映の時、「チャンスがあればいつかグザヴィエ・ジャノリ監督と仕事がしたいわ。」と言ったのがきっかけなの。彼がその会話を聞きつけたのかしら、程なく『偉大なるマルグリット』の脚本の初稿が届き、それからは、すべてがあっという間だったわ。
でもこの映画の資金調達にはかなり時間がかかったの。何故ならセットや衣装にお金がかかるし、1920年代のパリを再現する必要があるから。それでも私は待つ覚悟だったわ。監督は定期的に映画の進捗を教えてくれたし、私はずっとマルグリットは特別な役になるだろうという予感がしていたの。
フロ:いいえ、知りませんでした。
これは伝記映画ではないので、演じるにあたっては何より監督の心に入り込み、彼の仕事のやり方を理解したいと思ったわ。彼は役者とキャラクターを見て、感情と演技を混ぜ合わせるの。それは私がとても好きなやり方だったの。
フロ:一番大変なのは、うまく音を外して歌うことよ。誤りの中に美しいものを入れなければ。(劇中に登場する辛口の新聞記者)ボーモンたちが非常に的確に表現してわね。彼らは映画の冒頭でマルグリットのプライベートコンサートから帰る時に、「彼女は神々しいほどに音痴で、崇高なほどに音痴で、野性的なほどに音痴だ」と言っているのよ。監督は、映画で私の歌声の吹き替えをやってくれる人の調子外れの歌声を聴く時に、私をスタジオに招待してくれたわ。
フロ:彼女は純真で、ひねくれた人々に引き裂かれるのを待っているような無邪気な女性よね。映画の中には彼女を笑ったり、利用しようとする人々が出てきますが、最終的に、そういった人々が最も彼女に心を動かされ、感動するようになるのよ。
フロ:私は、このキャラクターと映画に計り知れない深みを感じているの。『偉大なるマルグリット』は、すばらしいラブストーリーよ。この映画は章の形で構成されていて、寓話のような物語でもあり、この作品は私にとってとても心に刺さる映画なの。
フロ:グザヴィエ・ジャノリ監督は、逆説を操る才能がある数少ない映画製作者の1人ね。彼の映画は面白いと同時に悲劇的で、それをそのまま主人公が体現している。マルグリットは、人々に囲まれながらも孤独で、愛しているのに裏切られ、悲しみながらも生き生きとしていて、人の心を動かすけれど嘲笑を受けやすいのよ。彼女は登場した時と同じくらい純真かしら? 他のキャラクターは、見た目ほどひねくれているかしら? こういった複雑な曖昧さがこの映画を説得力のあるものにしているんじゃないかしら。
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