2599年の未来を舞台に、地球と火星で繰り広げられる壮大な戦いを描いた『テラフォーマーズ』。三池崇史監督が伊藤英明主演で人気コミックを映像化したこの話題作の前日譚を描いたオリジナルドラマ『テラフォーマーズ／新たなる希望』が、dTVで独占配信中だ。
火星に向かった15人がどのように選ばれたのか、原作でも描かれなかった心理バトルが展開し、『テラフォーマーズ』の原点とも言うべきもの。このドラマのオリジナルキャストを演じる林遣都に、見どころなどを語ってもらった。
林：僕が演じた菅野と言うキャラクターは、お金の為に火星行きを決意し、“バグズ手術”を受けた選ばれしメンバーの1人です。強盗して脱獄したというどうしようもない人間で、他の皆と同じように何か想い抱えているんですけど、どこかで皆と違う空気感を持っていて、冷静に物事を見ることができるので、この火星行きプロジェクトに対して誰よりも早くリスクの大ききに気付き、冷静に対処していくという人間です。ただ、お金の為だけに火星行きを目指していた人間でしたが、人との触れ合いの中で、もっと大事なことに気付いていくことができる……というようなキャラクターでした。
林：それぞれのキャラクターがどんな虫の能力があるかも分からない中でしたが、菅野にもきっと何か才能があって、もし火星に行っていたら、どれだけ活躍していたのかって言うのは、誰にも分からないので…そんなに気負ったり、アクションが大変だったていうのはなかったです。
心情の変化を見せるのは難しかったです。菅野は、最初変に強がってて、人を馬鹿にしているような人間でしたが、人との触れ合いの中で本当に大切なモノの存在に気付いていくので……。撮影はセットの中でしたけど、外の世界はどんな感じで、普段何をして過ごしていて、どこまで悪い奴で……とか想像力を膨らませながら演じなければならなかったので、そういうところが難しかったです。
──もし昆虫のDNAを埋め込まれるとしたらどの虫がいいですか？ 理由も併せて教えてください。
林：昆虫じゃなくて“鳥”がいいです。飛びたいから、他に理由はないです（笑）。なんか、僕が演じた菅野の髪型も鳥っぽいし、飛びそうじゃないですか？（笑）
林：やればやるほど、悩みだらけですし、どんどんやりがいも増えていくし、年々変わり続けていますね。作品を見た方に「この作品はこの人でなきゃダメだ」と思って貰うには相当な準備が必要なので、常に勝負しています。
──本作『テラフォーマーズ／新たなる希望』は、映画の前日譚を描いているオリジナルストーリーとして、映画と連動しておりますが、こういった連動プロジェクトについてどう思いますか？
林：dTVと映画の連動プロジェクトと聞いた時は、映画『悪の教典』と『悪の教典 ‐序章‐』と同じ感じで、またオリジナルで面白いことをやろうとしているんだなって思いました。
何が起こるか分からないワクワク感もありましたし、姿かたちも分からないので、とてもやりがいは感じました。また、しっかりオリジナルキャラクターとして、存在しなければならないという使命感もありましたし、三池さん監修の元、こういうキャラクターをこういうポジションの役どころで演じようと気合が入っていました。
ただ一言言うとしたら……「火星に行きたかった」（笑）。続編も十分考えられる作品だと思いますが、僕と（小池昇役を演じた）菅谷哲也さんが続編に出れる可能性が一番低いですよね（笑）……。
林：『テラフォーマーズ／新たなる希望』では、火星に行く前のそれぞれのキャラクターが、皆どういう想いを持って生きてきて、そして火星に行きたいと思ったのかというところが描かれています。
このdTVのドラマを見れば「テラフォーマーズ」を知らない人は、映画『テラフォーマーズ』の世界観にもスムーズに入っていけると思いますし、原作ファンの人でも、このドラマを見ることによって、それぞれのキャラクターを違う見方、そして感情移入ができると思いますので、ぜひ見ていただきたい作品です。
1990年12月6日生まれ、滋賀県出身。中学3年生の修学旅行中にスカウトされ2005年芸能界入り。07年、映画『バッテリー』主演で俳優デビュー。同作品での演技が評価され、第31回日本アカデミー賞新人俳優賞などその年の多くの新人賞を受賞した。 その後、『DIVE!!』（08年）、『ラブファイト』（08年）、『荒川アンダー ザ ブリッジ』（12年）など多数の映画で主演を務め、若手実力派俳優としてさらに注目を集める。近年は、Netflixドラマ「火花」に主演、NHKでも放送が開始している。NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』『精霊の守り人』といった人気ドラマをはじめ、映画『花芯』『にがくてあまい』『グッドモーニングショー』（すべて16年）など話題作に次々と出演している。
