1994年9月21日生まれ、沖縄県出身。2009年、映画『ガマの油』でスクリーン・デビュー。映画は『ヒミズ』(12年)、『ほとりの朔子』『私の男』(共に14年)、『オオカミ少女と黒王子』(16年)、『SCOOP!』『何者』(共に16年)、『リバーズ・エッジ』(18年)、『翔んで埼玉』『人間失格 太宰治と3人の女たち』(共に19年)などに出演。ドラマやバラエティなどテレビでも活躍し、2020年前期のNHK連続テレビ小説『エール』のヒロインを務める。
恋愛経験ゼロなのに彼氏がいるふりをする見栄っ張り女子。女子高生にありがちな嘘をテーマに、奥手でピュアな女子高生と、イケメンだけど腹黒ドSのモテ男との恋模様を描いた『オオカミ少女と黒王子』が、5月28日から公開される。
累計550万部突破の人気少女マンガを実写映画化した本作で胸キュンな“2人”を演じた二階堂ふみと山崎賢人に、映画の見どころなどを語ってもらった。
二階堂:面白く読みました。そのときに気になったのが、(原作者の)八田鮎子先生がどういう目線でこのお話を描いているんだろう?ということだったんです。描き手が女性だと女の子側に自分を投映することが多いと思っていたのですが、先生が現場にいらっしゃったときにうかがったら「まったく逆なんです。恭也に自分を投影していて、エリカは私の好みの女の子なんですよ」とお話ししてくださって。だからこそ、ああいうまっすぐで面白い展開が描けるんだなと思いました。エリカの気持ちだけではなくて恭也のちょっとした気持ちの変化や動きがキーになっている原作なので、そこがすごく面白かったです。
山崎(※):最初に一巻を見たときに、男(恭也)だけが描かれている表紙にびっくりしました(笑)。現場でふみちゃんから今の話を聞いて、そうだったんだ、と。恭也のキャラも、エリカを自分の犬にしたがるという設定も強烈ですよね。自分を犬にしようとしている人を絶対に好きにならないだろうと思って読み進めていくと物語が展開していって、そこが面白いと思いました。
二階堂:ひたむきなところですね。エリカは嘘をついているという大前提はあるのですが、自分のなかに生まれてきた感情にはものすごく素直で、そこには嘘をつかないし、ごまかさない。まっすぐで素敵だなと思いました。
山崎:恭也って実は恋愛に関してはピュアで、弱い部分やバリアを張っているところがあるんですよね。本性を知っていくと本当はいいやつで、考え方が大人でちょっと不器用。優しさを表現できなくて、ふざけちゃうところも魅力だと思います。セリフっぽいセリフが多いのですが、そこを変えてしまったら恭也じゃなくなるので、いかにナチュラルにできるかを心がけました。
※「崎」は正式には旧字(たつさき)です。
二階堂:成長しながら女の子としての変化が大きく感じられるキャラクターなので、衣裳にもこだわりました。最初の頃に比べると制服のスカートが短くなっていったり、前髪の具合が変わったり、細かく変化させています。私服は監督と一緒に買い物に行って、自分でスタイリングさせてもらいました。恭也と比較するとエリカは強烈なキャラクター性があるわけではないのですが、見ている人がエリカの目線になりつつも、たまにエリカを外から見ながら応援したくなるキャラクターにしたいなと思っていましたね。あとは、山崎君との距離を大事にしていました。カメラが回っていないところでのコミュニケーションが近ければ近いほど、カメラの前に立ったときにとことんエリカになれると思ったし、余計なことは排除されていくのかなと。
山崎:原作のファンの方がたくさんいるので、金髪にしてもらいたいというお話が最初にありました。金髪にするならカツラは嫌でしたし、染めたときに恭也に近づけた気がしたので、形から入れたことがとてもありがたかったです。
二階堂:はじめて現場でご一緒したのはドラマ『熱海の捜査官』だったのですが、映画みたいな現場だったんです。私と同じ年、同じ学年で、山崎君は初めてのお芝居で。監督がおっしゃった何気ないひとことや演出を、きちんと自分の体に自然に落とし込める、素直で思いやりがあって優しい人だなと思いましたね。そして今回は、きっと6年間で色んな人と出会って色んな経験をして、多くのことを培って、たくさんの映画で女の子たちの憧れの象徴になっているからこそ、作品に対する思いやりも持てるんだろうなと感じました。主演としての揺るがないところと柔軟なところの両方があって、そこに成長を感じましたし、また現場でご一緒できてよかったなと思います。
山崎:ありがとうございます(笑)。ふみちゃんは出会った6年前と、いい意味で変わっていないと思いますね。あの頃からすでにしっかりと自分を持っていて、好きなことがはっきりとあって、突き進んでいる感じがしていました。そういう部分は、全然変わらないです。この作品は少女漫画のキラキラした世界が描かれているのですが、ふみちゃんにはそういうイメージはあまりなかったんですね。でも今回のふみちゃんはめっちゃキラキラしていて、新しいイメージイメージだなって(笑)。そういう作品をこうして6年ぶりに一緒にできたことがうれしかったし、現場で色んな話をしたこともよかったなと思っています。
二階堂:前の撮影からだと、6年たつからね。
山崎:怖くない?
二階堂:あっという間だね。
二階堂:でもそんなもんかな、って(笑)。何十年もやられている先輩たちがいるので、お互いにまだまだだなっていう感じです。
山崎:セリフとしては、「プレゼントなんてあげたいときにあげればいいんだよ」が、かっこいいなと。俺もそうしよう、って(笑)。
二階堂:教訓になった?
山崎:そう、恭也様に学ばせていただきました(笑)。
二階堂:個人的には(控えめな)日下部君が好きなんですけど(笑)、恭也はかっこいいですよね。すごくドSってことではなく、感情をあまり表に出さず、でもちゃんと相手のことを見ている人だと思うんです。小さな変化に気付けるって、それだけ相手のことを見ていて優しい人だからだと思うので、そういうところはすごく素敵な男の子だと思います。
あと、山崎君が演じているからこそ、ちゃんと女の子が憧れる象徴みたいな人になっていますよね。それは作ってどうこうなることではなく、山崎君のカリスマ性だと思います。映画版の恭也は原作とはまた違う魅力があるので、見た女の子たちも魅了されるんじゃないかなと思いますね。
山崎:“オオカミ少女”ですけど、根はすごく素直でまっすぐで、人に対する思いやりがある女の子なので、すごく好きですね。“オオカミ少女”になっちゃう理由もわかるし、一緒にいたら楽しそうだなと思います。
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