dTVオリジナルドラマ『高台家の人々』小松菜奈インタビュー

大地真央の若かりし日々を好演、「育ちの良さ」の表現に苦労!?

#小松菜奈

マサオのバカ正直さがすごく面白い!

今、最もホットな若手女優・小松菜奈と若手個性派の間宮祥太朗が共演するdTVオリジナルドラマ『高台家の人々』。6月4日より全国公開される映画『高台家の人々』の30年前のエピソードを描いた作品だ。

映画では、綾瀬はるか演じる妄想女子と、人の心が読めるサイコパスのイケメン・エリート、光正の恋模様が描かれるが、dTVオリジナルドラマでは、光正の両親の若き日が綴られていく。

映画で大地真央が演じた由布子の若き日を演じた小松菜奈に、ドラマの見どころなどを聞いた。

小松菜奈

──本作は映画の30年前を描いていますが、今回のように映画と連動したドラマに出演した感想を教えてください。

小松:私は映画で大地真央さんが演じられている由布子の30年前を演じさせていただいてます。やはり原作がある作品というのはいつもプレッシャーを感じますが、今回はドラマのことだけでなく、映画の世界観も大事にしながら撮影に取り組めたら良いなと思っていました。

──作品の見どころを教えてください。

小松:ドラマは、高台家の父母である由布子と、(映画では市村正親が演じていた)茂正Jr.(通称マサオ)の恋愛物語です。映画では、「テレパス」という人の心が読める特殊な能力が出てくるんですが、ドラマは、「テレパス」がなくても、純粋に「好き」という気持ちを大事にしていこうというメッセージが見どころだと思います。あと、王道のラブストーリーだと思っていたんですが、実際に演じてみると、マサオのバカ正直さ(笑)がすごく面白くて。でも、ただ面白いだけじゃなくて、好きな人に対する純粋さにも注目していただければと思います。

携帯のない時代の恋愛も良いなと思います
小松菜奈

──大地さんが演じた役の30年前を演じるのは難しさもあると思いますが、どのように役作りしたのですか?

小松:映画で由布子役の大地真央さんが人の目を見てはっきりと物事を言うところが印象的だったので、そこは意識して演じるようにしていました。監督からは由布子の若き日だから、あまり映画を意識しすぎなくて良いと言われましたが、「スポーツが好き」「育ちの良さを表すような仕草」「曲がったことが嫌い」「思ったことは口にする」といった、由布子というキャラクターの土台はブレないように気をつけています。

──演じてみていかがでしたか?

小松:育ちが良い人の動き方が難しいですね。「育ちの良い人」の役は演じたことがなかったですし、前回演じた役柄が正反対のドタバタキャラだったので(笑)、その癖が残ってしまっているので難しかったです。
 また、セリフのテンポの速さにも苦戦しました。ゆっくり話すと由布子の性格が表現できないので。それから、相手を見すぎて自分のセリフを忘れてしまったり……。お芝居の現場にまだ慣れていないので、緊張して動揺してしまったり、焦ったりするんですが、そのなかでも精一杯演じさせていただきました。

──「育ちが良い動き」とは?

小松:物怖じをしない、堂々としているといったあまり動かないイメージがあります(笑)。

dTVオリジナル ドラマ『高台家の人々』
http://video.dmkt-sp.jp/ft/s0004387

──公開告白をされるシーンがあるかと思いますが、実際に小松さんがそういったシチュエーションにあったらどうされますか?

小松:そんな状況になったことがないので、なかなか想像しにくいんですが……(笑)。自分も本当に好きだったらOKと答えると思いますが、まだ気持ちの整理がつかない時は、後で返事をすると思います。

──30年前が舞台ということで、携帯のない時代の恋愛が描かれるわけですが、どう感じましたか

小松:そういう時代も良いなと思います。私は生まれた時から携帯電話があったので、昔はどういう風にお互いの距離を縮めていたのかは気になりますね。今の時代はメールやSNSで告白する人が多いかと思います。もちろんSNSとかのおかげで、世の中のことを知ることができるので、便利だとは思いますが、しっかり相手の顔を見て、自分の気持ちを伝えることが大事だと思います。

──恋愛相手となるマサオは、次々に女性に目移りしますが、そういった性格についてどう思いますか?

小松:すぐに乗り換えるのは嫌です(笑)。気持ちに嘘がないのなら良いとは思いますが……(笑)。

恋愛に関しては相手の気持ちが分からないからこそ楽しい
dTVオリジナル ドラマ『高台家の人々』
http://video.dmkt-sp.jp/ft/s0004387

──小松さん自身が「テレパス」を使えるとしたら、どのようなことに使いたいですか?

小松:テレパスって一見便利な能力だと思うんですが、相手の気持ちの全てを分かってしまうのは、状況によっては悪いこともあると思います。特に恋愛に関しては、「相手の気持ちが分からないからこそ楽しい」ということもあると思うので……私は今のままでいいかな(笑)。

──本作に限らず、役作りはどのように行っているのでしょうか?

小松:恥ずかしがらずに出し切って、まずは「振りきる」ことを大事にしています。現場では毎回スタッフさんや監督、演じる役も違うので、最初は戸惑うこともありますが、他の役者さんの演技を見たり、その時に演じる役が全く違うキャラクターだったりすると楽しさも全然違うので、逆に振りきることができます。『渇き。』の時のようなハードな役から、今回のような純粋な役まで幅広い役をいただけることは本当にありがたいですし、またこういう役をやってみたいと思えるので、今は女優というお仕事がとても楽しいです。

──本作は映像配信のドラマですが、映画やテレビの撮影と違う部分がありましたか?

小松:配信だからと言って意識した事は特になく、普段通りに演じました。
映像配信サービスについては、たくさんの作品が手軽に見れるし、今作のように、ここだけでしか見れない映画につながる物語があるので、とても魅力的だなと思います。

──最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

小松:dTVオリジナルドラマ『高台家の人々』は、映画同様、笑いあり、涙ありのピュアなラブストーリーになっています。是非、映画を見る前にdTVのドラマを見て楽しんでいただければと思います。

小松菜奈
小松菜奈
こまつ・なな

1996年2月16日生まれ。東京都出身。08年よりモデルとして活動を開始。その後、雑誌やPVなどで活躍し、「NTT docomo dビデオ」のCMで話題を集める。『渇き。』(14年)で中島哲也監督に抜擢され、劇場公開映画デビューを果たす。その他の作品は『近キョリ恋愛』(14年)、『バクマン。』(15年)、『ヒーローマニア-生活-』(16年)、『ディストラクション・ベイビーズ』(16年)など。