1991年11月28日生まれ。アメリカ、ニューヨーク出身の日系アメリカ人。第9回全日本国民的美少女コンテストでグランプリを受賞し芸能活動をスタート。ドラマ『世界組TV』で女優デビュー。ファッション誌「ViVi」の専属モデルやCMなどでも活躍。主な出演作はNHK大河ドラマ『八重の桜』(13年)、ドラマ『白鳥麗子でございます!』(16年)など。
世界のお嬢さま、白鳥麗子の暴走する純愛といちずな思いを描き出し、累計発行部数1700万部を突破した鈴木由美子の人気コミックス「白鳥麗子でございます!」。1989、1993年にはテレビドラマ化、そして1995年には映画化もされ、幅広い層に支持を集めた。
あれから二十数年の時を経て、あの白鳥麗子が帰ってきた。鈴木保奈美、松雪泰子に続き、今回の麗子役に抜てきされたのは、生粋のニューヨーク育ち、リアルお嬢さま女優ナンバーワンの呼び声も高い河北麻友子。派手な見た目と高飛車な言動とは裏腹に、心の中では恋する男性をいちずに思う、純情で世間知らずな19歳を魅力的に演じている。そこで今回は、21世紀の白鳥麗子に抜てきされた河北麻友子に話を聞いた。
河北:すごく嬉しかったです。もちろん主役ということも嬉しかったんですけど、白鳥麗子という自分の役名が、タイトルについていることもすごく嬉しかったですね。
河北:もちろんあります。原作があるものってそもそもが難しいですからね。漫画を読んでいる人が、実写化の際に、「あれ? 自分がイメージしてたのと全然違う」と思われることもありますし。プレッシャーもありましたし、それとプラス、以前に松雪さんが白鳥麗子をやっていたということも大きかった。でも逆に考えると、私の世代でも全然知らない子も多いので、新しく見た人でも楽しめるようにできたらいいなと思いました。もちろん前から見ていた人にも楽しんでもらいたいとは思ったんですけど、その時にどちらかの世代に寄せてしまうのはダメだなと思ったので、基本的には自分らしくというか。新しい『白鳥麗子でございます!』だと思っていただければいいのかな、というように気持ちを切り替えました。
河北:インスタグラムでは、すごいかわいかったという声がありました。私のファンの子からは、(麗子がいちずに思いを寄せる)哲也くんがすごくムカつくみたいなコメントがすごく多かったですね。ドラマでは散々振り回されてばかりだったので。麗子さまの味方になってくれる方が多かったです。
河北:全然知らなかったです。このドラマと映画が決まってから勉強しようとは思ったのですが、でも、あまり見過ぎちゃうと、そっちに寄せられてしまうので。あまり勉強しすぎないようにはしていました。
河北:そうですね。まわりの人からは、ハマり役だねと言われていたので、ある程度は素のままでいけるかな、という安心感はありました。でも、実際に演じていくうちに、やっぱり私にすごく似ているなと思う部分が多かったですね。
河北:麗子さまのいちずな部分ですね。私もひとつのことに集中すると、まったくまわりが見えなくなるので、そういうところはすごく似ているなと思いました。
河北:麗子さまは装飾品をたくさん付けているので、それが役作りというか、彼女のしぐさにつながっていきました。麗子は常に帽子や手袋をしているので、身動きできないというか。そんなに大げさには振る舞えないというか。自然と麗子のしぐさが身体に入ってきましたね。
河北:すごく楽しかったですね。それって麗子さまならではというか。普段、そこまでやる役ってないじゃないですか。彼女はかなり振り切った役だったので、楽しかったです。
河北:そうですね。麗子さまは特別というか。「えっ、ここまでするの?」というくらいが普通なんですよね。もう最初からそれでいいんだ、と思ってやりました
河北:イヤです(笑)! 麗子さまは悪気がないんですが、いろんな人を振り回してしまっているところとかも、似ているなと思う部分が多いので、多分2人になったらぶつかりまくちゃう。それか、意気投合して、お互いにパワーアップしすぎちゃうかも。周りも誰も止められなくなって、すごい勢力になっちゃうかもしれませんね(笑)。
河北:やっぱり「ホーッホッホ」という高笑いですね。これは白鳥麗子の代名詞なので。それがすごく難しかったんですよ。本読みの時にも全然できなくて、監督からも練習しようねと言われて。それから喋(しゃべ)り方も独特ですよね。普段喋(しゃべ)るようなしゃべり方とは全く違うので、それも慣れるまでは時間がかかりました。
河北:監督と話をした時に、身近なところで言うとデヴィ夫人に近いんじゃないかなという話になって。確かにそれは分かるなと思って。しゃべり方も常に麗子さまに近いなと思ったので、そういうところは意識しました。
河北:そうです。でも出川哲朗さんからは、いつも小デヴィと言われていますからね。それはいいんだか悪いんだか分かりませんけど(笑)。
河北:やはりしゃべり方に癖がすごくあるので。一回入れちゃうとその癖が取れにくいというか。撮影現場でも、みんながずっと麗子語でしゃべっていたので。ついつい癖で出てしまうんですよね。
河北:例えば朝から晩まで撮影していた時には、「あー疲れたわ」みたいな感じで。みんな疲れてくると、いろいろとイライラすることもあるじゃないですか。そんなときも「なんだかイライラするわ。腹が立つわね」みたいな感じで冗談っぽく言うと、和みましたね。この作品をやってみて気付いたんですけど、麗子語だったら何でも言えちゃうんだなと思いましたね。
河北:このいちずな麗子さまの姿を見て、仕事であっても恋愛であっても、ここまでいちずでずっと信じていれば夢はかなうんだ、幸せになれるんだ、というようにちょっとでも希望を持ってもらえたらと思いますし、このラブコメディーで笑って、泣いて、楽しんでいただけたらと思っています。
(text&photo:壬生智裕)
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