1956年3月7日生まれ。カリフォルニア州出身。舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、テレビドラマで活躍。テレビシリーズ『マルコム in the Middle』(00年-06年)で注目され、『ブレイキング・バッド』(08年-13年)に主演し人気を得る。映画では『アルゴ』(12年)、『GODZILLA ゴジラ』(14年)などに出演。
オードリー・ヘプバーンをスターダムにのし上げた『ローマの休日』をはじめ、『スパルタカス』『ジョニーは戦場へ行った』『パピヨン』といった不朽の名作を次々と世に送り出した脚本家、ダルトン・トランボ。信念を貫き、40年代から50年代にかけてハリウッドを覆った「赤狩り」の嵐の中で映画界から追放された男の半生を描いた『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』が大ヒット中だ。
不遇のなかでも腐ることなく前進し続けたトランボを、ブライアン・クランストン。が時に感動的に、時にユーモラスに演じ、心を揺さぶる。人気ドラマ『ブレイキング・バッド』のウォルター・ホワイト役でも絶賛されたクランストンに、映画について聞いた。
クランストン:撮影自体も楽しかったし、映画史にも残る作品だと思う。大作ではないけれど、大きなメッセージを秘めているんだ。権利のために闘うことの大切さを教えてくれる作品で、憲法修正第一条の意義についてもだ。言論の自由は常に守られねばならないものだからね。どんな法律も、言論の自由を侵すものであってはならない。政府の行いについても同じだ。これがトランボの主張だよ。
クランストン:トランボは闘う男で、何であれ書くことが大好きだった。電気会社や電話会社に、「料金を吹っ掛けすぎだ」と手紙で文句を言ったこともある。教育委員会にも意見した。いつだってケンカ腰だったんだ。だから赤狩りが始まった時も、受けて立った。だがそのせいで、家族や友人まで傷を負った。その傷はあまりに深く、映画の終盤に彼は言うんだ。「英雄も敗者もいなかった。いたのは被害者だけ」ってね。
クランストン:屈辱的だったと思う。彼は文字どおり何もかもはぎ取られてしまった。つまり、丸裸にされただけではなく尊厳や自由まで奪われた。刑務所を出たら、今度は家族への責任を果たせない。稼ぐ手段を奪われたからだ。あまりにも懲罰的で、アメリカらしくない間違ったやり方だった。“非米活動委員会”の名が泣くというものだ。彼らは投獄すると脅すことで質問に答えさせた。所属する組織はどこか、信仰する宗教は何で、投票先はどこか。他人に無関係の個人的な事柄だ。
クランストン:トランボは、出所後は実名で作品を書けなかった。まともな者は彼を雇わなかったが、低予算映画を作るキング兄弟は違った。何を言われても揺るがない。トランボを雇うなと圧力をかけられたが、「口出しするな。俺は気にしない」と答えた。兄弟はトランボを雇い、偽名で書かせて報酬を払う。それがトランボの反撃の出発点となったんだ。彼は仲間に仕事を回して脚本を書き続けさせた。うまくいけば、愚かしい現状を変えることができる、書き続けていれば追放は無意味だと証明できると考えたんだ。
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