2001年2月4日生まれ、神奈川県出身。0歳のころから子役として活躍。CM、映画、テレビドラマ、舞台と多方面で活動し、子役時代の“泣き”の演技が評判を呼んだり、SNSでの発言が注目を呼び、バラエティ番組でも人気を博す。本作『みつばちマーヤの大冒険』で、外国映画の吹き替えに初挑戦した。おもな出演作にドラマ『悪夢ちゃん』(12年)、アニメ『おまかせ!みらくるキャット団』(15年)、NHK Eテレ『ストレッチマンV』(13年〜現在)など。
好奇心旺盛なミツバチが巣を飛び出し、さまざまな出会いと経験を重ねて成長していく……。
日本でもテレビアニメ化され人気を博したドイツの児童文学を、本国ドイツでフルCGアニメ化した感動アニメーション『みつばちマーヤの大冒険』。ルールに縛られたほかのミツバチとは違う目を持つ主人公マーヤの声を担当した“はるかぜちゃん”こと春名風花(はるなふうか)が、作品の魅力や声優として生きていく決意を語った。
春名:はい。小さなころからずっと女優さんになりたいというか、お芝居をやる人になりたいという思いがありました。そのなかでも、声優さんは役の幅が広くて魅力的だと思っていました。アニメも大好きですし。子役やタレントとして活動してきたら、こうしていまは声優事務所に所属することになりました。
春名:そうなんです! 現実的なお芝居では絶対にできないような役もできる。年齢や外見も関係なくできます。
春名:最初、事務所の方から『みつばちマーヤの大冒険』で、結構いい役に決まりそうだと言われたんです。それで、テントウムシの子かな?とか考えてたんですけど、マーヤですと言われて! めちゃくちゃビックリしました。しかも親友のウィリーは、日本のテレビアニメで最初からウィリーをやっていた野沢雅子さん。ほかにもベテランの声優さんばかりで、正直、動揺しました(笑)。
春名:マーヤが愛くるしくて、大好きになりました。ただ台本のマーヤの部分に、“笑”とか“はしゃぐ”と書かれている部分が多くて、どうやればいいだろうという戸惑いも大きかったです。吹き替えが初めてだったこともあって、台本にある、たとえばかぶり気味に話すときの印といったお約束の記号が分からないこともありました。
春名:ありがとうございます。そうですね、練習しました。笑い声自体が日本人とは結構違うんですよね。日本ではアハハハハとはっきり笑ったりしないんですけど、外国の方はかなり豪快に、最初からハという文字が出てくる感じなんです。日本だとふわっと息から入る感じ。日常と違う笑い方なので、難しかったですね。ただ今回は、ドイツ方の元の声、いわゆるお手本があったのでやりやすかったです。
春名:本当に大好きになっちゃって、黄色いものを見たらマーヤしか思い浮かばないくらいです(笑)。マーヤのビジュアルもかわいいし、マーヤが見ている世界もとてもステキ。それからキャラクターに関してだと、共感する部分がたくさんありました。だから、キャラクター的にはとても入り込みやすかったです。
春名:ぼくの場合は人見知りなので、マーヤのように誰にでも話しかけて質問するということはできなかったんですが、ただ文章という点では結構自由になってましたね。これはどうなんだろうとつぶやいていたら、ちょっと違うんじゃないかという反応がたくさん来たりしてビックリしたというのはありました。マーヤは普通じゃないと言われましたが、マーヤが純粋な疑問をぶつけることで、みんなが見てこなかったもの、知らなかったものに気づいていきます。ぼくもSNSなどで自分の考えをかなりはっきり言う子でした。間違ったこともたくさん言っていたと思います。でも疑問を持つということは今でも大事だと思っています。なんにでも疑問を持って、好奇心いっぱいに、これはなぜなんだろうと考えることは、今でも大事にしています。
春名:マーヤは理想のぼくに近いです。ぼくも昔から、偏見とか先入観を抱かずに、その人自身を見るというのを心がけています。それをマーヤは自然にやっているんですよね。それから、ぼくは人見知りで、変に気を使っちゃって空回りすることが多いので、マーヤの積極性は見習いたいなと思いました。
春名:お芝居が好きなので、お芝居全般をやっていきたいとは思っています。ただ本業としては声優さんでいたいという思いがあります。軸は声優として、声優さんが舞台に出ている、声優さんがテレビに出てるという軸はブレないようにしたいと思っています。職業、声優と名乗って生きていきたいですね。
春名:いえ、みなさんと一緒でした。野沢さんも。みなさん笑顔が素敵な方ばかりで、すごく和やかな雰囲気の現場でした。でも当然、本番になると空気がガラっと変わるので、さすがだなと感じました。
春名:やはりすぐにマネできることではなくて、経験があってこそだと思うんですけど、声の圧がスゴイというのは感じました。マーヤの心臓にドズンって声が突き刺さってくるんです。ぼくは最初の音がちょっと弱いところがあるんですよね。気を付けていたので、マーヤではかなり減ったとは思うんですけど、野沢さんやみなさんはやっぱりすごくて。自分も経験を積んで、将来、こういう声が出せるようになりたいと感じました。
春名:お芝居を本気で一生続ける仕事にしたいと思ったのは、おばあちゃんの家で「ガラスの仮面」を読んでからです。主人公の北島マヤのお芝居にかける情熱にすごく憧れました。3歳くらいのときですけど。これ言うと、あまり信じてもらえないんですけど(苦笑)。
春名:古着屋さんに行くのが好きですね。同じ服を着ていると、ネットに写真をアップしたときに困ったりもするので(苦笑)、安さ重視で古着屋さんに行ったりします。掘り出し物がたくさんありますし、普通のショップは今、流行っている服が置いてあると思いますが、古着屋さんにはちょっと変わった服なんかもあるのでおもしろいです。
春名:身体が鍛えられてないんですよね。だから筋トレを始めたいです。はじめなきゃいけないとはずっと思ってるんですけど。やっぱり、野沢さんの声の圧を聞いても、自分は身体がまだできていないと感じるので。運動が苦手なので難しいのですが、でも筋トレにはまりたいです。
春名:います。むしろ親友は異性のほうが多いかもしれないです。特に幼なじみに近い、子役時代に一緒の番組で知り合った子とはすごく仲良しですね。親同士も仲良しです。
春名:マーヤを見ると自分の原点に戻れるといいますか。生きていくなかで、いろんな情報を吸収してきて、それはとてもいいことだけれど、でも情報が多くなるにつれて、先入観、偏見、これはこうだという思想がかなり固まってくると思います。でもマーヤを見ると、あれ、これってこうだったの?と今まで疑問に思わなかったことに疑問を持てる。マーヤの純粋な目で世界を見たいとみなさん思うんじゃないかなと、ぼくは思います。
(text&photo:望月ふみ)
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