1962年6月22日 香港生まれ。俳優・脚本家・映画監督・プロデューサーなど多彩に活動するヒットメーカー。香港でテレビ局の俳優養成学校に入学。子ども番組の司会を経て俳優業に進出し、映画デビュー作『霹靂先鋒(原題)』でいきなり台湾電影金馬奨最優秀助演男優賞を受賞。香港歴代興収1位を記録した『ゴッド・ギャンブラー/賭聖外伝』(90年)、単独で初監督・脚本・製作・主演を果たし香港歴代興収No.1を獲得した『少林サッカー』(01年)、香港と台湾の歴代興収1位を記録した『カンフーハッスル』(04年)などを監督。
“善人は報われる”、“正義は勝つ”という大原則を信じている
中国での公開初日に約47.6億円もの興収を記録した『人魚姫』。最終的には約591億円の興収となった大ヒット作が、ついに日本でも公開された。
監督は、『少林サッカー』のチャウ・シンチー。リゾート開発のために自然保護区域の海を埋め立てようとする金の亡者と可憐な人魚との恋を描いた、アクション・コメディ・ロマンス・ファンタジーというヒット要素てんこ盛りの本作について、シンチー監督に語ってもらった。
──『人魚姫』はどのような作品なのでしょうか?
監督:『人魚姫』は現代都市で起きるおとぎ話で、現実的な面とファンタジー的な面の2つの面がありますが、根本的にはラブストーリーです。僕はおとぎ話が好きで、僕の作品は実はすべておとぎ話です。おとぎ話には“善人は報われる”、“正義は勝つ”という大原則があり、僕はそれを信じているからです。
──本作は中国歴代興行収入No1を記録しましたが、それについてどんな感想をお持ちですか?
監督:僕は映画を作るときはいつも観客に喜んでもらえるかどうかを気にしています。観客が一番大切です。
深いエモーションなくして成功している映画を僕は知りません
監督:演出するときはいつでも困難にぶち当たるものですが、CGは演出意図に基づいて使用しています。
──本作は、現代中国にはびこる拝金主義と環境汚染問題に警報を鳴らすメッセージが込められているようにも思えます。
監督:“もし地球上に1滴もきれいな水がなく、一口分のきれいな空気もなかったとしたら、いくらお金があっても何の役にも立たない”と僕は信じています。我々は地球の環境を大切に守っていかなくてはなりません。
監督:今後もし機会があって、よい題材があれば考えたいと思います。
──人魚たちが隠れ住むジャンク船のセットが素晴らしかったです。ここぞという場面ではセットでの撮影にこだわる理由を教えてください。またCGに関してはあえてリアルではないレベルで使用しているように見えるのですが、その意図も教えてください。
監督:どんなCGやセット、ギャグもすべて映画の外装であり、最後に残るのは“情”の一文字です。深いエモーションがなくて成功している映画を僕は知りません。
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