1986年10月1日生まれ。東京都出身。2001年に芸能界デビューを果たすと、2002年にシングル「ever since」で歌手デビューも果たす。2003年に「Into the Woods」で初舞台を踏むと、その後はミュージカル等でキャリアを積む。2014年にはディズニー映画『アナと雪の女王』の日本語吹き替え版でアナを務め、第9回声優アワード主演女優賞を受賞。その後もナレーションやラジオ番組のMCなど多岐にわたる活躍を見せる。
『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ最新作『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に、伝説の女神テレサ役で参加する神田沙也加。本作は『宇宙戦艦ヤマト』をリメイクしたアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』の続編として、全七章立てで劇場上映される。
これまでもアニメの声優を務めたことがあった神田だが、本作では初めて他の声優と一緒の現場でアフレコ収録に臨んだ。小さいころから声優を夢見ていた神田が「夢が叶った日」と感激した収録現場での話や、本作にかける思いなどを聞いた。
神田:私が生まれる前から続いている作品ですし、すごく歴史があって根強いファンがたくさんいることは知っていました。そんなシリーズ作品に参加できることは感慨深い一方、キャストがそうそうたる方々ばかりなので、本当に自分でいいのかなという不安はありました。
神田:難しいですよね。役作りと言っても、自分の経験則から引っ張ってこられるようなものでもありませんからね。誰も神になったことないですしね(笑)。アフレコに参加したときには音響監督から、「誰も想像できない存在なので、神々しくやってください」と言われたのですが、そもそも「神々しい」というのが難しいですよね。「見目麗しい少女」という部分を頼りに優雅で柔らかな感じは意識しました。
神田:これまでは別録りの収録が多かったのですが、全然違いました。一人一人の声が重なっていくと、ぞわぞわと鳥肌が立ち、心臓が破裂しそうでした。入れ替わり立ち替わりマイクの前でセリフを言っていくのは、声優の養成所で経験したことはありましたが、プロの現場では初めてだったので、こうした純然たるやり方ではデビュー作と言っていいかもしれません。夢が叶った日。こうした場所に来たかったんだなって思いました。
神田:声優は一番なりたかった職業なんです。小さいころ、声優さんの技術に気づいたとき、雷に打たれたような衝撃を受けたんです。いま自分が表に出るようなお仕事をするようになっても、消えない気持ち。いまでも声優志望って言えます。
神田:「ときめきメモリアル」というゲームをやっていて、キャラクターが可愛くて、真似をしていたんです。でも音を消して自分で声を当てても、キャラクターに命を感じなかったんですね。声優さんが声を入れないとキャラクターはただの絵なんだって感じたとき、すごいことをしているんだなって。そこから声優になりたいって思ったんです。
神田:そういう風に見てくださるのはとてもありがたいですが『宇宙戦艦ヤマト』という作品は、すごくファンも多く、テレサのシーンで「なんだよ!」って足止めしてしまってはいけないというプレッシャーはあります。本気の世界に挑ませてもらえるという意味でやりがいはありますが、正直怖さもありますね。
神田:収録前日からこれまで経験したアフレコとは違う緊張感がありました。そういう現場でものづくりができることは、今後に繋がると思います。
神田:憧れの声優さんが沢城みゆきさんなのですが、あまり似ているよねって言う人がいないような、唯一無二な感じには憧れます。一方で、色々な引き出しを持っている方もすごいと思います。可愛らしい声から、大人っぽく低めのトーンで勝負できる……そんな風になれたらいいなって思います。
(text&photo:磯部正和)
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