1982年.2月7日生まれ。神奈川県出身。06年に芸能界デビュー。本作の脚本を務めた山本むつみとの出会いとなったNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(10年度上半期)で漫画家・水木しげる役を演じて高い評価を得る。おもな映画出演作に『小野寺の弟・小野寺の妹』(14)、『S-最後の警官-奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』(15)、『信長協奏曲』(16)、『RANMARU 神の舌を持つ男』(16)など。
俳優の向井理が企画に携わり、映画化した家族の物語『いつまた、君と』が公開される。原作は向井が大学生のときに、家族や親せきらと自費出版した祖母の手記。祖母・朋子が綴っていたのは、亡くなった夫・吾郎との思い出。戦中、戦後を生き抜いてきた家族の波乱の歴史と愛の物語だった。
脚本に、向井にとって俳優としての転機となったNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の山本むつみを、監督に『60歳のラブレター』など人間ドラマの演出に定評のある深川栄洋を迎えた本作。自身の祖父を演じた向井が、その思いを語った。
向井:はい。脚本の山本むつみさんに出会えたことが大きかったです。この物語を映画にできるという確信に繋がりました。『ゲゲゲの女房』(10年)の脚本を何度も読んでいて、本当にすごい脚本家さんだと思ったんです。ただ貧乏な家族の話を、とても愛情たっぷりに描いていて。そういえば自分の周りにもそういう手記があるなと思ってむつみさんにお渡ししました。祖母の若いころを演じてくれた尾野真千子さんも、深川監督も、この7年の間に出会った人たちですし、制作プロダクションもそうです。この期間の間にいろんな人に出会って、みんなで作ってきたという感覚です。
向井:祖母をモデルにした芦村朋子も名前は違いますし、祖父の名前(吾郎)も違います。なので別人だと思って演じています。自分の家族の物語を映画化しようという思いで始まったのではなく、この時代の大変さや家族のありがたみといった、色んなメッセージを受け取ってもらえる映画になりうる原作が身近にあったからという意識です。ただけじめとして、僕が出ていなかったら無責任だし、僕は出る側の人間なので、出演するのは自然な流れでした。
向井:それはゼロではないです。ただ、家族向けに作っているわけではないので、今のところそういう感情はあまりありませんね。
向井:吾郎が闇市にいかなかったというエピソードが出てきますが、それは当時としてはかなり異質なことでした。今の感覚では、まっすぐな人なんだなくらいにしか思いませんが、バカじゃないの?と言われるくらいの時代だったんです。そういうことは、僕たちは知りませんよね。ほかにも戦後間もなくの頃は、都市部に移転してはいけなかったとか。役者として作品に向かうたびに、いろいろなことを調べたりしますが、知らないことのほうが多いです。勉強しなくてはと思いますね。
向井:そうですね。時代によって子役が変わるので、全部で9人くらいの子供たちが出ていました。
向井:やっぱりコミュニケーションを取ることですね。撮影時間外でも、なるべくスキンシップをとるようにしていました。子どもって大人ほど距離感が遠くなくて、近くても受け入れてくれますし、なるべく一緒に時間を過ごすことで家族としていられるように努めました。楽しかったですね。心を開いてくれる子たちばかりで、ひとりでゲームをしているといったこともなかったので、とても助かりました。
向井:今回、企画に携われたということがすごく大きな経験になりました。台本が出来上がるまでにすごく時間がかかったり、ロケハンすることの大変さを聞いたりして、多くのことを知りました。ひとつの台本を、もっと丁寧に扱わないといけないと、改めて思うようになりましたね。自分のもとに台本が来るまでに、大変な時間と多くの人々が関わっているのだなと。ひとりの人としても、仕事の面でも、ひとつひとつの物事を大切にできる人になりたいです。
向井:早すぎても出来なかったと思いますし、後になりすぎても体力的に難しい部分もあったと思います。7年間かかってよかったと思います。最初に映画化を思い立ったときに、すんなり進んでいたら、いまの人たちに出会えていなかったわけですし。僕も、実際に祖父が南京に行くときの年齢になってからクランクインできた。意味のある7年間だったと思います。
(text&photo:望月ふみ)
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