1994年7月12日生まれ、静岡県出身。08年に「ももいろクローバー」を結成し、翌09年には「いま、会えるアイドル」というキャッチフレーズのもとシングル「ももいろパンチ」でインディーズデビュー。その後、10年には「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たすと、一躍トップアイドルへと上り詰める。11年にはグループ名を「ももいろクローバーZ」に改名し現在に至る。女優としては、15年に映画『幕が上がる』で主演を務める、16年には連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロインの親友役を演じ注目を集める。
原ゆたかの人気児童書「かいけつゾロリ」シリーズの劇場版アニメ第5弾『映画かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ』。本作でゾロリと、その子分であるイノシシの双子イシシ&ノシシがタイムスリップした先で出会った若き日のゾロリママ=ゾロリーヌの声を務めたのが、アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子だ。
連続テレビ小説『べっぴんさん』でメインキャストを務めるなど、アイドル以外にも活躍の幅を広げている百田が、アフレコでのエピソードや、自身について語った。
百田:ヒロインという役柄を演じたこともありませんでしたし、声のお仕事というのも、あまりなじみがなかったので、最初お話をいただいたときは「えっ?」って感じでした。しかも台本を読ませていただいたら、超出番も多く、プレッシャーを感じました。でも、もともと小さいころから読んでいた本だったので、映画に参加できる喜びは大きかったです。
百田:ドラマは自分の間で話せるのですが、アニメってキャラクターの口の動きがあるから、どうしても合わせることを意識してしまうんです。でも監督から「このセリフはゾロリにかけてあげて」とか「もっと気持ちを大事にしてあげて」ってアドバイスをいただき、ドラマとかアニメとかに関係なく、気持ちが大事なんだなって感じました。その意味では、女優活動は役に立っていると思います。
百田:台本を読む前は、私が演じたゾロリーヌは、すごく優しくておっとりしたお母さんのイメージだったんです。でも台本をいただくと、とてもアクティブな印象で、正直悩んでしまったんです。そんなとき、声優の野沢雅子さんとお会いして「思い切りやったほうがいい」というアドバイスをいただいたんです。そこで、一度自分のなかにあったゾロリーヌのイメージを全部捨てて、まっさらな状態で台本と向き合ったんです。そうしたら、怖いもの知らずなところなどは自分に近いなと感じましたし、ゾロリに対するお母さんの気持ちなども、朝ドラで母親の役をやっていたので、そのときの気持ちをシンクロさせたりして役を作っていきました。
百田:結構そういうところはあります(笑)。「とりあえずやってみよう」とか「こうと決めたら手段を選ばない」みたいな意思の強さはゾロリーヌと似ている気がします。知らない人に初めて会っても話しかけちゃったりしますね。
百田:私はスポーツ選手になりたかったというか、なると思っていたんです。授業も体育しか得意ではなかったし、その道に行くのかなと漠然と感じていたんです。ずっとバスケットボールと新体操をやっていたのですが、地元の高校に新体操部がある学校が1校しかなかったのです。しかもそこがめちゃくちゃ頭のいい学校で無理だなと(笑)。今はいろいろなアスリートの方とお話する機会もあり、生半可な気持ちでは、スポーツ選手にはなれないとわかるのですが、当時は本当にスポーツ選手として生きていこうと思っていたんです。
百田:そうですね。スポーツと同時に芸能のお仕事も始めていて、いつの間にかバスケか新体操という二択に、芸能という選択肢が加わって、三択になっていたんです。今でも「こんな予定じゃなかったよな〜」って思うことがあります。
百田:いろいろといたずらするし、怖いもの知らずなところがあるので、大丈夫かなって心配になっちゃいますね。
百田:私のお母さんが、小さいころから子守唄を歌ってくれたり、本を読んでくれたり、おいしいオムライスを作ってくれたりしたので、お母さんみたいな人になりたいなという思いはずっとありました。でも私だったら、ゾロリみたいな子がいたら「ちゃんとしてー」とか「もう危ないから!」って怒っちゃいそうです(笑)。
百田:あまり自分の現状について客観視できていないので、気持ちがついていけないんです。朝ドラのときも、すごいことだということは重々わかっているのですが、尋常じゃない量で声をかけていただけたりすると「なにが起きているんだろ」って思ってしまうんです。急に年上の女性に「(『べっぴんさん』で百田演じる良子の息子がやんちゃで手を焼いていることに)あんたの家の子ども、どうにかしなよ!」なんて声をかけられたりするんです(笑)。
百田:新しいことをするのが大好きなので、いろいろなことにチャレンジしていきたいのですが、そのなかでも、アクションはやってみたいですね。殺陣とかやったことがないので、すごく興味があります。
(text:磯部正和/photo: 小川拓洋)
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