1978年9月13日生まれ、福岡県出身。お笑いコンビ、バッドボーイズのメンバー。福岡最大の暴走族の総長だった経験を記した自伝小説「デメキン」を09年に発売。
福岡最大の暴走族の総長だった過去を持つお笑い芸人・佐田正樹。その不良時代を描いた自伝小説「デメキン」が実写映画化された。主演は、ネクストブレイク必至の健太郎、山田裕貴。その親友・厚成を山田裕貴が演じている。今回は、原作者の佐田とキャストの健太郎、山田に映画の見どころなどを語ってもらった。
佐田:この映画はノンフィクションでお届けしていますが、唯一のノンフィクションが、2人が男前すぎるところです。そこだけノンフィクション。もったいないくらいですね。
佐田:初めて会った時、まだ少年のような感じで未成年でしたし。あれから1年くらい経ち、今は成人しましたが変わりましたね。ぐっと大人になった。映画でも少年が大人に変化していく部分が見られるので、健太郎の成人式になったかなと。
山田:確かに顔つきが変わったね。
健太郎:本当ですか?
佐田:ほんと、ほんと。
佐田:本物の厚成を僕は知っているのですが、山田くんは男前すぎますね。でも熱い演技がすごく合ってた。
山田:よかった〜。
佐田:厚成が「それが今やろ!」っていう時があるんですけど、そこは世の全男の子のスイッチがグッとはいるシーンだと思いますね。涙スイッチがね。友情ってあれなんですよ。かっこよかったです。
健太郎::佐田さんが出演しているバラエティ番組の映像などを見ていて、当時のことをすごく楽しそうに話されているのが一番の印象でした。なので、みんなとも話して、とにかく楽しもうと撮影の2週間を過ごしました。“楽しい”が一番で、仲間を愛して、それから泥臭い感じもあって。
山田:計り知れない経験をしていると思うんです。普通の人が感じないような部分をすごく熱く感じていたりとか。そうした部分を演じるって想像力だけでどこまでいけるのか分からないので、とにかく生半可な気持ちではいけないと思いましたね。だからバリバリ気合いだけは入れてました。厚成として、とにかく熱量はみんなにも負けないように。あと、僕、AKB48の番組で佐田さんが最終回で泣いているのを見たんです。
佐田:あはは! そこいじる?
山田:すげー、感動したんです。いま、番組が終わるというときに、泣いてしまう司会者っているかなって。それだけひとつの番組にかけてるってことだから、すごいかっこいいって。
佐田:書いておいてくださいね。かっこいいって。
山田:そこから佐田さんのことが好きで、結構追っかけて見ていたので、『デメキン』の話がきて、めっちゃ嬉しかったです。
佐田:あー、やりましたね。
健太郎・山田:覚えてます。
佐田:全部の現場には行けないので、博多弁でケンカをするとき、地元の人でも納得できるリアルさを求めたくて。監督に録音させてくださいって言われて、そういう講義をしました。
佐田:アクション監督の方に、こうやっていましたとかお話ししました。僕は柔道をやっていたので、健太郎には柔道経験者なりのケンカの動き方を入れたりしましたね。
健太郎・山田:楽しかったです!
健太郎:そういえば、アクション練習のときに、1回、山田さんのパンチが僕に当たったんです。
山田:そうそう!
健太郎:あのときは、イテー!ってなりましたけど(笑)。
山田:初めて会った日だったんですよ。まじ、ごめん、大切な顔を……ってすごく心配しました。
健太郎:山田さんがとにかく優しく接してくれたし、近づこうとしてくださったので、正樹と厚成になることが出来ました。
山田:そうやって言ってくれるんですよ。俺も健太郎のこと、めっちゃ可愛いって思ってますよ!
健太郎:大好きです。
佐田:僕は客観的に見てましたけど、仲良かったですね。印象的だったのが、集会のシーンに、OBとかがエキストラで来てくれたりして、バイクの音とか、ニオイとか、みんなで特攻服を着て集まっているのを、遠目で見てたんですけど、当時がフラッシュバックしました。あのときのまんまやん!って泣きそうになった。ホンマに。
佐田:あのとき、めちゃくちゃ寒かったんですよ。カットがかかったら、ドラム缶の火のところにみんなで集まってね。
健太郎・山田:懐かしい。
山田:寒くて集まっていたから、本当にいろんな話をしました。あの総長になるシーンは、俺らも本当に嬉しくて。こっちが映るのはほんの一瞬だけど、でも命かけてましたね。佐田さんの、当時の証みたいなものをどうにか具現化できないかみたいなのは、みんな思ってました。
健太郎:みんなすごくよかった。その気合が伝わってきたのでみんなを守っていかなければという気持ちがさらに強くなりました。
健太郎:僕は最後にボロボロの厚成がやってくるところです。山田さんが泣いているんですよ。それを見たらこっちも泣けてきて。うわ、やばいって。弱いパンチで殴りあって。
佐田:ふたりともボロボロでね。
健太郎:あそこは好きです。
山田:俺もあそこかな。みんな朝から夜まで撮影していて、僕は夜から合流して、そこまで傍にいてやれなかったっていう厚成とリンクする気持ちがこみ上げてきたりして、健太郎が、正樹がすがすがしい顔で歩いてくるのを見て、あぁ、よかった、みんなよかったって。撮影としても最後だったので、いろんな気持ちが重なりました。
佐田:男がケンカをするのは、ただ争っているだけじゃなくて、誰かのためにっていうのがあるんです。それがまた友情に変わったりして。不良だ不良だって言うけれど、『デメキン』ではそんなに悪いことしてないし、バイクに乗ってバカやってるだけ。男がケンカをするのは、こういう理由があるんだというのを観てほしいですね。
健太郎:いろいろな人の愛が詰まった作品だと思います。物語はもちろん、スタッフ、キャスト、関わったすべての人たちの思いも。バイクや特攻服なんかも忠実に再現していて、作品に対する愛が深い。そのなかで、正樹が仲間を思っているところや、みんなが正樹を愛しているところ、それだけではなく、親子の愛情などいろいろな愛を感じながら観てもらえたら、心に一層入っていくと思います。
山田:人に熱い人たちの物語。いま、友だちにここまでできるのかなって思いますし。こうやって面と向かって拳をぶつけ合って生きているのってかっこいいって思います。これを観て、何か友達ともう1回向き合ってみようとか、目と目を合わせて、睨み合わせてでもいいですけど、そう思ってもらえたら。友だち、仲間といった部分が突き刺さったらいいなと思います。
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