1942年11月27日生まれ、スペインのカナリア諸島ラ・パルマ島サンタクルス出身。スイスで教育を受けた後、65年渡仏。ニューヨークを訪れた68年に、当時、米版「ヴォーグ」の編集長だったダイアナ・ヴリーランドから、靴にフォーカスを当てるようアドバイスされ、その助言に従い独学で靴作りを学ぶ。71年ロンドンへ移り、同年初コレクションを披露。72年にはロンドンのチェルシーに最初の店をオープンする。80年代には本格的にアメリカへ進出。ビジネスでの成功をおさめ、ブランドは世界へと拡大。98年に放送開始したTVドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』で爆発的人気を博す。
『セックス・アンド・ザ・シティ』の主人公キャリーがこよなく愛するブランドとして、一般にもその名が知れ渡ったシューズブランド、マノロブラニク。世界中のセレブが愛するブランドを生み出したマノロ・ブラニクの素顔に迫るドキュメンタリー『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』が、12月23日より公開される。
「ヴォーグ」編集長アナ・ウィンターや歌姫リアーナ、ソフィア・コッポラ監督らも登場しその魅力を語る本作について、ブラニク自身に語ってもらった。
ブラニク:カメラが周りにあると完全にリラックスして居心地よいというわけにはいかなかったですが、何とか慣れました。このドキュメンタリーには満足しています。私の人生の様々な側面をリアルに捉えています。靴のデザイン、工房での長い作業、イギリスの庭園での静かな生活を楽しむシーンなどです。
ブラニク:彼とは30年以上前からの友人です。しかし、それでも映画の出演に関してはずいぶん考えました。そうは言ってもマイケルは、ほかの誰でもない“マイケル”だからね。他の監督に同意して映画を作ったとして、この私の物語を彼以上にうまく語れる人物はいないという結論に達しました。監督を彼に任せれば、私の仕事は美しく撮られるだろうし、私の物語は真実らしく、この映画を通して私は自分自身のままでいられるだろうと思いました。これらすべてのことを考えたうえで、私は「イエス」と返事しました。
ブラニク:本当にそのままだよ。小さいころ、実際にお菓子の包み紙で、トカゲと、それから犬にも靴を作ってあげてました。
ブラニク:ミラノやサンクト・ペテルブルクのエルミタージュ美術館で行われている私の靴の展覧会に多くの人々が来ていると聞いて、これには本当に驚いています。
ブラニク:創造的な仕事をしたいと思い、セットやコスチュームデザイナーとして出発しました。だが、(60年代に「ヴォーグ」誌編集長をつとめた)ダイアナ・ヴリーランドの忠告に従って、靴のデザインに絞ることにした。彼女の助言と援助にはずっと感謝しています。
ブラニク:私の周りにあるものすべてがインスピレーション源です。最初はそれと分からなくても、後でそれが想像の中に現れ、私はそれを最終的に靴のスケッチに移す。それは本でもありうるし、映画、展覧会、建物でも。私は視覚的人間なので、気に入ったものは忘れないし、いつか私のコレクションの中に現れることになります。
ブラニク:質のいい靴を作る、それ以外に秘密なんかないよ!
ブラニク:いや決して引退はしない。いつまでも、いつまでも続けるのみです。ずっと美しい靴を作り続けていたいからね!
ブラニク:この映画を見た人が楽しんでくれることを望みます。私のイマジネーションの世界と同時に、それに関わってくれた人々との絆を感じ取ってもらえればと思います。観客は、私の人生を垣間見、マイケル・ロバーツ監督の創造的ヴィジョンと、誰にも真似できないウィットを楽しむことになるでしょう。
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