1989年11月10日生まれ、イギリス出身。2012年にRADA(英国王立演劇学校)を卒業後、テレビシリーズ『オックスフォードミステリー ルイス警部』で役者デビュー。主な出演映画は『キングスマン』(15年)、『Sing/シング』(16年/声の出演)など。舞台でも活躍。
英国紳士スパイがスタイリッシュなアクションを繰り出すヒット作『キングスマン』の続編となる『キングスマン:ゴールデン・サークル』が絶賛公開中だ。
主演はタロン・エガートン。前作の主人公ハリーの後を継いだストリート上がりのゲイリー・“エグジー”・アンウィンを演じた期待の新星に、本作の見どころなどを語ってもらった。
エガートン:前作から特にどのくらい経ったかということは明らかではないけど、彼の住んでいる家を見回すと壁にはタブロイド紙の切り抜きが3枚ほど貼られていて、エグジーがいくつかのミッションを独自で達成して新聞のトップ記事を飾ったことが伺える。それから彼は、とても古臭い50年代の表現を借りるとすれば、あのスウェーデンの王女と“ステディな関係”にあるんだ。まったく恋というものは思いがけないところに芽生えるものなんだね。エグジーはキングスマンとしてライフスタイルを保ち、フルタイムのスパイとして活躍しながらも、心から愛する彼女との間に芽生えた恋を大事に育てようとしているんだ。エグジーの本質は昔のままだけど、前と違うのはかなり重要な任務を負っているということかな。
エガートン:もちろん今もとんがっているけど、最高に間抜けなこともやらかすんだ。観客にとって、この映画にのめり込んでいくためにはエグジーの目を通してストーリーを経験することが不可欠だと思っている。彼は今でも下水溝から糞まみれになりながら脱出したりしなくちゃならないんだ。そんなの(前作の主人公でコリン・ファースが演じる)ハリー・ハートとは無縁だよね。エグジーだからこそなんだよ。もし、エグジーが本作でハリー・ハートになっていたとしたら、彼にはどこにも行き場がなくなるんだ。彼はいつもどこかとんがっている奴なんだ。彼のアディダスのフーディ姿だって再登場するよ。だってそれがリラックスしている時の彼の真の姿だからね。
エガートン:脚本を書いている間中、ずっと僕に電話してきてはアイデアをシェアしてくれた。マシューは大きな子どもみたいな面があって、とてもエキサイティングなアイデアが浮かぶと人とシェアしたがるんだ。マシューがどういう人物で彼のクリエイティブな頭脳がどのように機能しているかが分かりかけた、と思う矢先に、今度はもっと違う、圧倒されるほどのすごいアイデアをまた考え付くんだ。しかも毎日のように僕が思いつかなかったようなことを考えつくんだよね。
エガートン:前作の撮影中はいつマシューが僕のことをクビにするかとヒヤヒヤしていた。当時は言葉数少なく、お行儀良くおとなしかった。今じゃ現場では自分全開でギブアンドテイクの対等な立場だよ。前作以来、撮影セットでかなり時間を費やしたおかげで自分に自信がついたし、現場や今や僕の生活環境となったこの世界でどう振る舞えばいいのかの感覚もつかめてきた。マシューはこの作品はある意味でアルバム第2弾だとよく言っていたし、確かにそうだと思う。時折、人々が道で僕に向かって“エグジー!”と叫びかけるけど, 未だにそれに慣れないね。その上、人々の期待に応えるだけのレベルでまた同じ役に戻って演じることって大変なことだと思う。観客は前作で慣れ親しんで楽しんだ経験はもちろんのこと、 新鮮で新しいものを期待してるんだからね。『キングスマン』は僕の人生を一変した。だからまたこの役に戻る時には興奮と期待感で胸がいっぱいだった。脚本は最高だし、ストーリーが素晴らしい。演劇学校を卒業して4年も経たないうちに初出演した映画の次作に出れるなんて信じられないよ。僕は世界中で最高にラッキーな男だと思う。
エガートン:前作の初めのあたりのエグジーは、社会から見放されて目的もない不満だらけの若者だった。そしてひょんなことから引きずり込まれたぶっ飛んだ世界に身を置いて初めて、自分の方向性や目的を見出すんだ。それなのに、2作目が始まるや否や全てをぶっ壊すなんて本当にクレイジーだよ。エグジーは本当に何をしていいか全く見当がつかない。続編ってうまくいかない時もあるけど、この映画は違う。話のリセットがされているからね。今まで全てがうまくいっていた、でもまた振り出しに戻るんだ。
エガートン:キングスマンは表向きがスーツの仕立屋でそれが収入源だから(ステイツマンの運営する)ウィスキー・バーボン蒸留所とは違って経営予算や待遇にも制約がある。その点、ステイツマンはレベルが上なんだ。 自分たちのジェットとは比較にならないほどのぶっ飛ぶようなジェットを所有しているし、エグジーが前作のように驚きで目を大きく見開く表情がまた見れるよ。
エガートン:最高だよ。僕からしてみれば、ピーコック(訳注:ウェールズにあるデパート)で働いていたと思った矢先に、次の瞬間にはジェフ・ブリッジス、コリン・ファース、テイタム・チャニング、ハル・ベリーのテーブル向かいに座っているんだからね。同席していることが不思議な感覚だった。これらの才能ある役者たちがとても活気に溢れ、アクの強い目立ちたがりの キャラクターを素晴らしく演じきっていた。
エガートン:鑑賞後、劇場を去る時に「今回はちょっとセーフゾーンを狙ったかな」なんて思わないはずだよ。続編制作の際、特に前作が興行上大成功だった場合、 マシューのほど決意が硬く妥協を許さない人はいないからね。前作が挑発的だと思うのであれば、今回の作品は顔にパンチを食らうくらい衝撃的な仕上がりだ。
エガートン:そういうこと。前作より更に挑発的だと思う。
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